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     平成25年度
     
2年生 原木栽培の椎茸菌打ち実習(総合実習)
2月21 日(金) 
 森林科学科では椎茸を栽培していますが、栽培の主流になっている「おが屑」や「ふすま」といった粉末を瓶詰めして栽培する「菌床栽培」ではなく、ナラの木の幹に椎茸菌を植えて栽培する「原木栽培」を行っています。より自然に近い栽培方法と言えます。
 今回使用した椎茸の菌は「118菌」という名前です。お米で言うと「コシヒカリ・アキタコマチ・・・」のように、椎茸にも品種があります。この118菌は12月ごろの低温期に椎茸が出てくる冬菌なのですが、これまでの冬菌は、菌を植えてから1年9ヶ月後でないと椎茸が出来なかったのですが、品種改良の結果、「118菌」は、菌を植えた8ヶ月後に椎茸が出来るようになったものです。これにより、椎茸の生産効率も上がるため、椎茸農家にとっては大変助かるのです。品種改良の技術って凄いですね。上の写真の中央が、その菌です。白い部分は発泡スチロールで、茶色い部分には、おが屑に椎茸菌が付着したものが付けてあります。このようなものを形成菌と呼んでいます。
 右上写真のドリルで木の幹に穴を開け、形成菌を穴にはめ込んでいきます。発泡スチロールは、穴のフタになり雑菌が侵入するのを防ぎます。
 アルコールで手を良く消毒してから、椎茸の菌を穴にはめ込みます。
 ところで、タイトルは「菌打ち」と書きましたが、発泡スチロールとおが屑の形成菌のほかにも、小さな丸い棒に椎茸菌を付けたものもあります。このタイプの菌は、ドリルで空けた穴に、菌の付いた小さな丸い棒(駒菌と呼んでいます)を、木槌で打ち込むので、その様子を「菌打ち」と呼んでいます。
 菌打ちを終えた原木は、原木に菌がまん延するまでハウスの中で管理します。
2年生 明宝保育園の砂場看板納品(課題研究NC専攻生)
2月21 日(金) 
 昨年12月から取り組んできた、明宝保育園の看板がついに完成しました。
 郡上高校のレーザー加工機を使用して試行錯誤を繰り返してきた結果、納得の製品を完成させることができました。この日の午後に、明宝保育園を訪れて、製品を納品したのですが、せっかくなので園児達にも紹介することになりました・・・ところが、これが結構大変でした。日頃は高校生や先生方と会話するものの、園児たちと接する機会が無くて、どんな風に話したら良いのかが全く分かりません。この納品する前に、説明の練習をしたものの、やはり緊張して上手く話せませんでした。園長の小酒井先生がフォローして頂けたので、なんとか無事に納品の説明会を終えることができました。つくづく、コミュニケーションというのは難しいと実感します。
 納品の説明会を終え、「すなばのお家」の前で園児達と記念写真を撮りました。この子達が将来、森林科学科に入学してくれると嬉しいですね。
郡上高校学習成果発表会 in 郡上市総合文化センター
2月14 日(金) 
 郡上高校の授業「課題研究」で取り組んでいる内容を発表する、学習成果発表会を行いました。
今年度は、森林科学科と食品流通科に加えて総合学科からも代表者が発表しました。発表会場となった郡上市総合文化センターでは、1階に展示コーナーを設けて、今回、ステージ発表が行えなかった専攻の内容についても紹介をしました。また、今年度は総合学科の生徒が発表に加わり、その聴衆も総合学科と森林科学科、食品流通科の1・2年生全員が参加しました。
 発表会終了後に、聞いていた生徒全員にアンケート答えてもらったところ「私も、こんな研究がしたい」や「違う学科の発表を聞くと新鮮で良い」などの感想がありました。
 森林科学科からは、建築模型を製作した専攻班と、演習林での森林管理を行ってきた専攻班が代表として発表しました。
 どの発表もレベルが高く、一度の発表だけで内容を理解することは、なかなか難しいことですが、それでも、どの発表についても来賓の方より高い評価を頂くことができました。 
 また、この日のために多くの来賓の方や保護者の方に来て頂けました。私たちはこうして、地域の方に胸を張って発表できるように努力を続けたいと考えております。ご参集頂いた皆様、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
2年生 岐阜県域農林業教育システム研究発表交流会 in 岐阜大学
1月25 日(土)
 新規のイベント「岐阜県域農林業教育システム研究発表交流会」が岐阜大学で行われました。3年生は、学年末考査2週間前という時期なので、3年生の研究成果を2年生が引き継ぎ、左上の4名が発表を行いました。
 ポスター1枚を説明するのに与えられた時間は約3分。いわゆるポスターセッションです。大学の先生や園芸アカデミーや森林文化アカデミー、県内の農業高校の先生の生徒や学生の前で発表するのです。発表後は、それぞれの専門的立場から、研究についての鋭い質問を受けて、それに対応します。
 郡上高校の生徒は、発表原稿を片手に発表を行いましたが、他校の生徒は、どこも発表内容を暗記しており、力の差を見せつけられましたが、それでも、郡上高校の生徒も懸命に説明しながら頑張っていました。この経験をもとに、来年度は、ますますよい発表ができるように練習を重ねたいと感じました。
3学年 森林科学科プロジェクト発表会(課題研究・総合実習)
1月20 日(月)
 2年生から3年生にかけて2年間、研究したいテーマを設定して活動をするプロジェクト学習。森林科学科生徒の学習成果を発表する「プロジェクト発表会」が開催されました。今年の研究グループは全部で8グループ。授業は、2時限目から5時限目の4時限分の時間を使って成果を発表しました。おおよそ1年半の研究成果を10分少々で発表しなければなりません。中央写真のように、プレゼンテーションを駆使して、1年生や2年生にわかりやすく研究内容と成果を発表します。
 このプレゼンテーション能力は、コミュニケーションスキルの一つとして社会に求められている力です。こういった機会に真剣に取り組むことで、各自の力がグッとつきます。また、研究内容を知らない人に伝えるというのは大変なこと。こういった機会で、コミュニケーション能力が鍛えられるのです。詳しい研究成果や学習内容については、森林科学科の「特色」のページに掲載したので、ぜひご覧ください。
2年生 明宝保育園の砂場看板設置打合せ(課題研究NC専攻生)
12月13 日(金) 〜 1月17日(金)
 森林科学科2年生も、9月から専攻活動を開始しています。
 明宝保育園では、園庭にある砂場に、こんな立派な屋根が着いています。この屋根、保育園の園児の保護者が雄志で造られたと言うことで驚かされました。下の写真の小酒井園長先生からその制作者に敬意を表するため記念看板を設けたいのだけど・・・と依頼を受け、NC専攻生の学習の機会として引き受けることにしました。
 これまで、2度の打合せとサンプルの提示などで、保育園を訪れ、デザインの案や大きさなどが決まってきました。さて、どんな製品が完成するのか楽しみです。  
3年生 自然薯の試食(グリーンライフ)
12月12日(木)
 1本2,000円もするような自然薯を惜しげも無くすり鉢で「とろろ」にし、それだけでも美味しいのに、森林科学科のお気に入りは、焼き海苔で自然薯のとろろをはさみ油で揚げる・・・磯辺揚げが大好評です。昔は、とろろそばやとろろご飯なども食べたことがありますが、この調理方法は鉄板メニューとなりました。この写真で、おいしさがお届けできず残念なのですが、この調理方法はスーパーで売られるナガイモでもできます。ナガイモは水分が多いので、油で揚げると、中身が飛び跳ねたり、弾けたりします。すり下ろした長いものとろろを、金属性のボールなどに入れて冷蔵庫に保管し、少し水分を飛ばすと上手に調理ができます。ぜひお試しください。また、これを食べたい中学3年生、ぜひ森林科学科にいらっしゃい!
