平成30年度第1回学校評議員会
期日
平成30年10月1日(月)13:30~15:30
会議の概要
(1) 校長挨拶(13:30~)
学校評議員会は、前期の締めと年度末に年2回実施する。第1回では、授業参観及び学校教育経営、今年度上半期の全体・各部の取組の説明をさせていただく。いろいろご指摘をいただけるとありがたい。
(2)授業参観(13:40~)
(3)学校教育経営について[校長](14:30~)
(4)今年度の各学部の取組について[各部主事・教務主任](14:45~)
(5)学校評議員・PTA会長より感想・意見(15:10~)
[意見 1]
- コアティーチャーの養成をしているようだが、指導法等について資料として蓄積するとよい。
- 重複障がいの子が多いことに驚いた。それぞれ個々の育ちなどについて小学部から中学部への引継ぎは難しくないのか。個に応じた指導は、個の育ちを伝えていけるカルテの様なものを形として残して申し送る方がよいのではないか。先生方の能力、キャリアなども個人差があり、いつでもベテランの先生が受け持つとは限らない。誰が受け持っても指導できるように文章化された基準がないと伝えていくことが難しいと思う。
- →(学校)個別の指導計画や個別の教育支援計画について説明
[意見 2]
- 先日、知り合いの韓国人のご子息が来日し、私の会社を訪問してくれた。彼は、日本が初めてで、片言の英語は話せるものの日本語は全く話せない。そんな彼が、滞在先の東京から交通機関を乗り継ぎ、西岐阜駅で下車して、歩いて会社まで来てくれた。日本ではコミュニケーションが取れないのではないかと心配したが、携帯の通訳アプリを使ってコミュニケーションを取り、会話に困ることは無かった。この先、もっと進化して、話した言葉が即時に翻訳されるようになるのではないか。これからの子は、そういうものをもっと上手に使いこなせるようになると思う。小学部から普通科ぐらいまでの若い子たちは、そういう能力を高めていくことが大切である。自分たちの世代は抵抗があるが、学校では、デジタルネイチャー世代の目線での指導ができるとよいと思う。
[意見 3]
- UDブラウザは、とても便利で感心した。この先、画面に点字が表示されるようなものができるかもしれない。私自身、最近携帯電話を変えて、言葉で話しかければ答えてくれる機能に驚いている。
- 私の所属しているNPOのアートイベントでは、盲学校の児童生徒の作品をお借りして楽しませていただいている。作品をお借りするだけでなく、直接仕事につながるようなことがないかと考えている。
- 大量につくることができないとのことなので難しいかもしれないが、ギャラリーでは紙製品のショップもあるので、生活介護事業所アンダンテにも紙製品出品について声をかけてみたい。
[意見 4]
- 前期の取組について大変よく分かった。それぞれの発達段階ごとに社会とつながった教育がされている。いずれ自立して社会生活を送ることになるが、このように学校で培われていくのだとわかった。卒業生とのつながりも大切にしておられるが、今後生きていく中で相談できること等は、大事なつながりだと思う。
- デジタル教科書については、自分は「紙でないと」と思う世代だが、大学の学生の中には、デジタルデータをうまく活用している者もいる。障がいの状況に合わせたツールを選んで活用できればよいと思う。
- 学校経営については、盲学校の強みと課題が明確になっている。
- 授業の参観をさせていただいて、先生方が児童生徒に対して丁寧な言葉遣いで接しておられた。自分自身もそのような点を学んでいきたい。
[意見 5]
- アンダンテが開所したが、視覚障がい関係の施設は少ない。各施設が独自で動いていくのではなく、協力し合って一枚岩でやっていけるとよい。
- 重複障がいの子が増えてきているようだが、その子たちの将来から逆算して考えていかないと将来の居場所がつくれない。
- 企業には、視覚障がいのある子がどう働くことができるか、また支援のあり方について伝えていかなければならない。また、会社まで一人で通勤できる子を育てていくことも大事である。
- 最近担当しているケースで、盲聾の方で大手の銀行に勤務している方が見えにくくなってきて端末の画面も見えなくなってきた方がいる。PCの入力では両手を使うためルーペを使いながらの仕事は難しく困っている。このケースから、学校で使用している補助具が社会に出た後、どれくらい活用できるかを考えなければならないと思った。補助具を使わせてもらえない環境の会社も多い。見るための補助具を段階を追って変えていくことも必要である。どのように変えていくかのアイデアを先生方が考えていってほしい。ルーペや単眼鏡も使える環境であるとは限らない。今後、見ることの困難さのために仕事で挫折することもあるのではないかと危惧する。
[意見 6]
- 中3から息子が転入し、「開かれた学校」ということは、盲学校の中に入ってみてわかった。外にいるときはわからなかった。息子も私も、見えなくなっても中学校に居続けたかったので、どうやったら居続けられるかという考えしかなかった。岐阜アソシアで、盲学校のことを教えてもらったが、盲学校の敷居は高かった。結果としては、息子も盲学校に転校したことを後悔しておらず、よかったと思っている。今、同じように悩んでいる人達が盲学校の門を気軽にたたけるとよいと思う。
- 盲学校では、夏休み中の7月と8月に補習週間がある。補習が一日1時間しか入っておらず、片道1時間半、往復3時間かけて1時間の補習であった。一日の時間数をもっと増やして効率よくしていただけるとありがたい。また、寄宿舎に入っているが、補習期間中は舎食がないので、三食すべてコンビニ弁当などで対応することになる。買い物に出られる時間も制限があって、何食分もまとめて購入するようなこともあったらしい。暑い時でもあったので心配だった。宅配弁当などでの対応をしていただければありがたい。できる範囲でお願いしたい。
会議のまとめ
今回は、授業参観、学校教育経営方針の説明、スライドを見ながら今年度前期の学校全体や各学部の取組の説明を行い、学校評議員、PTA会長の方に当校の教育活動について理解を深めていただいた。
感想・意見交換では、コアティーチャー事業の還元、児童生徒への指導・支援の引継ぎ、重複障がいの生徒の卒業後を見据えた進路指導・支援の充実と職場開拓、将来の社会を見据え、デジタルネイチャー世代等に対応した指導・支援の在り方等、学校評議員の方から、多岐に渡って貴重なご意見・ご感想をいただいた。また、保護者の立場から「開かれた学校」のあり方や補習週間の対応等貴重なご指摘をいただいた。今後、学校としての対応を十分に検討し、学校運営に活かしていきたい。
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