これまでも「商業教育とはどのようなものか」を中学生向けに作成したパンフレットなど、いくつか作成されてきたと思うが、商業科目、進路、部活動などの情報を限られた紙面の中に詰め込むことになり、文章中心の固い内容のものになってしまう傾向があるように感じている。 教科「商業」の魅力をシンプルに、誰にもわかりやすく伝えたい。また、将来の進路選択の良い判断材料にして欲しいという思いで取り組んだ。
中学生が教科「商業」についてどのようなイメージをもっているのか、私たちと中学生の間にどれほどのギャップがあるのか、現状の把握のためにアンケート調査を実施した。 アンケートの対象は、専門委員会に参加されている先生方の勤務校(11校)、商業科の1年生の生徒、1,552名とした。
1.はい | 708人 | 45.6% |
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2.いいえ | 844人 | 54.4% |
合計 | 1,552人 | 100.0% |
1.よくわからない | 197人 | 5.9% |
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2.難しそう | 773人 | 23.0% |
3.楽しそう | 104人 | 3.1% |
4.堅そう | 310人 | 9.2% |
5.資格がとれそう | 965人 | 28.7% |
6.進学に有利 | 178人 | 5.3% |
7.就職に有利 | 803人 | 23.9% |
8.その他 | 30人 | 0.9% |
延合計 | 3,360人 | 100.0% |
1.系列・コースに興味を持った | 336人 | 21.6% |
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2.部活 | 462人 | 29.7% |
3.進路を考えて | 631人 | 40.5% |
4.その他 | 128人 | 8.2% |
延合計 | 1,557人 | 100.0% |
1.はい | 630人 | 40.6% |
---|---|---|
2.いいえ | 922人 | 59.4% |
延合計 | 1,552人 | 100.0% |
1.よくわからない | 52人 | 4.0% |
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2.難しそう | 354人 | 27.3% |
3.楽しそう | 51人 | 3.9% |
4.堅そう | 87人 | 6.7% |
5.資格がとれそう | 376人 | 29.0% |
6.進学に有利 | 89人 | 6.9% |
7.就職に有利 | 285人 | 22.0% |
8.その他 | 4人 | 0.3% |
延合計 | 1,298人 | 100.0% |
生徒は教科「商業」に対するイメージが難しいものと感じており、商業科目の内容、進路状況についても理解が不十分なまま入学してきていることが読み取れる。
この現状を真摯に受け止め、なぜ教科「商業」は理解されていないのか。この点に焦点をあて、正しい情報を分かりやすく発信する方法を考えた。
教科「商業」について中学生に対してPRする際、視覚的なインパクトが弱くイメージ戦略に弱いことが考えられる。よって「難しい」「堅い」というイメージを取り除き、認知度を上げるための戦略を考えてみた。
実社会の中でのキャラクターの現状をみてみると、キャラクターが増え続けている時代背景の中で、キャラクター同士の差別化を行うためにも一つのコミュニケーション戦略として考えていくことが重要視されてきているようだ。企業のキャラクターをみてみると、従来から企業コミュニケーションの手段として盛んに行われてはきたようだが、個人の暗黙の状況下で使用されることが多く、組織として体系化がなされてこなかったという事実があるらしい。 では、実際にどのようにキャラクターの設定を考えていけばよいのか。以下の4点を挙げ、今後の課題としたい。
キャラクターの設定を考えたら、次はその効果的な利用方法について研究していく予定である。中学生向け教材の作成にあたり、キャラクターを利用することは、中学生、保護者および中学校の教員に、教科「商業」を理解させ、興味を持たせるために大変効果があるものだと信じている。引き続き研究と実践を重ねていきたい。