1年生 照葉樹林植生調査実習 in 金華山(森林科学・総合実習)
12月10 日(火) ・ 11日(水)
 いわゆる「金華山実習」と私たちは呼んでいます。郡上の森林の大部分は、秋になると紅葉し落葉します。こうした森林を落葉樹林と呼びます。
 私たちが金華山まで、わざわざ足を伸ばすのは、この金華山は年中、葉を落とさない常緑樹を中心にした森林が見られます。この常緑樹というのは、ツバキの葉のように表面のテカテカ(クチクラ層)が、太陽の光を浴びてキラキラと輝く様から「照葉樹林」と呼ばれます。岐阜県は、南と北でこの両方が見られる、植生豊かな地域なのです。さて、この金華山、金の華と書きますが、花ではなくて、中央の写真の樹木「ツブラジイ」という木が、その山の殆どを占めています。このツブラジイの5月に咲く花で、山の一面が金色に見えるため金華山と呼ばれているようです。
 このツブラジイのツブラは、円らな瞳・・・の「円ら」で、ドングリが黒く小さな丸い実です。普通、ドングリはアクが強く食べると渋かったり苦かったりするのですが、このツブラジイの実は、そのまま食べられるという面白い木です。毎年、地面のドングリを拾って皮を剥いて、中身をかじってみるのですが、今年はどうやら不作年。残念ながら、殆ど拾うことができませんでした。
 私(筆者)がお気に入りなのが、右写真のシダ。どれか?と思われるのも無理ありません。地面から生える緑色の葉っぱのようなものは、幹や枝が無く、分類はシダ類。なんとも奇妙な植物です。なぜ、こんな進化を遂げたのか不可解です。
 ともあれ、郡上では見られない森林に触れて、植生の多様性を実感する実習でした。
実習生産物販売会in郡上高校体育館(年に1度の即売会)
12月7 日(土)
 今年度も、郡上高校の農場で生産される実習製品の即売会「実習生産物販売会」を開催しました。
 今年度で5年目。売上も、これまでは右肩上がりで増加傾向です。グラフ左の林産は、おもに椎茸。干し椎茸と生椎茸が主力商品です。つぎに、作物は、主力商品が自然薯です。中央の写真のように開始後30分で売り切れる人気商品です。その他、左写真のダイコンも販売しました。最後に、木工製品は、当初は住宅の玄関に飾る表札が主力でしたが、昨年から、丸太ベンチが販売され、今年度はNC作品の新商品、下の右側写真にある「子ども用椅子」が登場し、完売。売上が上がりました。
 また、たくさんの方に来校して頂けるので、3年生の建築専攻の生徒が、1年間かけて製作してきた建築模型を披露、また、野生動物専攻は、郡上高校付近で確認してきた野生動物の記録を紹介するとともに、専攻活動の中で拾ったシカの角を加工してストラップを作成。来場者の中から抽選で配布をしました。この販売会を通じて、私たちは購入者の忌憚の無いご意見に耳を傾けることで、明日の技術向上につなげたいと考えております。販売会に来ていただいたみなさん、ありがとうございました。来たくても来られなかったみなさん、ぜひ、来年度の起こしをお待ちしております。
1年生 先進林業地見学会 in 中津川市(岐阜県農林高校生林業就業促進事業)
12月3 日(火)
 1年生が、中津川市加子母にある「(株)中島工務店」を見学しました。
 この見学場所全てを、左上写真のオレンジ色ヘルメットを被っておられる中島紀干(のりお)社長さんが説明されました。
 ここ、中津川市加子母は島崎藤村の名著「夜明け前」で舞台になった長野県南木曽町と中津川市の県境付近にある徳川幕府直轄の森林がある地域です。この地域に育成するヒノキ・サワラ・アスナロ・ネズコ・コウヤマキの五種は幕府を支える木材として指定し、「木曽の五木」と語り継がれ、幕末は「木一本、首一本」と言われ、その木を勝手に伐ると、打ち首になりました。そうして、ここの地域のヒノキなどは細かく管理され、良い木が残っています。
 現在は、日本三大美林「木曽ヒノキ」ブランドとして知られています。そんな、木曽ヒノキの和風住宅を手がける、岐阜県の大手企業が(株)中島工務店なのです。この会社では、この地域の山林を多く所有し、切り出される木材で住宅を販売する、林業の六次産業会社です。山林を守り、地域の企業と労働者を支える中島工務店。先進的なこの会社を見学させていただき、中島社長さんの地域に対する林業への愛と情熱を感じました。
3年生 伐木等業務安全衛生特別教育講習(郡上市林業人材育成事業)
11月30 日(土) 〜 12月1日(日)
 昨日に続き、3年生の4名と森林科学科の教職員4名の合計8名が、チェンソーの安全教育特別講習を受けました。
 その内容は、チェンソーを取り扱う安全について初日の7時間、講習を受講します。翌日、チェンソーの操作方法と手入れの仕方、ソーチェーンの目立てなど技術的な講習を6時間受講します。この講習によって「胸高直径が70cm未満の立木の伐木と、胸高直径20cm未満の掛かり木処理」についての業務に携わることが出来るようになりました。2年生が金曜日に受講した「刈り払い」の講習から、土日の「伐木等」の安全教育講習の中でいちばん印象に残ったことは、自分が怪我をしない、周囲の人に怪我をさせないために、作業者は細心の注意を払う必要があり、その責任が重い・・・ということでした。  
2年生 刈り払い機安全衛生教育講習(郡上市林業人材育成事業)
11月29 日(金)
  郡上市は、その面積の9割が森林ですが、その管理者は減少し高齢化しているのが現状です。そこで、郡上市は「林業人材育成」という事業を始め、郡上市の林業従事者の育成を目指します。その一環として、郡上高校の森林科学科で関連の資格取得費が助成対象になりました。今年度は、この「刈り払い機」について、2年生全員が安全衛生教育講習を受講しました。午前中は、安全についての講習を受け。午後は刈り払い機の取り扱い方を学んだ後、最後に刈り払い操作について実習を行いました。この講習によって、2年生全員が、将来、業務によって刈り払い機を使用する場合の安全教育を修了している者として見なされます。
3年生 自然薯の収穫(グリーンライフ)
11月28日(木)
 自然薯の収穫時期を迎えました。
 今年度も、おくみの自然薯組合の組合長、田村さんに、収穫の方法を説明して頂いたり、今年度の自然薯の出来を確認して頂きました。
 田村さんより「昨年度に続き、今年度も生育良好」とお話しいただけて、3年生の自然薯栽培を担当してきた生徒も、ようやく、肩の荷が下ろせます。しかし、この自然薯は収穫時に折れやすいので、収穫には細心の注意が必要です。
 郡上高校では、1つの畝に自然薯の苗を2列定植する「2条植え」を行ってきました。昨年度の栽培研究の末、1条植えでも2条植えでも生育差は無いという結果から、単位面積あたりの収量がある2条植えの面積を拡大してきました。
 今年度も、1条植えと2条植えに大きな差が無く、来年度も2条植えで実施しても良さそうです。
おくみの自然薯組合長の田村さんも、この結果には感心されていたようで、とくに、施肥が上手に行われていることが、収穫量につながっているのでは無いかと話されました。
 収穫した自然薯は、1年生が収穫したダイコンと共に12月に行われる実習生産物販売会にて販売いたします。ぜひ、ご来店下さい。
  
1年生 ダイコン収穫と食味試験(農業と環境)
11月19日(火)
 11月13日に収穫しきれなかったダイコンを、この日にもう一度収穫しました。また、この日は、収穫したダイコンを実際に食べてみて、その味を確かめるという実習も行いました。今年は、天候に恵まれたのか収穫量がとても多く、収穫の時間が足りないという誤算が起こり、その出荷先にも困ったのですが、和良町の道の駅「珍千露」に、その多くを出荷しました。また、自分で栽培したダイコンのうち1本は自宅に持ち帰り試食して頂いたのですが、1年生の保護者のみなさん、お味はいかがでしたでしょうか。このダイコンは、12月に行われる実習生産物販売会でも販売されますので。ぜひ、お買い上げ下さい。
 3年生NC専攻生 郡上市役所課名看板納品(課題研究)
11月18日(月)
 今年度のNC専攻生徒は、学校のNC(数値制御工作機)装置を使って、地域貢献となる作品を製作したいという活動を展開してきました。
 昨年の春に、郡上市役所の本庁舎に、来聴されるお客さんが、どこに何課があるのかが分かりにくく、看板を作って欲しいという依頼を受けました。
 郡上市役所の財務課の担当者と何度も製品の打合せを重ね、写真のような製品を無事納品できました。左上の写真は市役所の本庁舎大会議室で、副市長さんに手渡しているところです。
