多治見工業高等学校 同窓会
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第2回 中須 光夫さん経歴


苦節25年の悲願!!
 
「ついに、念願の電験一種に合格した。万歳!万歳!万歳!」と心の中で叫んでいました。振り返ってみれば、昭和52年度に電験二種に合格して以来、およそ25年間受験し続けました。


我流の学習法
 
第一種では、参考書は非常に少ないので、不足している部分は自分で作成することにしました。昭和41年から平成14年までの筆記、口述、二次試験問題を、試験範囲の主な試験内容の項目別に整理し、大学時代に図書館で学習した雑誌の試験問題と解答・解説を参考にして、A4判の大学ノート18冊に手書きで問題はすべて写し、解答はできるだけ短く、しかもやさしく解くことを心がけました。

 過去37年間の問題を分析していると、問題の傾向が決して難問ばかりでないことに気が付きました。これが勝因になったと思います。やはり毎日少しずつでもやることが非常に大切です。私の経験からいくと、「内容をノートに要約して、できるだけ圧縮して整理する。そのプロセスで頭に入れていく。」ということです。具体的には、引っかかった問題を短く要約しておき、何ヶ月か経って、忘れそうになったらそこを見るようにすればよいのです。教科書ではどこに書いてあるか探すのが大変だと思います。
 問題は言葉を吟味して読まなくてはいけません。問題文や図に書いてある記号から等価回路の作成と問題文より公式となる文字式への等価変換だと思います。


工業高校の勉強でトレーニング
 
過去5回の二次試験で一番失敗したことは、問題の難易を見極められなかったことです。限られた時間で、見極められる眼力は至難の業です。1問を30分で解くためには、電卓の操作にもテクニックがいります。工高の計算技術検定の2級問題集によってトレーニングしました。計算は四則演算と複素数計算、二次方程式の根を求める計算などの基礎的な計算を確実にしかもスピーディーに行う必要があります。

 自己の採点の結果として、「電力・管理」は、問1、3、5、6を選択して、計算問題の問3は四端子定数をT形回路で行列を使って解く基本的な問題ですが、2回線という文字に注意を払い計算しました。説明問題として、問1の複合サイクル発電は、中部電力(株)の川越火力発電所の見学時のこととその資料を思い出して書きあげました。問5の中性点接地方式は、工高の電力技術の授業内容を参考とし、計算は等価回路を描いて計算しました。また、問6の地球環境保全の観点からの各種発電の特徴などは、工高の環境保全の授業内容を参考にして解答しました。それらの問題で正解し、その結果、120点満点で90点くらいは得点できました。

 「機械・制御」は問3、4を選択しました。計算問題として問4のフィードバック制御は基本的な問題でした。単位インパルス応答のラプラス変換で少し自信がなかった部分がありましたが、結果は8割程度の得点を獲得しました。説明問題として、問3のかご形誘導電動機の可変速駆動は、名古屋大学岩田研究室に内地留学した際、「マイコンによる誘導電動機の速度制御」をテーマにした研究をしていましたので、ほとんど満点でした。その結果、60点満点で50点くらいは得点できたと思います。


本当の力の実感
 
相撲で、横綱を倒してこそ、その力士の本当の力が分かるように、私は電験一種に合格して、その難しさ、深さを実感することができました。