名古屋大学大学院工学研究科応用物理学専攻助教の千見寺浄慈先生をお招きして、2024年のノーベル化学賞の内容について講義をいただきました。千見寺先生はタンパク質の立体構造を予測することを専門としており、世界中の研究者が参加するタンパク質の構造予測の正確さを競う大会で、上位になった事もある実力者です。講義では、タンパク質の基礎から丁寧に解説され、タンパク質の構造を決めることが、インフルエンザの特効薬であるリレンザなどの医薬品の開発に繋がったことを紹介されました。一方で、構造決定はとても難しく、ある1種のタンパク質の構造を解明しただけでもノーベル賞の受賞に繋がるなど、大変に難しいことでもあると説明されました。この難題が、人工知能を活用したプログラムの登場により、ごく短時間で構造を正確に予測できるようになり、このことがノーベル賞の受賞に繋がりました。
講義の後半では、Alpha Foldの機械学習の方法を説明して頂きました。人工知能の活用について身近に感じることは少ないですが、講義を聴いて関心を深めることができました。