 製作したものについての詳細は、下の新聞記事と感謝状の画像をクリックすると、拡大ウインドウが表示されますのでご覧ください。
 また、 この活動について、郡上市長さんから感謝状を頂きました。これまでの研究成果が、こうして認めてもらえることは、これまでの苦労が報われるようで嬉しいです。
 私たちの学習を支えて頂いている皆様のために、これからも地域のために頑張りたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
 
1・2学年 卒業生と語る会(森林科学科編)
11月15日(金)
  1年生と2年生の森林科学科在校生のために、森林科学科の卒業生の中で、進学者の中から、信州大学と東海職業能力開発大学校、就職者の中から専門学校に進学後トヨタ自動車(株)、日本郵便(株)、(株)カヤバから講師を招き、それぞれの立場で在校生へのメッセージを語って頂きました。左と中央の写真は、会議室にて生徒全員で卒業生の話を聞きました。その後、右写真のように、先輩がそれぞれ部屋に分かれて分科会。全体会では聞けなかった話を聞きました。進路を決めるというのは人生を決める大切なことなのに、なかなか決められないのが実情。校した機会を重ねながら、進路決定の一助になればと考えています。
3年生 間伐(伐木)実習(演習林実習)
11月14日(木) ・ 11月18日(月)
 3年生が、10月10日と17日に実施した「間伐のための生育調査」の調査地において、伐り倒すと判断した樹木を伐倒する実習を行いました。
 切り倒すためには、細い樹木は手のこで切断しますが、大きなものはチェーンソーを使用して切り倒します。切り倒す・・・といっても、写真のとおり人工林が管理されていなかった場合、混み合って生えているため、切り倒したい木が周囲の木に引っ掛かって倒れません。これを「掛かり木」と言っいますが、引っ掛かったままで放置すると、後にこの場を通る人の頭上に倒れる可能性もあるため、とても危険です。ですから、右写真のように、ロープで引っ張ったり、様々な方法によって、しっかりと伐り倒します。
 チェンソーを使うときの服装は、安全パンツ(オレンジと紺のパンツ)と制震手袋、ゴーグルです。足下に、邪魔なものがないか、退避路は確保できているか・・・など確認し、チェンソーでの作業にかかります。左写真は受口と言って、切り倒す側に切り口を開けておきます。中央の写真は、追口といって、切り倒す方向の反対側から木材を切断します。この2つの切り口を完全に重ね合わせず、少し切れていない部分を残しておき、最後に右写真のように「くさび」を使って倒します。丸い樹木を正確に切り倒したい方向に倒すことは難しく、訓練が必要なのです。
1年生 ダイコン収穫(農業と環境)
11月13日(水)  
 昨日の生育調査で収穫するのに適した状態であることが分かったので、早速収穫することになりました。農業の最大のイベント、収穫。春から手塩にかけて育ててきたものが、無事、立派なダイコンとして収穫できると自然に興奮してしまいます。収穫したダイコンの葉も、取れたてを醤油とごま油で炒めて、この日の弁当のおかずの一品として食べました。この生徒達が、将来「ダイコンの葉を捨てるのはもったいない!」という大人になると嬉しいのですが・・・。とにかく、生育障害や獣害に遭わず収穫を迎えることができました。
1年生 ダイコンの生育調査〜ス入り?(農業と環境)
11月12日(火)
 ダイコンが大きくなってきました。心配なのは「ス入り」です。ダイコンの生理障害のひとつでダイコンの中身が空洞になってしまうものです。原因は、種まきの時期が影響すると言われますが、その原因はよく分かっていません。品種によって、ス入りしやすいものと、そうでないものがあるようです。この日の生育調査では、そろそろ収穫してもよい時期であることが分かりました。ところで、みなさんはダイコンの葉を捨てますか?このダイコン葉は、野沢菜のような食感でとても美味しく頂けます。せっかくなので、生のまま試食してみました。
  2年生 トータルステーションの使い方(測量)
11月1日(金)
 2年生の授業「測量」では、トータルステーションを使用した測量実習があります。右写真が、そのトータルステーションです。
この機械、水平角と鉛直角のそれぞれの角度について、720分の1度まで観測できる精密機械。分度器の1度を720分割できる能力を持っているわけです。この機械は、日本の測量基準でいう3級のもの。1級や2級になると、もっと高精度が要求されます。測量の角度や距離は、内蔵されているコンピュータが計測し、画面に表示するので、測量機器と言うよりは小さなコンピュータを使っているような気分です。この日の実習では、現場に出る前に、その操作方法を学びました。
中学生 郡上高校1日体験入学(森林科学科編)
10月25日(金)
 郡上市内の中学校を中心に、郡上高校に興味がある中学3年生が郡上高校に集まりました。
 写真の左は、パソコン室で行うCADの体験授業の様子。パソコン上に表示される図面を操作しながらCADの使い方を学びます。
 中央の写真は測量。右側のオレンジ色の三脚に載っているのがトータルステーションという測量機器。この機械で、方向の角度や高低角、測量機器から望遠鏡で覗いているものまでの距離を求めることができます。
 右写真は、樹木の検索。校内に生えている樹木数種を持ち込み、その樹種名を特定する方法について学びます。
 この日の体験学習では、森林科学科で学習する内容の一部を体験して頂きました。興味を持った方は、ぜひ森林科学科の受験をして入試を突破し、ぜひ入学をして下さい。お待ちしています。  
3年生 いも栗きんとん(グリーンライフ)
10月24日(木)
 10月9日に1年生が収穫してくれた栗。さすがに、これだけの量では3年生全員が食べる栗きんとんにならないため、サツマイモを添加して増量します。茹でた栗とサツマイモを鍋でよく潰します。上品な仕上がりを求めるなら、ここで、裏ごしすると、滑らかな舌触りになります。
 小さな布で絞って形を作るところですが、今回はサランラップで整形。秋の味覚を楽しむ方法を学びながら、美味しく頂きました。  
1年生 ダイコンの土寄せ(農業と環境)
10月23日(水)  
 ダイコンに追肥をしてから2週間で、こんなに大きく成長しました。
 成長に伴って、ダイコンの頭が土から顔を覗かせるようになります。根の部分に直射日光が当たると、緑色に変色してしまい、食感も変わってしまうので、定期的に周囲の土を株基にかける管理を行います。さて、ダイコンらしくなってきた根。どうしても食べてみたくなるのが人情。
この生徒の表情でおわかりでしょうか。若いダイコンは辛みがあります。それが美味しいという人もいるのですが。  
1年生 樹木検索(演習林実習)
10月22日(火) ・ 29日(火)
 この実習では、先生が指定した樹木の葉を探してくるというルールの下で、行われます。左写真は、まずルールの説明。
@イヌブナ・ソヨゴ・ミズナラは必ず採取する。
Aその他、7種類を探して、その樹種名と共に報告する。
それぞれ、合計10種類の葉を探し出し、先生に報告(右写真)「これは違う・・・」とか、「これと、これは同じ」とか。苦労はつきものです。  
 演習林内での昼食は弁当持参なのですが、中にはキャンプ道具を持参してカップラーメンを食べる生徒も。もちろん、ガスもコンロも、水も、全て自分で持参してのことです。演習林で食べるカップラーメンは何故か美味しい。これも、演習林ならではの楽しみなのです。  
 それでも、やっぱり樹木探しは大変。10種類の葉が集められなかったり、10種類集めたのだけど、樹木名が分からずに報告できなかったり。
 そんな、演習林での実習を終えて下山するときの写真(右)です。
3年生 間伐のための植生調査(演習林実習)
10月10日(木) ・ 17日(木)     
 演習林実習も、3年生は総仕上げの実習。今年度は、各自でチェンソーを使用して間伐します。
 まずは、間伐しなければならない森林の、樹木の種類やその間隔、地面に生えている植物の種類などを、左や中央の写真のように調査して、この森林がどんな状態なのかを科学的に評価します。この日の実習では、調査地において、どれくらいの木を伐らなければならないのかを計算で求めて、その後に、伐りたい木と残したい木に分別するところまでを行います。  
