【ESD 学校設定科目 地域課題探究 其の三】

『飛騨みんなの博覧会コース』

地域課題探究5時間目(5月29日)の授業では、2つのグループで企画を作るために、6〜7人のチームに分かれて話し合いを始めました。
しかし生徒たちは、なかなか意見を言い出すことができません。各グループでリーダーに名乗り出てくれた生徒が率先して意見を言ったり、場を盛り上げようとしたりしますが、反応はなかなか返ってきません。時間ばかりが過ぎていきました。(写真1,2枚目)

そこで5月31日の昼休み、担当の福井先生が生徒に向かって話をしました。
「全員が同じ熱量をもって、1人1人が企画に関わろうという気持ちで参加してほしい」
福井先生の生徒に対する期待、熱い想い、、、生徒も真剣な表情で聞いていました。

担当する教員もたくさん話し合いを行いました。生徒たちの話し合いが進まない・盛り上がらないのは、意見が出ないからだということは分かっています。ではなぜ意見が言い出せないのか。どうしたら意見が言えるようになるのか。

そこで地域課題探究6時間目(6月12日)の授業では、「ファシリテーター」という言葉を生徒にインプットしました。ファシリテーターとは、グループが目標を達成するために、問題解決・合意形成・学習などを支援し促進する人のことです。今後話し合いを進めるにあたって、生徒にはこのファシリテーターの役をローテーションでやってもらうことを提案しました。
この提案をした意図は、各グループのリーダーはあくまでも、連絡を共有するときなどに中心になってくれる人であり、話し合いをリーダーが決める・仕切るというわけではない!ということを共通認識にするためです。誰かに任せるのではなく、1人1人が意見を出すという意識をもってもらうためです。
今回の授業では、各グループに、教員が1人ずつファシリテーターとして入りました。

結果は、、、、撃沈、、、、。
前回よりは意見が出てきたものの、意見に対する反応は薄く、静かな話し合い、、、。いまいち盛り上がりません。

どうして、、、。どうしたら、、、。担当教員は話し合います。そして3つのことを考えました。
①関係が出来上がっていない(精神的に距離が遠い)のだから、せめて物理的に距離を縮めたらどうか。
②生徒には、企画について自由に考えさせていたけど、自由すぎて、かえってやりづらいのではないか。
③教員が観察しすぎて話しづらいのではないか。

早速、地域課題探究7時間目の授業で、考えたことを実践しました。
①教室の机を全て左右に寄せました。教室には前後に2つの黒板があるので、チームごとに1つ黒板を使用しながら立って話し合いを行ってもらいました。
②教員側で、企画を実施する日時・場所・参加対象を設定して、提案しました。
③教員は各チームの進度を、少し離れたところから見守りました。

①〜③の手段が効いたのか、、、?いや、生徒の授業に対する姿勢が変わったのか!!
今回の授業では、生徒の話し声・相づち・笑い声がたくさん聞こえます。
話し合い開始直後は大きかった円も、時間が経つにつれ小さくなっていきます。(写真3→4枚目)黒板には意見が書かれ、ジェスチャーを用いて話す姿、教室を歩きながら実際に再現する姿が見られました。前時とは全く異なる良い雰囲気に、遠くから見守る教員もニヤニヤが止まりません。(写真3〜6枚目)

授業5時間目、昼休み、授業6時間目を経て、生徒も教員もたくさん考え、やっと話し合いの進め方が見えてきたように思います。授業後には教員も振り返りをします。今回の振り返りは、心なしか、みんなの顔が明るく見えました。

しかし!これで満足することはできません!なぜなら、私たち『飛騨みんなの博覧会コース』チームには、企画書提出の【締め切り】があるからです。今後の活動では、企画の内容をより細かく詰めていかなくてはなりません。生徒教員の振り返りと挑戦は続きます、、、!!

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