文部科学省指定 スーパーサイエンスハイスクール

岐阜県立恵那高等学校

学 校 長 挨 拶

岐阜県立恵那高等学校長 森 岡 孝 文

 

知的なときめきから世界を変える!

-今こそ「探究・恵那」の本領が試されている-

 

 

恵那高等学校のホームページをご覧いただきありがとうございます。

 

本校は大正11年に開校され令和4年度に創立100周年を迎えた県下有数の伝統校です。校舎が建つ城ケ丘からは、島崎藤村の補訂による校歌の歌詞に「笠置の山の風うけて、花の木匂ふ城ケ丘」とあるように、笠置山の伸びやかな山容や遠く恵那山や木曾川に育まれた豊かな自然を一望することができます。

 

現在の社会は、情報化、国際化、少子高齢化が進み、社会の変化のスピードが増しています。特に生成AIをはじめとする技術革新の進展に伴う超スマート社会(Society5.0)の到来は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック後の社会構造や労働市場を根底から変えていくと言われています。

 

本校には普通科と理数科の2学科が設置され、普通科は平成8年度から現在の総合探究につながる探究学習を実施しており、理数科は平成16年から文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けて、「探究・恵那」として実績をあげてきました。特に理数科のSSHは、県下唯一の指定校として県内の科学技術人材育成の中核を担い、その成果を普通科はもとより他校へ普及する責を負っています。

 

本校の探究学習は、3年間継続した系統的なカリキュラムにより「自ら問いを見出していく」ことを徹底して実践していくことが特徴です。今年、SSH指定の20年目を迎え、これまでの実績を踏まえて生徒が自ら主体的に探究活動を推進するために、教師が工夫してきたことや経験してきたことを改めて形にして再編しました。今後は、例えば次のような方法を工夫し、支援体制を再構築していきます。

 

  • メタ思考の醸成

1年次から探究で必要な論理的思考力、数理的視点、情報活用力、表現力など、自分自身の思考や学習プロセスを考え、管理する能力を養います。特に本校では三角ロジックなどの論理的思考を英語科教師がディベートなどで鍛えることが特徴です。

 

  • 探究デパートメントメソッド

生徒の探究活動と教師の支援をデパートメントストアに例えています。もちろん主役は生徒(顧客)

で、自らの学びたい興味や関心に基づいて主体的に各「専門店」を利用します。教師(店員)は各自専

門分野の支援スキルを磨きリクエストに応えます。

 

  • コラボレーションラボとピア評価

学年を超えて協働した探究学習を行うことで、多面的・多角的な気付きや説明・応答力を双方向的に

生み出す環境を築いています。また学習者相互のピア評価により、共感と協力関係を土台とした手法や

視点、工夫の共有を図っています。

 

  • 探究(課題研究)と授業の往還

本校の学びは、「問い」から始まり「問い」へ進展することを目指しています。問いは必然的に教科

横断的で学際的に広がる可能性を持っています。問いから探究を進めることで改めて学問系統=授業

への興味・関心が高まり、それが新たな問い(探究)へとつながることを期待しています。

 

  • 探究イノベーションハブの構築

県下唯一のSSH校として本校は、学校間はもちろん、大学、企業を探究イノベーションで結びつけ

るハブの役割を果たします。これにより地域の探究活動が推進され、新しいアイデアやプロジェクトを生み出す場が構築され、県下の理数教育の発展に寄与します。

 

これらはどれも、生徒が自ら主体的に探究活動を推進するため、本校がSSHに指定された20年の間に教師が工夫して来た経験から導き出された方法論です。

 

令和6年度からは、これまでの理数科のSSHを普通科も含めて全校的に実施することにしました。本校の普通科は理数科にも勝る探究学習の実績があり、文理を超えた「総合知」やSTEAM教育が求められる今こそ、その本領を発揮する環境が整ったと考えています。

 

全ての出発点は「知的なときめき」です。宇宙や社会を動かしている未知の仕組みを発見していく「ときめき」、仲間と協力して乗り越えていくときの「感動」を、生徒諸君が高校生活3年間で一度でも多く経験してくれることを願っています。今こそ恵那高生が、探究そのものを創造(イノベート)しながら自分の内面世界を奮い立たせ、世界に感動を与える、「探究イノベーター」に成長していくことを期待しています。