 右の写真、中央付近に石が土で持ち上げられたようなところがあります。これは、雨によって石の周囲の土が流されたため、結果、石が持ち上がったようになりました。森林の地面に植生が無いと、森林の地面の土が流出します。この現象を止めるためにも、間伐して太陽の光を地面に届けなければなりません。
  山の管理は、専門用語が多い上に危険も伴う実習です。確実に調査をしてデータを取り、今後の管理を決めます。そのために、実習の指導にもついつい力が入ってしまいます。中央の写真は、胸高直径といって、地上約1.3mの樹木の直径を計測します。たかが、木の太さなのですが、この調査によって、その樹木が折れやすいのか折れにくいのか、または、木が混み合っているのかなどを計算する基本のデータになるのです。
 これらの調査が終わったら、将来、残したい木にピンク色のテープを木に巻き付けます(右写真)。次回の実習では、チェンソーを使っていよいよ伐採です。
1年生 クリの収穫(総合実習の放課後当番実習)
10月9日(水)   
 1・2年生は、科目「総合実習」の時間外実習の一環として、放課後に畑や学科の施設・設備の管理などを行う実習を行います。前後期にそれぞれ1回程度実施されます。  
 郡上高校のグラウンド北に栗の木があり、その木に実る栗が、とても立派なのです。こんな栗が採れれば、自然に笑顔になります。
 毎年、こんな豊作にはならないのですが、採れる年には、1時間程度でこの収穫量です。すぐに、栗ご飯・・・と行きたいところですが、この栗は、3年生のグリーンライフの教材として活用させて頂きます。
 しかし、中央の写真にあるとおり、とても立派な栗です。残念ながら品種は不明ですが、良い栗の木です。
1年生 ダイコンへの追肥(農業と環境)
10月8日(火)  
 ダイコンの間引きを  終えてから1週間。ダイコンの葉も大きくなりました。左写真は、その観察の様子です。おや?葉が食害されている・・・葉を裏返すと・・・ヨトウムシです。見つけたら、それも駆除します。また、これから先は、地上部も地下部も大きく成長する時期になるので、ここで一度、追肥をしておくことにしました。しかし、このヨトウムシ。子どもが読む「はらぺこあおむし」の世界では可愛いものでも、ここではやっぱり害虫です。
1年生 ダイコンの間引きとオルトラン散布(農業と環境)
10月1日(火)  
 播種して3週間が過ぎ、ダイコンも大きくなってきました。3粒を播種したダイコンは、3つの芽が出ます。その中から、残したいダイコンを1つに絞り、その他の芽は抜きます。その芽に栄養を集中させるわけです。
 さて、そろそろ害虫の心配。できれば、農薬を使いたくないのですが、芽を出したダイコンの葉は、柔らかく害虫に食害されやすいので、農薬を使って防除します。今回の農薬は「オルトラン粒剤」。コナガ、ヨトウムシなどのそしゃく性害虫から、アブラムシ類、アザミウマ類などの吸汁性害虫まで幅広く効果を示します。小さなスプーンを使って、ダイコンの周りに散布し害虫からダイコンを守ります。  
  3年生 ブルーベリージャム(グリーンライフ)
9月12日(木)
  郡上高校のグラウンド北にあるブルーベリー畑は、今年、豊作だったので、そのジャムを製造しました。
 ブルーベリーに限らずジャムは古くから伝わる保存食。本来は、水あめなどを添加して増量しますが、この実習では砂糖のみの高級品。本来は保存食として楽しむものなのですが、今回は、その技術を学ぶ学習なので、出来上がったブルーベリージャムはパンやヨーグルトに乗せて、美味しく頂きました。 
    1年生 ダイコン播種(農業と環境)
9月11日(水)
  農業と環境でお馴染みとなった青空教室。本日の実習はダイコンの播種。品種は「冬自慢」。
 先日、出来上がった畝に播種をします。中央の写真にある青い粒が種子です。1ヶ所につき3粒の種子を播き、その中からいちばん良いものを残す方法です。秋には、美味しい鍋?サラダ?を、ぜひ味わいたいです。
  1年生 ダイコン栽培用うね立て(農業と環境)
9月10日(火)
 4月23日にトウモロコシを栽培するために、畑で鍬を振ってから約半年。9月に入ってダイコンの播種をする時期が迫ってきたので、その準備に取りかかりました。
 以前の写真と、今回の写真を比べてみて下さい。なんと逞しくなったことでしょう。畝の仕上がりも前回と比較すると、とてもきれいに仕上がっています。
 整備された畝は、2人で1つを管理することになります。丹精込めて管理する農作物は、天候に恵まれ、獣害などの被害を回避して収穫につながります。今はただ、豊作を祈るばかりです。
 そして、そのためにも、収穫までしっかりと管理しなければなりません。 
  郡高祭 『体育祭』
9月6日(金)
 郡高祭の最終日「体育祭」です。郡上高校の体育祭では、4色の団に分かれて競い合います。また、その競技に欠かせないのが応援団です。
 応援団の黒い衣装に身を包み、自分の団を牽引します。競技での得点と応援の得点の総合優勝をめざして、熱戦が繰り広げられます。  
 また、団の色によって競う競技の他に、普通科・総合学科・農業科(森林科学科と食品流通科)で競うリレーもあり、今年度は、農業科が優勝しました。
 応援団には、森林科学科から多くの生徒が参加しました。体育祭が終わり、クラスに戻ったところで、森林科学科応援団で撮影した写真(左)。本当はもう一人いたのですが、所用で不在になってしまったために、黒板のイラストで讃えます。
 平成25年度の郡高祭は、天候にも恵まれて、文化祭と体育祭で大いに盛り上がりました。 
 
  郡高祭 『文化祭』
9月3日(火) 〜 9月4日(水)
 待ちに待った郡高祭。
 郡上高校では、3日間に及ぶ郡高祭が開催されます。3日間という長さは、2年生の修学旅行に次いで長く、本校にとっても、大きな行事のひとつです。
 さて、左写真は、そのオープニングイベントの一幕。森林科学科3年の生徒が校長先生を誘拐!?そんな騒動を描いたコント。
 校長先生、一役買っていただき感謝いたします。ご協力ありがとうございました。
  さて、郡上高校の文化祭には、ステージ演技、作品製作、映像製作の3つの部門があり、それぞれのクラスで、どの部門で文化祭に参加するのかを、夏期の長期休暇前に決めておき、この日に向けて準備します。森林科学科では、最近、1年生は作品または映像製作、2・3年生はステージ部門という流れが出来上がってきました。左写真は、2年生が行った劇です。ステージには、なぜか「ドラえもん」と「ドラゴンボール」が共演。
 アロハシャツに身を包み・・・これは亀仙人。
森林科学科の川島先生が熱演。 
それにしても、どのキャラクターも、文化祭までの短い時間で、衣装や小道具を上手く作ってきています。とくに、この2年生の衣装は、細部までこだわった舞台装置が準備され、質の高い舞台に仕上がりました。
 ぶじドラゴンボールを集めたとき、神龍が現れてステージを飛び回ります。願いを叶えてくれます。   
 さて、こちらは3年生の劇。
「ブスより男子」を演じております。中央写真のシーンは、担任の先生がB4という生徒に襲われる場面。
 この場面は、担任の先生が、自分のロッカーを開けたところ、奇襲予告の赤札が貼ってあり、その直後に現れた4人組・・・という設定。あらためて考えてみると、この格好で迫真の演技・・・は、面白い設定ですね。
 高校生活で最後になる、この文化祭に向かって、どれだけ楽しく、どれだけ真剣にできるかを追求してきました。体育祭の応援団練習でクラスの大部分が欠けてしまう中で、それでもできるだけ良い劇を作ろうと頑張ってきました。そして、本番を迎え、緊張の中でも、どれだけたくさんの楽しんでもらえるか、また、自分たちも悔いの残らない演技ができるか・・・を実践できました。結果は、ステージ部門で優秀賞。最優秀には届きませんでしたが、それでも満足できる文化祭になりました。
  学科職員 環境系部会研修会(岐阜県農業教育研究会)
8月8日(木)
   毎年、8月の上旬になると岐阜県の農業高校に勤務の先生方のうち、環境科学科や森林科学科に所属する先生と、環境教育に興味がある先生方を対象に、農業教育研究会主催の「環境系部会研修会」 が開催されます。今年は、関市の百年公園で「マツノザイセンチュウ」を抽出するという研修会が行われ、学科の職員から環境系部会所属の川島先生、高原先生、佐藤先生、藤木先生の4名が参加しました。
 マツノザイセンチュウとは、マツの赤枯れ病の原因となる線虫。写真中央に、葉が赤くなったマツが写っています。あの木の中には、マツノザイセンチュウがウヨウヨしているのです。
