株式会社LIXIL の研究員で名古屋工業大学客員教授も務められる井須紀文先生をお招きして、トイレの防汚・抗菌技術について講義をいただきました。講義では、日本のトイレの変化と生活様式の変化の関連について話され、生活用水の使用量の推移を示しながら、上昇から減少に転じている点を指摘されました。水洗トイレは多量の水を利用しますが、便鉢の形状などの工夫により水の使用量を4分の1まで減らしてきました。衛生陶器のような住宅設備は交換サイクルの長さから、少しの改良でも水の使用量削減に大きな影響を与えます。また、表面の加工技術の進歩により、汚れがつきにくくなれば、掃除に伴う水の使用量を減らせ、これら全ては汚染された水の大幅な削減に繋がり、水の浄化に使うエネルギーの削減にも大きく貢献すると話されました。
後半の実習では、衛生陶器の製造過程の動画と、表面加工により汚れのつきやすさに差がでる実験を観察しました。また、外壁用のタイルの実物と、製品と同じ工程で作られた便器のミニチュアをさわり、普段意識して触ることのない製品をじっくり観察しました。