電子機械工学科

学科の概要
工場での「ものづくり」では、自動生産設備が欠かせません。 人の手で作ることも大切ですが、自動的に機械が加工や製造する人にやさしい仕組みが多く取り入れられています。 電子機械科では、このような設備の仕組みを設計・製造・修理できる技術者を育てています。
学科の目標
工場などの生産設備で利用されているメカトロニクス技術者を育てることを目標としています。 動く機械のしくみ、状況を把握するための電子回路の知識、自動化するためのコンピュータの制御プログラムを学習し、システム全体を制御できる技術者の育成をめざしています。
学習科目
情報技術基礎
コンピュータの仕組みを理解し、制御に必要となる論理回路やプログラム作成方法を学びます。

機械工作
機械部品を作るための工具や加工方法を学ぶとともに、測定器具の取り扱いなどを学びます。

機械設計
機械部品やそれらを組み合わせた機構装置について、材料の強さや作用する力などを学びます。

電気基礎
直流回路や交流回路における電圧や電流の動きや、電気の各種作用・働きなどについて学びます。

電子機械
周囲の情報を入手する各種センサ、運動を発生する各種アクチュエータおよび、それらを判断し信号を出力する制御装置の基礎を学びます。

電子機械応用
工場で使用されているモータの制御方法や、圧縮空気の流れを変えて制御機構を動作させる方法などを学びます。

ロボット工学
ロボットとはどうあるべきかを学ぶとともに、多足歩行ロボットやラインをトレースするマイコンカーを設計・製作します。

主な実習
旋盤実習
金属材料を回転させ、そこに刃物を当てることで材料を削ります。必要な大きさの軸やねじを作り出せるようになります。

フライス盤実習
左右、前後に動かせる台に金属材料を固定し、刃物を回転させながら押し当てて、材料を削ります。表面が平な部品を作ったり、溝を入れたり穴あけを行う加工ができるようになります。

溶接実習
ガスバーナーによる火力、あるいは大電流による放電を利用し、鉄材を加熱し、切断や接合を行います。

マイコンボード制御実習
写真のようなLEDボードを1年生で製作し、2年生ではC言語を使った制御実習、3年生ではアセンブラ言語を用いたプログラムの制御実習を行います。

シーケンサ実習
技能検定で使用されているベルトコンベア搬送装置を産業用コントローラで自動制御する実習を行います。配線とプログラム作成を行い、目的の動作を実現します。

MPS制御実習
工場の自動生産を模した模擬機器(MPS)を使い、投入された材料の搬送、不良品の自動除去、良品の色別並び替えを行うプログラムを作成します。

CAD実習・CNC実習
コンピュータを使い図面データを入力する実習があります。入力後のデータを、コンピュータ制御で加工できる工作機械へ送ることで自動生産できるしくみなども学習します。

産業用ロボット実習
産業用のロボットを動作させるためのティーチングや動作を決定するプログラムを作成します。動作を与えるだけでなく、外部機器との接続方法なども学びます。

課題研究
3年生では課題研究があり、各班のテーマについての設計・製作作業を行います。各班の計画、取り組み内容完成状況などについて、プレゼンテーションを行います。

学科主任より

西濃地域は工場での生産高がとても多く、多くの工場があります。 それに伴い、工場で生産をしている産業用機械を設計・製造・保守を行う技術者も欠かすことのできない存在となっています。

電子機械科では機械工学・電子工学・情報工学の3つの分野を学ぶとともに、それらを融合した「電子機械」の仕組みなどを学習しています。 企業で求められている設備の設計やメンテナンス技術者を目指す、そんなスペシャリストになりたい方にとって、とてもお勧めの学科です。