 気温が35℃を超える猛暑日。そんな暑さにも負けず百年公園の外周にあるサイクリングロードを自転車で移動しながら、マツの赤枯れ病の進行状況を確認します。
 写真では記録が撮れませんでしたが、この後、ペットボトルを利用したベールマン漏斗を作成し、赤枯れしたマツからマツノザイセンチュウを抽出する装置を作成し、実際に抽出できたのかを25倍程度のルーペで確認しました。この研修会は、今年度より始まった「農業と環境」という科目の環境調査の実習について学び、可能ならそれぞれの学校で取り入れようという目的で行われたのでした。 
 実習服を着た先生方が、自転車に乗って行列を作る様は、レジャー施設としての百年公園には似合わないですが、この百年公園では、こうした里山の植生についても研究をされています。今回、この研修会で講師を引き受けていただいたのは、百年公園の管理事務所所長の若林知康先生。若林先生の解説によれば、こうした学習基盤として百年公園を利用させていただく準備もあるようで、事前に申し込むことで、研修会も実施していただけるとのことでした。郡上高校から約1時間で到着できる施設ということもあり、この研修会での話は、とても魅力的なものでした。
  2年生 緑の学園(岐阜県農業大学校)
8月1日(木) 〜 2日(金)
  岐阜県の農業高校に所属する生徒を対象にして開催される「緑の学園」。今年度は、森林科学科2年の内ヶ島涼太君(写真左)と田代覚士君(写真右)が参加しました。会場は、可児市にある岐阜県立国際園芸アカデミー(写真)と岐阜県農業大学校(園芸アカデミー隣)で行われました。
 以前は2泊3日だったこの研修も、現在は1泊2日。岐阜県農業大学校は、農業自営者育成のための全寮制の学校なので、緑の学園は、その施設をお借りして宿泊することもできます。郡上高校の2名は、2日とも通学でした。
  研修1日目は、まず国際園芸アカデミーと岐阜県農業大学校の学校紹介を聞き、その後、研修に参加した生徒らがお互いを紹介し合うオリエンテーション。初日の午後からは、農業経営の視察のため、近隣の営農圃場を訪ねる視察を行いました。今年は「しいたけブラザーズ」と「西垣農園」。郡上高校の圃場は、岐阜県の農業高校の中でも一番規模が小さく、こうした機会に見る経営基盤がある圃場規模の大きさに驚くばかり。
 写真は、2日目の体験実習で、果樹(桃)の収穫を行っている田代君です。
 この写真も、研修2日目に行われた体験実習で、果樹(桃)の管理実習ですが、脚立の上に登っているのは内ヶ島君。桃の品質を下げる昆虫(今回はカメムシ)を集めるトラップに、どんな虫が入っているのかを確認する作業でした。
 日頃、スーパーで購入する果実には、殆ど傷は付いていません。それは、農業生産者が栽培期間を通じて、植物を適性に管理し、また、それを害する昆虫や病気に侵される可能性を監視し未然に防ぐことで、高い品質が維持されているのです。 
 こちらの写真も、2日目の体験実習での内ヶ島君の写真。トマトの選果をしているところです。
 トマトを収穫し、農産物が消費者の手に届けられるまでには、いろいろな流通経路を辿り店頭に並びます。でも、どんな流通経路にしろ、収穫された農産物が、消費者が求める大きさや重さ、色合いなどを丁寧に選別した上で、出荷されるのです。農家さんの苦労は、栽培だけに留まらず、こうした選果(調整)の苦労も込められていることに、あらためて気づかされました。
 研修をしていると、なんだか見たことのある農業大学校の学生が。平成24年3月に郡上高校を卒業した細野稔貴君(写真右:森林科学卒)と、平成25年3月卒業の池田龍平君(食品流通科卒)。背景は、トマト温室の前です。
 現在、農業大学校の2年生になるの細野君は、厳しく指導をいただいたおかげであって、今では、たくましく一人で実習や研究を行っていけるようになったようです。高校を卒業したときよりも、なんだか一回り大きくなって立派になったように見えました。
 最後に、8月2日に引率をした私(佐藤)と記念撮影。冒頭でも書いたように、この日は気温が35℃を超える猛暑日であったにも関わらず、写真の細野君も「最近は随分慣れました」と平気な様子。それよりも、後日迫っている研究活動の中間発表に掲載するデータ収集のため、栽培が終わったトマトの根茎を、時間を惜しむように丁寧に洗浄していました。なんでも、生育状況を把握するためだとか。
 ひたむきに努力を重ねる姿を見ると、高校生も頑張らせねばならないと再発見し、私にとっても、貴重な体験ができた「緑の学園」になりました。
  郡上高校見学会(中学3年生と保護者対象)
8月1日(木)
 8月の1日と2日の2日間にわたり、郡上市内外から中学3年生が来校し、郡上高校の見学会が行われました。
 総合学科棟の1階で、郡上高校の学校全体についての説明と、学校紹介DVDを見ていただいた後に、各学科の専門的な学習風景や、実験実習で使用する教室などを見ていただきました。左写真は、手前にいる本校の3年生から、総合学科棟から森林科学科棟に移動する渡り廊下周辺で、森林科学科についての説明をしているところです。  
 中学3年生に、専門的なことを話しても、難しいことも多いはず。そこで、いつも演習林に行って間伐をする専攻生徒がチェンソーを使った丸太切断の実演をしました。アンケート結果から「かっこよかった」と感想がもらえて、満足のいく結果となりました。
 写真では見にくいのですが、実演者生徒が履いている紺色のズボンは、通称「安全パンツ」といって、もしも、誤ってチェンソーの刃が脚部に触れてしまったとき、安全パンツの繊維がチェンソーの刃に食い込み機械を停止させるという怪我から身を守るものです。
 次に、森林科学科棟1階の木材加工室を見学しました。右写真の部屋には、丸のこ盤や帯のこ盤といった、昔ながらの木材加工機械から、レーザー加工機や数値制御(NC)工作機なども揃っています。 中学校とは違い、高校での高度な木材加工もできる部屋になっています。
 木材加工を中心に行う実習の部屋ですが、金属や樹脂など「物づくり」の基礎を学び、郡上内外の製造系企業で働く基礎や心構えを学ぶことができます。 たくさんの受験をお待ちしています!
  2年生 白山実習(総合実習・課題研究)
7月30日(火)
  白山実習の登山中止!!
 白山実習前夜に、石川県を中心に大雨が見舞いました。白山実習初日に石川県まで移動してみたものの、登山道につながる道路が通行止めに。前日に、関係機関に連絡し「降水量が0mmになり3時間後には通行止めを解除します」という言葉に期待を持ちながら、このゲートの前で2時間待ってみましたが、この日のうちには通行止めが解除されることはありませんでした。
 大変、残念なのですが、登山を諦めて学校に帰ることにしました。
 せっかく石川県まで出かけてきたので、真っ直ぐ帰ってしまうのも勿体ないので、登山道の麓の石川県白山市白峰にある「石川県立白山ろく民俗資料館」を訪れてみました。
 ここには、国や石川県から指定された文化財として昔の家屋や店舗が保存されています。
 きっと、生徒の親の世代であれば、郡上にもたくさんあった懐かしい古民家。今では気密性の高い住宅に変わってきたので、写真のような家屋は見かけなくなってきました。
 茅葺き(かやぶき)の住宅も、最近は、一部の神社や寺社で見かけるくらいで、世界遺産の白川郷まで行かないと見られないようになりました。
 自然に自生する茅(かや)は、よく考えてみたら風雨を凌ぎ、外気の暑さや寒さを通しにくい、究極の断熱材素材です。大自然の中で、自然の恩恵で暮らしていた先の住民は、住宅づくりも地産地消の究極的なエコ生活。大量消費の今、こういった資料や施設を残しておくことは、きっと将来、昔を顧みる大切な資料として活用される時代がやってくるかもしれません。
  第64回岐阜県学校農業クラブ連盟 県大会開催(運営)
7月24日(水)
 郡上高校も夏季休業に入ったところですが、今年度は、郡上高校が岐阜県学校農業クラブ連盟(岐阜県農業クラブ)の県大会を運営する担当校となっており、これまで、大会の成功に向けて着々と準備してきました。
 写真は、大会前日に撮影した木ぼっくりカウントダウンボード。残り日数が「1日」となり、いよいよ翌日に大会が開催されることを伝えています。 
 大会当日。
 早朝に雨が降りはじめ、雨模様となった大会。この日には「農業鑑定競技会」と「平板測量競技」の2つの競技が開催され、競技が終わると、先日、加茂農林高校で開催された意見発表会とプロジェクト発表会の表彰を兼ねた式典が、高校から吉田川を越えたところにある「郡上総合文化センター」で開催されました。
