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令和元年度第2回学校評議員会


1 会議の構成

委員 池谷 尚剛 岐阜大学教育学部教授
小澤紀代美 ギャラリー小さい家代表(地域住民代表)
神 尚喜 視覚障害者生活情報センターぎふ職員
野村 宏一 のむらマッサージ店経営 H22年度卒業生
松尾 智弘 株式会社ウェルアーチ代表取締役
八木 敦子 PTA会長
学校側 林 亨 校長
奥富美保子 事務部長
山田 秀代 教頭
戸川奈保美 小学部主事
立川麻里子 中学部主事
福川 勝己 高等部主事
宮地 裕久 教務主任
(委員名は五十音順)

2 会議の目的

 学校運営等について、地域住民や視覚障がいに関係する機関等を代表する方々から広く意見を聞くことにより、地域社会からの支援と協力を得て、開かれた特色ある学校づくりを推進する。

3 会議の開催

 令和2年2月4日(火) 13:30~15:30  岐阜盲学校多目的室1
 評議員5名と保護者代表1名、職員7名が出席

4 会議の概要

校長挨拶
 第1回欠席の評議員の紹介
 学校評議員会は年2回実施し、1回目は9月、今回が2回目となる。今回は資料を中心に学校の取組を紹介した後、皆さまの意見をお聞きしたい。

(1) 今年度の取組について
 全国盲学校長会では、「打って出る盲学校」をスローガンとし、それを受けて当校でも5つの「かい(甲斐)」のある学校を目指している。
 視覚障がい教育の専門性の継承・発展として、特別支援学校免許状取得率100%の学校を目指しているが、現状では、80%である。盲・視覚障害領域の免許所持率は50%にとどまっている。
 保護者の協力と進路意識の向上のため、PTA行事参加率80%を目指している。保護者の参加率は高く、保護者同士が気楽に話せる雰囲気がある。
 待遇改善とやりがいのある職場づくりのため、教員の持ち時間数を来年度は25時間以下に抑えるようにと方針が出されたが、当校は、現状で25時間以下を実現できている。
 地域社会に開かれた学校という視点では、岐阜県唯一の視覚支援学校としての役割を果たすために積極的に学校開放を行っている。
 2019年度の実績を資料に載せた。学校としての役割を担い、外部団体との連携にも力を注いでいる。
 
(2) 今年度の各学部の取組について
 各学部主事、教務主任がスライドで説明

(3) 学校評価アンケートの結果と考察、対応策について
 アンケートについては学校内外のニーズに応えているかを客観視するために実施している。アンケート対象は中学部以上の生徒、保護者及び学校評議員で、保護者及び学校評議員対象のものは概ねよい評価となっている。

(生徒アンケート)
  • 個別の教育支援計画についての「現場実習やハローワークとの連携、医師や保健室との連携」の項目が「あてはまらない」や「わからない」の回答が多く、生徒にきちんと伝える必要がある。
    →関係機関と連携した支援については、生徒への丁寧な説明を担当分掌と担任が行う。
    →個別の教育支援計画については、理療科の生徒によく理解されていないことが評価を下げている一因ではないか。理療科だけでなく普通科の生徒にも作成の意図をきちんと説明し、記入内容を児童生徒自身が確認するようにしていきたい。

(保護者・評議員アンケート)
  • 「あてはまる」回答が80%以上であることから、家庭と学校の良好な関係が保たれていることが分かる。しかし、昨年度と比べて評価が低くなっている項目や、「わからない」と回答されている項目については真摯に受け止め、学部や分掌でもその対応策について話し合いを行う。

  • 「学校は、保護者に行事について分かりやすく伝えている」の項目の評価が低かったことについて。
    →舎生の学校での様子が保護者に伝わりにくいことや、配付物が保護者の手に渡っていないことが理由として考えられる。配付物を金曜日に配付するようにすることや、ホームページに学校行事の様子等をその都度掲載し、保護者に閲覧を促すなど工夫していきたい。
  • 「授業内容や進度は生徒に合っているか」の項目が昨年度より評価が下がった。
    →標準の授業進度が分からないため、我が子の進度がこれでよいか不安なのではないか。居住地校交流での授業参観や、懇談で年間指導計画を提示するなどして理解が得られるようにしたい。
  • 「いじめや差別についての対応」の項目に「わからない」という評価が多かった。
    →いじめ等の対応はあまり公にならないため、保護者に「厳しく対応している」と伝わりにくいのではないかと考えられる。個人懇談等で信頼関係を築き、いじめは許さないという姿勢を認識していただけるようにしたい。
 アンケートの結果を踏まえ、各学部や分掌で課題を出し、来年度に向けた取組や対策について検討していることをご理解いただきたい。

(4) ご意見・ご感想
意見1
 学校評議員として3年目になる。毎年、改善されていることは理解できる。学校長の「打って出る盲学校」についても、詳しく説明いただけた。先生方の連携や、業務がこんなにもあるということを初めて知った。積極的に取り組んでいることを周りにもっと知っていただけると、アンケートの「わからない」が減るのではないか。
 いじめについては、岐阜では注目されているところ。東京に出張に行っても「岐阜ではどうなっているのか」と聞かれる。教育委員会の指示で、各学校がきちんと取り組んでいると思うし、ホームページにも載ってはいるが、実態が外部からはわからない。方針としてはすごく正しいこと。だが、現場との温度差はどうなのか。現場の先生たちが実践しやすいものになっているのかと思う。岐阜盲学校については、先生たちの目が行き届いていると思う。そこをアピールできるとよい。

