~飛騨から世界を望み、地域社会の持続可能な発展に貢献します~

本校は、岐阜県の北部にある飛騨市にあり、安峰山の麓の高台にある校舎からは、清流宮川、荒城川が流れる古川盆地の町並みが一望できます。飛騨市は、「古川祭」や「飛騨神岡祭」などの伝統行事や、NHKの朝ドラ「さくら」や平成28年に上映された「君の名は。」でも注目され、国内外から多くの観光客が訪れます。
本校の歴史は、昭和23年旧吉城郡1町6村の組合立吉城高等学校に始まり、昭和28年に県立に移管、48年に理数科を設置、53年に現在は古川小学校がある増島町から上気多の地に移転し現在に至っています。
本校の校訓は、「行学一致」「自主・創造」「心身の錬磨」です。つまり、学んだことを実践に移し、自ら課題を見つけ、解決し、新しいものを作り上げる。そして自分自身を鍛えるということです。知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな生徒の育成を目指しています。
平成30年11月11日(日)には、創立70周年記念式典を挙行することができました。今年度74年目を迎え、将来を見据えた改革に取り組んでいます。少子化が進む中で、質の高い教育を保証し、生徒一人一人の進路希望を実現する高校として、平成30年度入学生から30人学級を実現し、平成31年度入学生からは、進学重視型単位制に移行しました。単位制になることによって、今まで以上に、生徒の進路希望に応じた多様で実践的なコース・選択科目が用意できる教育課程となっています。さらに理数科では、県の「理数教育フラッグシップハイスクール」、いわゆる岐阜県版の「スーパーサイエンスハイスクール」の指定を受け、タブレットの導入や質の高い実験実習ができるようになりました。
令和元年度から始まった第三次岐阜県教育ビジョンの大きな柱に、「ふるさと教育の充実」があります。すでに吉城高校では、課題解決型のキャリア教育として、平成27年度から「吉高地域キラメキプロジェクト」、いわゆるYCKプロジェクトに取り組んでいます。地域を学びの場として「観光」「福祉」「教育」「防災」の四分野に取り組むこの活動は、全国でも先進的な取り組みとして評価され、平成30年度には「地域学校協働活動に係る文部科学大臣表彰」を受け、持続可能な社会の担い手を育てる教育をすすめる「ユネスコスクール」への加盟も承認されました。併せて、令和29年度に開始していたYCKプロジェクトのリーダー活動と台湾研修をそれぞれ「地域課題探究」と「国際理解探究」として1単位の授業(希望者のみ)と設定しました。
令和2年度からは、文部科学省より「地域との協働による高等学校教育改革推進事業(地域魅力化型)」の事業特例校の指定を受け、引き続き「学びの改革」を推進しております。現在、「知識・技能」、「思考力、判断力、表現力」に加えて、「主体性を持って、多様な人々と協働して学ぶ態度」が身に付けるべき力として求められています。本校では、机の上の学習だけでなく学んだ知識をもとに、地域の方々と一緒に課題解決に取り組むYCKプロジェクトや、理数科における課題研究などの実践によって、この力を身に付けられるようにしています。また、現在進められている「大学入試改革」では、国公立大学においても、この「主体性を持って、多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価する『総合型選抜(旧AO入試)』や『学校推薦型選抜(旧推薦入試)』の定員が増加しています。いよいよ吉高生の力が発揮される時なのです。
令和元年度に、各教室の黒板がホワイトボードに代わり、プロジェクターや無線LAN、実物投影機などが整備され、令和2年度には、生徒全員にタブレットが配備されました。令和3年度は、教職員が研修・研究を重ねながら、授業のICT化を推し進め、授業改善に取り組みました。
さらに、各教室にはエアコンも設置されており、夏も涼しい環境の中で生徒達は学習に取り組む環境が既に整っています。
今後とも教職員一丸となって、学校改革・改善に取り組み、生徒が将来地域はもとより世界で活躍する人材となれるよう支援してまいりますので、本校の教育活動に対し、多くの方々の御理解と御支援をお願い申し上げます。

吉城高等学校 校長 野々山 伸一