 写真は、岐阜県の農業高校で、この大会出場のために知識や腕を磨いてきた選手が、本校に続々と集結しているところです。 
 ここは、体育館1階にある、通称「ピロティ」と呼ばれる広場。もしも雨天の場合にと、ここに受付会場を作りました。
 選手が受付をすると、案内係のプラカード担当の生徒が、各競技会の控室に案内し、いよいよ県大会の出番を待つことになります。
 とくに目立ったのは、農業鑑定競技に出場する選手が、受付時間も惜しむかのように、テキストを見ながら勉強している姿でした。
 この写真は、農業鑑定競技会の入り口ゲート。各区分によって、入り口が分かれています。入り口付近の入り口担当係の生徒は、選手が順番どおりなのかと、入場のタイミングを確認しています。  
 20秒ごとに鳴らす音は、部活動で使用するタイマーをステージに配置しました。
 前回、郡上高校で農業鑑定競技会を実施したときには、第1本館の教室を使用して競技を行い、20秒の音は、校内放送を使って行いました。体育館で実施することは、選手の動きが1会場で収まるので、監督はしやすいのですが・・・ 
 体育館会場の大変なところと言えば、問題を並べる机が無いこと。写真のとおり、緑のマットを敷いた上に、各クラスの教室机を持ち込み並べました。自分たちが普段使っている机を持ち込んだので、第2本館の2・3階から体育館の2階まで運ぶ・・・郡上高校の少ない生徒数で、この机の準備と撤収のための移動が一番大変な作業だったのかもしれません。
 さて、この写真は平板測量競技会の外業(1次作業)です。早朝から大粒の雨が降り、グラウンドが池のように。
 地面も、靴が2〜3cm沈み込むような悪いコンディションの中、晴天時競技を実施しました。驚いたのは、各校選手の準備の良さ。写真の選手は傘を差して測量を行っていますが、中には合羽や長靴を持参しているチームもあり、きっと、日頃の練習から雨天時を想定して練習しているのだろうと感心させられました。 
 外業の1次作業と2次作業が終了し、いつもなら直ぐに内業に取りかかるところですが、上の写真のように多くの選手は、全身びしょ濡れになっていたので、健康上の理由から着替えの時間を取り、内業へと取りかかりました。
 そのため、若干、競技時間が延びたものの、競技の進行としては、概ね順調に進んだものと感じております。
 平板測量競技会では、今回出場した8チームのうち全国大会に出場できるのは1チームだけ。図面を各鉛筆に力がこもります。  
 競技会が終了し、郡上八幡文化センターでは、式典を開催しました。はじめに、郡上らしく「郡上おどり」をアトラクションとして披露。浴衣を着た踊り子はもちろん、笛や太鼓、三味線とお囃子(おはやし)すべてが郡上高校生によるものでした。
 郡上高校には、部活動の1つに「伝統芸能同好会」があり、そこで、郡上おどりのお囃子を練習しています。その成果を、この場をお借りして披露させていただきました。
 アトラクションが終わると、農業クラブ単位クラブ旗の入場。この「単位クラブ」とは「各学校の」というような意味。岐阜県には7つの農業単独高校または農業科のある併設校があるので、単位クラブ旗は7本になります。農業クラブ式典では、この単位クラブ旗が集うことで、県下の農業高校全てが集っているという結束力や一体感を感じることができます。ちなみに、この旗手は、おおよそ各学校の単位クラブ会長または副会長が担うことが多いようです。
 式典では、最優秀者の表彰や、意見発表やプロジェクト発表優秀者の模範発表がありました。これらの発表を聞きながら、毎年行われる県大会が順次終了していくことになります。
 さて、左の写真。単位クラブ旗では無く岐阜県農業クラブ連盟の旗。連盟旗とも呼ばれます。この旗は、毎年の県大会運営校が所持します。式典のクライマックスは、この連盟旗の引継ぎ。来年度は加茂農林高等学校の担当なので、本校の県連会長から加茂農林高校の単位クラブ会長に手渡されました。来年度の運営、頑張ってください!   
  1年生 トウモロコシ圃場の整備(農業と環境)  
7月18日(木)
 7月9日に収穫し終えたトウモロコシ畑。収穫したままの圃場になっていたので、次の作物を育てる前に、圃場の整備をします。
 まずは、大きくなったトウモロコシの葉茎を集め、各自の担当場所をきれいにします。 昨年度は、畝を覆うマルチは生分解性のものを使ったので、そのままトラクターで耕耘しても良かったのですが、今年度は、経費削減のため普通のポリフィルムを用いたので、収穫後にマルチを集めてゴミとして処分します。このマルチおかげで、雑草を除去する手間が大幅に削減できました。また、地中温度の上昇によって、地下部の成長を良くすることもできました。とにかく、丹精込めて育ててきた、このトウモロコシの栽培も、これにて終了となります。
 最後は平鍬を使って、全体の土の高さを均一にして、雑草を処分し、次の作付けに移る準備をします。「農業と環境」での次の作目は「ダイコン」を予定しています。トウモロコシの栽培がこうして無事に終わり、授業で担当した場所のトウモロコシ栽培がこの日まで、災害・獣害によって獣たちに奪われてしまうこと無く、無事に栽培が終われたことに感謝しなければなりません。 
  1年生 清流の国ぎふシンポジウム(岐阜県)
7月17日(水)
 岐阜県では、昨年度より「清流の国ぎふ 森林・環境税」を導入し、豊かな自然環境の保全と再生に向けた取組みを推進しています。
 このたび、こうした取組みを進めるために不可欠な"人づくり"をテーマとした「清流の国ぎふシンポジウム」が岐阜県美濃市で開催されました。
 基調講演として農林水産事務次官の皆川芳嗣さんが講演されました。次に、左写真のパネルディスカッション。パネラーとして皆川さんをはじめ岐阜大学の小宮山先生や美濃市長の石川さん。コーディネーターは、岐阜県立森林文化アカデミー学長の涌井史郎さんでした。
  シンポジウムに先立ち、午前中には岐阜県立森林文化アカデミーを見学させていただきました。
 ここは、森林・林業のことについて専門的に学ぶことができる学校。岐阜県立の学校なので、私立系の大学や専門学校と比較すると、とても魅力的な学費となっています。
 学習できる内容も、本校の森林科学科で学んだことをさらに深められるカリキュラムになっています。そのため、毎年、数名の卒業生が、この学校に進学しているのです。シンポジウムのおかげもあり、1年生は、学校内まで見学できました。 森林文化アカデミーは、高校卒業後に入学するエンジニア科と、大学卒業または社会人からの進学先になるクリエイター科があります。写真の構造物は、クリエイター科の学生が設計し、エンジニア科とクリエイター科の学生がチームを作り、実際に建造した実習成果の作品です。山の斜面を利用して扇形に広がる展望台が特徴です。複雑な構造物なので、設計力と建築加工の精密さが求められ、学生の能力の高さが垣間見えます。
 こんな学校で勉強するのも、進路選択のひとつとして良いと思います。 
  3年生 駆除竹で流しそうめん(グリーンライフ)
7月11日(木)
 6月13日に行った、駆除竹を使った竹とんぼの第2弾として、今回は流しそうめんの体験を行いました。とは言っても伐採しておいた竹を半分に割り、写真の様に節を取り除きます。薄皮や竹クズをきれいに洗浄して出来上がり。
 時間があれば、この竹樋を固定する方法にもこだわりたいところですが、短い時間の中での作業だったので、農業用の支柱を活用しました。 真っ直ぐに育っているイメージのある竹も、こうして加工してみると曲がりが強く、竹を割る方向を間違えると上手く水が流れないこともあります。また、竹の種類によっては、流しそうめんが出来るほど太くならないものもあります。
 郡上では、比較的によく見る竹も、飛騨地方(とくに高山市以北)に行くと見ることができません。昔、郡上で採れた大きなタケノコを飛騨の方に差し上げたら、とても喜んでもらえたことがあります。郡上では、旬になると毎日のように食卓に上がるタケノコも、地区によっては大変喜ばれる食材になることを知りました。せっかくなので、そうめんを食べる器や箸も採れた竹で製作。家庭で大きな器に水を張って食べるそうめんも、こうして流して食べると美味しく感じるのは何故でしょうか。きっとそこにグリーンライフの学習の意味があるのでしょう。
 とにもかくにも、食べて美味しいと言うことはすばらしいことだとあらためて実感した実習となりました。
   1年生 トウモロコシの収穫(農業と環境)
