吉城高等学校の現在

入学式の翌日4月9日朝、生徒を出迎えるために昇降口に立ちました。この日は4月というのに雨風がひどく強い日でした。傘も役に立たないような状況でびしょ濡れになりながらの登校でしたが、彼らは私の姿を見るなり、「おはようございます。」と挨拶をしてくれ、逆に、私が挨拶をすれば元気よく挨拶を返してくれました。天候は最悪でしたが、こんな清々しい気持ちになれたのは久しぶりで幸せでした。挨拶なんて当たり前のことですが、校長として本校の生徒たちを誇りに感じました。この気持ちを他の人たちにも共有したいと感じ、またこんな気持ちの良い生徒たちに朝から関わらないのはもったいないと思いました。

実は、前日の8日には、始業式のあと放課後の時間に生徒会長と副会長が校長室に挨拶に来てくれました。生徒会長は今年度入学生の数が大きく定員割れをしているのを懸念し、来年度新入生が入学定員を満たすようにと、最近の入学生の出身中学校別の人数を調べ上げ、課題は“高山市からの入学生をいかに増やすかである”と考えていることを話してくれました。高山市の中学生に本校を知ってもらえるようにと、一般公開している本校の文化祭に、高山市の中学生にいかに来てもらえるようにするか手立てを考えていると話してくれました。私をはじめとする教職員が、考えるべき課題に取り組もうとしている生徒会長を頼もしく思いました。吉城高校の課題を自分事として捉え、課題解決を図るための試みを提案してくれました。まさに本校の探究学習(YCKプロジェクト)の取り組みが生徒たちに根付き始めて、その成果が表れてきたのではないかと感じています。

まだ着任して10日に満たないですが、素晴らしい生徒たちと、信頼できる教職員、そして本校を外から支えてくださっている地域の方々と共に、生徒たちが“真剣に学び”、“楽しめる”、そして“自慢できる吉城高校”を継続しさらに進化させていきたいと思っています。

吉城高等学校 校長 野中賀雄