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第65回全国盲学生短歌コンクール


 短歌コンクールは、昭和32年に岐阜盲学校高等部生徒会が「生徒会活動の閉塞感を打破する手ごたえのある活動はないか」と国語科教員に相談したことを契機に始まりました。(第60回記念誌)当初は、中部地区盲学校の生徒会に呼びかけ、次いで全国に対象を広げていきました。
 今年度も選者については、岐阜県歌人クラブ顧問並びに中部日本歌人会顧問の後藤左右吉先生に引き続きお願いしました。新型コロナウイルスの影響により、多くの学校行事等が中止となる中、温かい励ましのメッセージとともに、数多くのご応募をいただき、厚く感謝申し上げます。応募総数は415首、応募者は260人、学校数は28校でした。応募された中から特選1首、入選10首、佳作35首が選ばれました。各校に入選歌集を送付し、特選及び入選作者にはメダルと賞状を、さらに、特選作者には副賞として選者の後藤先生直筆の色紙も併せて送付いたしました。また、令和2年度よりペンネームでの応募を受け付けております。
 当コンクールの運営経費は、愛盲シールの売上金から助成していただいております。

【特選】1名


岐阜県立岐阜盲学校      中三  古田 桃香(ふるた ももか)
「じゃあまたね」追い越していく友の声夕日が優しく照らす自転車

【入選】10名


①北海道旭川盲学校   中二  黒木 杏音(くろき あんね)
雪の上歩くとキュキュと音が鳴るその感触に心が躍る

②筑波大学附属視覚特別支援学校  普一  横井 雫(よこい しずく) 
おやすみと夜空の星に手を伸ばすいっそこのまま溶けてしまいたい

③神奈川県立平塚盲学校  普二  西川 郁萌(にしかわ あやめ)
スーパーのフルーツ籠の周りには甘くさわやかピーチの香り

④新潟県立新潟盲学校  普二  佐藤 凛心(さとう りん)
夕暮れの川路を走る俺と影影と肩組み風切り進む

⑤愛知県立名古屋盲学校  中一  福岡 琉唯(ふくおか るい)
母親の作るからあげおいしいなサクッとしててジュワッとしてる

⑥奈良県立盲学校  中二  土田 陽菜(つちだ ひな)
送迎のドライバーさんありがとう話がはずむ楽しい車内

⑦神戸市立盲学校  普二  篠田 竜輝(しのだ りゅうき)
ゴール前捉えたはずのチャンスボール空を蹴る足反転する世界

⑧兵庫県立視覚特別支援学校  普三  高橋 日菜子(たかはし ひなこ)
鍵盤に冷えたペダルに少しだけ触れて今年も冬を感じる

⑨岡山県立岡山盲学校  普二   荒木 稜大(あらき りょうた)
真夜中に光るスマホに胸躍る待ちくたびれた君からライン

⑩広島県立広島中央特別支援学校  普一  金羽木 希(かねはぎ こころ)
学校の帰りに通る繁華街キャラメルコーンふんわり匂う

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