7月9日(火)
  トウモロコシの収穫の時期がやって来ました。自分の畝から標準的なサイズのトウモロコシを採取してほう皮(ほう葉)を剥いてみます。実の入りや糖度などを確認して、収穫適期と判断できたので、収穫しました。スーパーで売られているトウモロコシも美味しいですが、こうして手塩にかけて育ててきたものだから、その美味しさもひとしおです。まだ未熟なトウモロコシは無理に取らないで、良く実ったものを収穫していきます。写真は、収穫するべきか残すべきかを判断しているところです。
 昨年度は、収穫前に天候不順となったことと収穫の2週間前に集中豪雨と強風に遭ってしまい殆どのトウモロコシが倒伏し、どの生徒も、細長いトウモロコシを起こしながらの収穫だったので、精神的にも辛さがありました。でも、今年度は天候にも恵まれ、無事に収穫日和を迎えることが出来ました。このトウモロコシは三者懇談中の販売や、校内の職員に向けて販売しました。収穫量が多かった今年度は、全てが販売できるか心配でしたが、売れ残ること無く完売いたしました。自分で栽培したトウモロコシを自分で食べる瞬間も良いですが、これを誰かに食べてもらって「美味しいね」と言われることも、嬉しい瞬間です。どちらにせよ、これまで管理してきた達成感を味わうとともに、栽培中、好天に恵まれたことに感謝です。
  職員 白山実習の林道下見と安全確認登山
7月5日(金) 〜 7月6日(土)
 毎年、2年生が登山する白山の林道や宿舎が安全な状況かを確認する登山を職員2名で行いました。天候に恵まれれば楽しい登山も、この日はあいにくの雨。それも、結構な大粒の雨が降る登山となりました。
 雨対策を万全にしていても、合羽の耐水圧を超えて染み込んでくるような雨。これも生徒の安全のためと、いざ、登山開始。 
 登山の前半は雨でしたが、中腹を越えるころから雨が上がり、かわって霧の濃い天気になりました。
 右上写真は、晴れれば絶景が売りの景勝ポイント「黒ボコ岩」。撮影者から被写体までの距離は2m少々なのですが、この曇り様。雨が降らないことは救いでしたが、なかなか忍耐力の必要な登山となりました。 
 そんな悪天候のなかでの登山だったので、唯一の楽しみが山小屋ので食事。
 左下写真は、この日の晩ご飯のメニューは、ハンバーグ・厚揚げ・キノコと海草のサラダ・温野菜・アジのフライ・大学芋・ナメコのみそ汁・ミカンと寒天のデザート・超山盛りご飯でした。食券を厨房の職員に出すと、これだけのご飯が食べられます。みそ汁とご飯は食べ放題。調子に乗って「ご飯大盛り」とお願いしたら、この有様です。でも、宿泊費と朝夕の2食付きで8,000円なら、お値打ちな山小屋だと思うのは、私だけでしょうか。
   翌朝に下山する頃には、すっかりと天気も回復していました。今年の白山実習で使うルートは、別当出合(べっとうであい)登山口から砂防新道経由の室堂宿泊のコース。このコースは林道も比較的に良く整備されていること、水場が豊富、2時間以内にトイレが利用できる避難小屋が整備されているなどの理由があります。中央写真は、その別当出合 登山口にある吊り橋と大鳥居。
 下見登山では、悪天候の中でしたが無事に下山が出来ました。あとは、白山実習の当日も怪我無く実施できることを祈念するばかりです。
  3年生 間伐材でベンチ製作(課題研究:演習林専攻)
7月4日(木)
   郡上高校の演習林に毎週2回、森林の調査や管理に関わっている生徒たちが、演習林から伐りだした木材を使ってベンチを製作しました。日頃、樹木の伐採用に使用するチェンソーも、こうして木工製作品を製作するために使うと、また、違った機械のように感じることがあります。チェンソーを使って彫刻品を作るチェンソーアートというジャンルも誕生し、その技術も競われるようになっています。
 チェンソーアートにはほど遠いのですが、伐りだした丸太をベンチにするために、座面や脚を作らなければなりません。設計図の無いこの作業は、誰かのイメージと、そのイメージを具体的に作り上げる技術が必要です。チェンソーの操作も、伐採時とは違い、時には繊細に動かしたり、アクセルを細かくコントロールするなど操作も工夫しました。
 悪戦苦闘の末に出来上がったベンチの写真。座面の表面や横面は、サンドペーパーで磨くなどして仕上げた、こだわりの逸品です。この1台のベンチを作るのに2時間の時間を要した演習林専攻。右写真はドヤ顔ですが、次回はもっと早く作ることができればと願っています。
 また、演習林から簡単に木材が搬出できれば、こうした木工品を制作する機会も増えるので、本校の課題である木材搬出の技術についても、ぜひ研究に取り組んでもらいたいと願っています。
  3年生 芋の収穫試験と市場調査(課題研究:芋栽培専攻)
7月1日(木)
   昨年度に続き、今年度も芋類の栽培を試みる専攻が、春に定植した馬鈴薯を収穫する時期がやって来ました。
 本日の研究内容は「収穫試験」。どの程度の大きさになっているのかを試しに掘ってみることにしたのです。すると、写真の様に見事な大きさの馬鈴薯が育っていました。思わず笑顔も光ります。
 本格的な収穫を前に、近隣の商店では、どんな価格で販売しているのかを調査に出かけました。最近は天候にも恵まれているからなのか、どの商店でもお値打ちな価格で販売されていました。また、産地についても、写真のように長崎産を取り扱うなど、全国各地の商品を揃えています。馬鈴薯の産地が多いのは、保存性も良いからなのでしょうか。商品を取り扱っている店の方にも取材をしました。
 どのくらいのパッケージで価格の設定はどれくらいにするかなど、難しい質問にも丁寧に対応して頂きました。なにより、お仕事中に面倒なお願いを聞いて頂き、ありがとうございました。今後、芋栽培班の馬鈴薯が収穫できて販売するときの参考にさせて頂きたいと思います。
  農業クラブ役員 農業クラブ県大会運営カウントダウンボード
6月25日(火)
   7月24日(水)に、郡上高校で農業クラブの県大会と大会式典が開催されます。
 今回の大会の競技は、農業鑑定競技と平板測量競技。郡上高校は、普通科や総合学科と並んで森林科学科と食品流通科がある学校。他の農業高校にくらべると、農業の学科に所属する農業クラブ員の少ない学校なので、生徒が一致団結して大会を運営しないといけない学校。そこで、農業クラブ員の意識高揚のためと「もうすぐ大会があるよ!忘れないで!」の思いを込めて、執行部役員がカウントダウンボードを製作しました。
 郡上高校の正面玄関前に「灌花庭」という庭園があり、その真ん中に場所をお借りして、完成したカウントダウンボードを設置しました。
 製作に関わった森林科学科生徒が後ろに並んで記念撮影。大会当日にも、本校に来てくれた選手が記念に写真を撮ってくれたらと願いを込めて設置。そして、この日より大会まで29日となり、いよいよ1ヶ月を切りました。私たち職員も生徒も、大会に向けて盛り上げていかなければなりません。 
 右写真は、このカウントダウンボードの製作指導に関わって頂いた藤木先生と川島先生。
 大会に出場する選手の皆様、ご指導される先生方に一言。今年度の農業クラブ県大会、農業鑑定競技と平板測量競技、式典運営には、少ない人数での大会運営になるため、十分なおもてなしが出来ないかもしれませんが、真心込めて精一杯やらせて頂きます。では、郡上高校にてお待ちしております。
  2年生 インターンシップ(郡上市内の各事業所にて) 
6月25日(火)〜6月27日(木)
 森林科学科と食品流通科の2年生がインターンシップ(就労体験実習)を行いました。
 左写真は郡上市消防本部において放水訓練を体験させて頂いたものです。体験とはいえ、実際の消火活動にも使用できる服装や器具を使わせて頂いての実習。その服装の重さや、放水設備の器具の重さに四苦八苦しながら放水。それも、署員の方が実際に行う放水量よりも少なくして、なんとか出来た・・・というもの。日々の訓練が重要なのだとあらためて実感できました。  
 中央の写真は、八幡町五町にある大原林産での研修。この大原林産は、林業を専門に行う会社です。森林科学科で1年少々学んできた生徒とはいえ専門家の前では、とても緊張します。また、これから始まろうとしている仕事の説明を聞くときも、学習したはずの林業の専門用語に戸惑ったりして、気の抜けない研修でした。写真では、白い作業服に身を包んだ生徒3人が、緊張しながら話を聞いている様子が印象的です。 
 右写真は美並町にある大同メタル工業。出荷用の梱包に使用する段ボールを製作しているところです。
