建設工学科は人々が快適に暮らせる住まいづくりや、安全で安心な生活ができる社会基盤づくりに貢献できる人材の育成を目指しています。1年次は建設工学科群として建築・土木の共通科目を全員が学習します。
2年次になると建築工学科・土木工学科に分かれて専門の学習をします。学科の選択は、あくまでも本人の要望が最優先なので、自分に合った学科を選ぶことができます。
建築工学科の所定の単位数を修得し卒業すると2級建築士の受験資格が与えられ、設計士は勿論のこと建築大工・建築現場監督として活躍することが可能となります。また、建築士法改正(平成30年12月)により、高校を卒業した年の7月に2級建築士が受験できるようになりました。
土木工学科を卒業すると道路や橋等の土木現場監督や公務員、運輸(JR・名鉄など)、電力会社など幅広い分野で活躍するチャンスがあります。また、※建設工学科は、他科に比べ進学率が高い傾向にあり、在学中の専門スキルを生かした4年制大学や専門学校に進学します。その理由は、より高度な専門知識や教養を学ぶことで、建設業をはじめ行政職や教育職などの幅広い分野でリーダーとして第一線で活躍するためなのです。
※「建設工学科」は1年次建設工学科群、2年次からの建築工学科・土木工学科を合わせた総称として使用しています。
建設施工実習
工業高校では、教室で学習する座学、製図や木工機械、測量機器に直接触れて学習する実習があり、両方をバランス良く融合させながら3年間系統立てて学習していきます。
学年 |
学習する専門科目 |
1 |
建築構造 土木施工 工業情報数理
工業技術基礎 建設工学実習 |
2 |
【建築工学科】
建築構造 建築構造設計 製図 実習 |
【土木工学科】 測量 土木施工
製図 実習 |
3 |
【建築工学科】
建築計画 建築構造設計 建築法規
建築施工(選択)
製図 実習 課題研究 |
【土木類型】
土木基盤力学 測量 土木構造設計 社会基盤工学(選択) 製図 実習 課題研究 |
主な授業内容の紹介
建築構造
木材のことについて学んだうえで、建築物の構造の作りについて学ぶ科目です。
実習
1年次は、手描きやCAD(図面作成ソフト)による製図や、カンナ・のみを使用しての木工実習や軸組模型実習、レベルなどの測量機器を使用しての測量実習、コンクリートや鉄筋の材料試験を行います。
2年次は、建築工学科と土木工学科に分かれて、測量(トラバース測量) 、木材加工や鋼材(溶接) 、土質実験などを行います。また、希望の進路に適した専門の学習(建築設計、建築施工、測量士補、土木施工)を選択できる選択実習を行っています。
3年生になると、BIMやCIMといった3次元ソフトを用いた最先端の実践実習や、各自が自由に設計した作品を木工機械で施工するプロジェクト実習などより高度な専門実習を行っています。
建築製図
土木製図
令和4年度入学生より、従来の建設工学科は「建設工学科群」となり、定員40名の「くくり募集」となります。1年次は建設工学に関する基礎科目を学び、2年次からは「建築工学科」と「土木工学科」の2つ学科に分かれて、実践的な専門学習に取り組むことになりました。
学科のホームページには、建設工学の基本となる「建築製図」と「土木製図」と設計図面通りに建設工事を行う「施工実習」の授業風景を掲載しました。
近年では、民間企業などから講師をお招きし、最新の「建築BIM実習装置」、「土木CIMシステム」を学ぶ最新技術を取り入れた授業を行っています。また、建設工学科は、地域の教育資源の活用に取り組んでおり、次の様な取り組みをしています。
①KDS(可児自動車学校)と連携協定を結ぶことでドローンの操縦技能の修得だけでなく、航空法の理解や空撮映像の点群データ処理までを建設業視点で学ぶことができます。
②ライン生コン(株)と連携協定を結ぶことで、建設工事の主役であるコンクリートを混和剤等の活用により様々な自然環境に対応させる技術を学んでいます。
③地元の建設系企業と連携を組むことにより、3ヶ月間に渡る「中長期インターンシップ」を実践しています。2年生の希望者は9月~11月の毎週火曜日に、現場監督・設計士・建築大工等、様々な職業体験に取り組みます。将来、建設業に入社したが、「こんなはずではなかった。・・・辞めたい・・」となることだけは避けたいと考えます。