意見2
 評議員3年目になる。盲学校は、自分が生徒として在籍していた時にイメージしていたことよりもずっとすごいことを実践している。内に潜り込んでいる問題については、管理している者には分からないところもある。問題点を掘り出して取り組んでもらえたらよい。理療科は、自分自身でボーダーラインを作らなければならない。人に触れる仕事であり、自分に対する管理という意味である。特に大切なことは、患者さんには女性が多く、女性の体に触れること。一つ間違えば大変なことになる。人への接し方について神経質なまでに厳しさを教えてほしい。
 在籍中は、人から気を遣ってもらうことが当たり前で、気を遣ってもらうことに慣れている。仕事では、人にどれだけ気を遣えるかがサービスのボリュームになる。学校の授業の感覚と社会に出たときの感覚のギャップが大きい。そういうことを念頭において、セクハラやいじめなどについてもしっかり教えてほしい。

→校長
 知識・技術だけでなくモラルが大事であるということ。実際に社会に出て開業してみて実感として言えることである。汲み取って授業していきたい。

意見3
 去年の暮れごろから施術を生徒さんにやっていただいている。技術も良いと思うが、会話も楽しく気持ちよかった。野村さんの話を聞いて、身体を触る仕事ということで、開業されるということは大変なお仕事だと思う。
 いじめ防止対策委員会に出ているが、きめ細かな指導がされている。委員会に出ているからわかるが、保護者には伝わりにくいところもあると思う。盲学校ではいじめなどないだろうと保護者は思っているかもしれない。先生たちがとても気を配っているところがもっと伝わるとよい。

意見4
 きめ細かい授業など素晴らしい分、卒業してからが厳しいところもある。アソシアの利用者からも聞くことがある。実社会は大変である。
 読書バリアフリー法が整ったこともあり、点字版、拡大版、デイジー版などアソシアで作成しているので児童生徒にもっと利用してほしい。利用しやすい環境を考えていかなければとも思う。PRしていく必要も感じている。ICTサポート事業やサピエ図書館などの利用もしてほしい。ICTの活用などについて利用者にレクチャーしていきたい。

意見5
 岐阜盲学校がこの地に新校舎を建て、地域の方々にも受け入れられて定着してきた。地域ともアソシアともいい関係を築いている。連携しやすい立地条件を生かして今後も様々な取組を続けていってほしい。最初に学校長が話したように、盲学校は児童生徒数が少なくなり、子どもたちが学び合うということができにくくなっている。その部分をどうすればよいのか。居住地校交流や、校内の小中高等部のつながりなど、家族的なつながりをつくって集団で学び合う必要がある。
 理療という職業を先生方がしっかり理解していくことが盲学校としての機能を高めていくことにつながる。
 視覚障がい者の卒業後の居場所としてアンダンテがある。長良福祉会にアンダンテが入った関係で個人的にもつながらせてもらっているが、そのことも含め、今後も盲学校とつながっていきたい。
 県内で1校しかない盲学校だが、アンケートの結果をよい評価にどうつなげていくか、「学校でどのような授業をしているかわからない」という項目については、他の特別支援学校でも「わからない」の回答が多い。ホームページの活用は一つの方法、発信の仕方を考え努力していく必要がある。自分たちだけではカバーしきれない、常に声を聞きながらお互いに協力し合いながら、良い状態を創り出していきたい。

意見6
 他の学校の保護者と話す機会があるが、「PTA活動で何をしたらよいかわからない」ということを聞く。盲学校は児童生徒の人数が減っているが、保護者の行事への参加率は高く保護者同士で話す機会もある。他のお母さんたちと密に話せることは少人数の良さだと思う。今後もホームページなど活用して、盲学校の良いところをいろいろな人に知ってもらいたいと思う。気軽に相談できる学校であってほしいと願っている。

校長挨拶
 よい話を聞くことができた。県下に1校しかなく、こんなによい立地に建っている学校はない。恵まれた環境にある。盲学校で在籍児童生徒数40人は全国平均である。生徒数が少ないことはマイナス面ばかりでなく、強みになることも発信する必要がある。幅広い年齢層の方が通っているので学び合える場、人格形成ができる学校でありたい。ホームページの活用についても考えていきたい。
 将来ビジョンプロジェクトの一環として、校名変更を検討しているところである。視覚支援学校、視覚特別支援学校など全国的にも変更をした学校がある。当校が児童生徒、保護者、卒業生などを対象に実施したアンケートでは、3割が「そのままがよい」、7割は「変更してもよい」であった。「変更してもよい」のうちの7割くらいが「岐阜視覚支援学校」への変更を希望していた。校名変更にはメリットがないといけないと思う。視覚障がいへの理解があまりない人には、盲学校という校名から全盲の方が多いことを想像するのではないかと思われるので、「視覚」にした方が一般の方に受け入れられるのではないかと考える。校名変更の実現は、早くても130周年の頃になると思われる。
 3名の方が3年の任期を終えられるので、現在、後任の候補が挙がってきている。評議員の委嘱期間は5月1日からなので、それまでは卒業式や入学式等の行事の案内をさせていただく。

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