 大同メタル工業では、おもに自動車用の軸受けを製造しています。金属の加工から製品の検査、梱包、出荷を一連してこの工場で行っています。この会社には、森林科学科からたくさんの先輩が入社しています。そんな先輩にも心配されながら、工場の一員として懸命に動いた3日間でした。インターンシップでご指導頂いた皆様に、この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。
1年生 はじめての演習林で樹種の学習(総合実習)
  6月18日(火) ・ 7月2日(火)
  郡上高校には、郡上高校から東に5キロほどのところに、およそ24ヘクタールの演習林があります。
 よく、東京ドーム何個分…という表現をしますが、その東京ドームは46,755平方メートルなので、47ヘクタールとなります。その言い方で表現すれば「東京ドームのおよそ半分」という面積になります。あらためて東京ドームの広さを実感しました。さて、今回の演習林では、森林の林相(高木・亜高木・低木など)や基本的な樹種の見分け方を学びました。木の葉っぱというと、針のような形のものと楕円の形やその他、幅広の形をしたもに分けられます。それが、針葉樹と広葉樹という区分なのですが、実際には、葉の形で分けるのではなく、被子植物の広葉樹、裸子植物の針葉樹で区分されます。イチョウの葉っぱが幅広なのに針葉樹に区分されるのは、そのためです。そんなところから学び始め、写真では1つの葉っぱで1枚の葉といえる単葉と、たくさんの葉っぱが集まって1枚の葉となっている複葉の違いについても学びます。 
 黒板で、植物の絵を丁寧に書いて、記録することも大切な授業ですが、こうして、実際の山に入って、生きた教材を手にしながら学習することも、とても重要です。生徒たちも「机にかじりついて勉強する時間と、こうして大自然の中で身体を動かして学ぶことの上手なバランスがあると嬉しい」という声が多く聞かれました。写真は、演習林の山頂で撮影した記念写真。いわゆる登頂記念。手前に見える石柱は、測量の三角点です。おそらく、この場所に来ることは3年間で最後になると思います。
3年生 駆除竹を使った竹とんぼ製作(グリーンライフ)
6月13日(木) 
 郡上高校の裏山には、以前、竹が増殖していました。グリーンライフという授業が始まり、その竹を駆除する目的で伐採を重ね、最近では、竹を探しに行かなければならないほど減ってきました。その竹を使って「竹とんぼ」づくり。なんでも店に行けば手に入る時代だから、自分の手で作ることに意味があるのです。そして、竹という植物は硬くて繊維質。加工しにくい素材です。しかし、短期間で大きく生長する竹は、しっかりと管理できれば良い資源のひとつと言えます。 
 木材加工室で材料を固定して刃物を入れていきます。羽にする部材は軽さが大切なので、ナタで薄く剥ぐ技術が重要です。余談ですが、郡上には竹を使って、鮎の友釣り用の魚籠を作る職人の嶋さんがいらっしゃいます。グリーンライフの授業で、以前、講師として来て頂いたこともありました。その嶋さんが作る郡上魚籠は、釣り人の中では注目されている品です。嶋さんの話では、竹の中にも素性の良いものと悪いものがあるとか。私たち素人が同じに見える竹も、プロの目には違いが見分けられるそうです。
 郡上魚籠のレベルにはとうてい追いつけませんが、それでも出来上がった竹とんぼには、なんだか思い入れがあります。上手く飛んだときには、無性に嬉しくなります。逆に、飛ばなかったとき。そんなときには、左右のバランスを調整したり、軸のアナの位置を調整したり、羽根の角度を変えてみたり…たかが竹とんぼの製作も、真剣に取り組めば、たくさんの科学に関わります。こうしたものづくりへの探求心は、きっと、現在の技術高い日本の土壌になっていることでしょう。
  3年生 美濃和紙の紙すき体験(グリーンライフ)
6月13日(木) ・ 6月20日(木)
 グリーンライフと林産加工の学習の一環で、美濃市にある「美濃和紙の里会館」で紙すき体験を行ってきました。
 和紙の歴史は古く、日本書紀によれば610年に日本に伝来したと記録されているが、それ以前には紙漉の技術があったと言われています。
 現在の化学的に作られるクラフトパルプと違って自然素材のみで作られる和紙は1,000年以上の保存が可能と言われています。おおよそ各県に1つの和紙技術があり、岐阜県には飛騨の和紙と美濃の和紙の2つがあります。和紙の特産地により、使われる材料や製紙の方法が微妙に変わります。
 美濃和紙の原材料はコウゾという樹木が中心。皮を剥いて木材を川の水で丹念に晒すことで、和紙の品質を上げます。晒した木材を炭酸ソーダで2時間ほど煮詰めて軟らかくし、細かいゴミを取り除くことで、和紙の原料が出来るのです。美濃和紙の特徴として、写真の器具を使って和紙の原料を溶かした液をすくい、均一になるようにならしていくのですが、そのならし方に秘密が。通常は、縦なら縦方向のみなのですが、美濃和紙では縦と横を交互に行うことで、和紙の繊維を網目状にします。その製法により、強度の高い和紙が作られるのです。 
 会館のスタッフが見本を見せてくれるのですが、いとも簡単に作業をされますが、いざ体験してみると、これまた難しい。変に力が入ってしまい、上手く器具を動かせなかったり、紙の厚さが均一にならなかったり・・・スタッフの方に手伝ってもらいながら、一人1枚の和紙をつくり、自分の好みでモミジの葉などを貼り付けて装飾します。
 出来上がった和紙の写真を紹介できませんでしたが、パソコンとプリンターが普及して湯水のように紙が使われる昨今。和紙の紙すきを行ってみると、あらためて1枚1枚の紙のありがたさを知ります。殿様に献上されていた歴史のある美濃和紙。この地には、まだまだ知らない歴史や技術がたくさん眠っていると、あらためて学びました。 
1年生 デナポンでトウモロコシを守れ(農業と環境)
6月12日(水)
 デナポンとは、トウモロコシの雄穂を食害するアワノメイガを避けるために散布する薬剤です。
 この薬剤は、アワノメイガが雄穂や雌穂が出来る頃になると、葉の裏に産卵し、その幼虫が食害するようになります。そのアワノメイガを撃退するもので誘引殺虫剤と呼ばれたりします。アワノメイガだけでなくダンゴムシ、ネキリムシ、ヨトウムシにも効果があります。雄穂が出始める頃に、デナポンの粒剤をパラパラっとふりかけておきます。
 アワノメイガやヨトウムシは、あまり昼間は動きません、でも、昼夜を問わずこの薬剤の香りに引かれて薬剤を食べて撃退するというものです。デナポンのパッケージには低毒性で環境に優しい…とはありますが、薬剤は薬剤。余り使いたくはありません。そこで、デナポンに代わる手段をいろいろと調べていると、興味深い記事を見つけることが出来ました。最近、農業の月刊誌「現代農業(農文協)7月号:P84」に、お湯をかけることでデナポンと同じ効果があると記載されていました。トウモロコシ100株あたり50〜80Lのお湯(約60℃)を、葉の中に雄穂が見える頃に3日に1回かけると効果があると、兵庫県の波部さんが発見したそうです。
 郡上高校では、今年約900株の栽培を行ったので、このお湯による駆除は450〜720Lのお湯が必要になります。近くに給湯機があれば可能ですが、ちょっと大変なので実現できませんでした。ただ、トウモロコシの天敵害虫を無農薬で撃退できることは、大変興味深い記事です。
郡高職員 チェーンソーによる伐採研修(職員研修会) 
6月7日(金)
 学校職員を対象にした伐採技術研修会を開催しました。
 樹木の伐採技術は、林業技術者が受け継いできたもの。私たち職員も、その技術を高めるために研修会を実施しました。また、森林科学科職員だけでなく、林業に興味のある職員を募り、普通教科から藤井先生(数学)、高橋先生(理科)、2名の先生にも研修会に参加していただきました。
 先ずは、チェンソーの扱い方から。この日は、あいにくの雨模様で足下も悪かったので、林道脇に積んであった丸太を使って練習しました。
 さて、この研修会のポイントは次のとおり。
 専門の用語になりますが、木を倒すときにはチェンソーを使って2方向から切れ込みを入れます。倒す方向に入れる切れ込みを「受け口」、倒す方向の反対側に入れる切れ込みを「追い口」というのですが、その受け口の形状や、チェンソーの構え方について、近年、見直しが始まりました。
 正式名称はオープンフェイスノッチ(広角受け口)といって、およそ90度の開き角度にします。また、追い口を切り込む際に、切り倒す方向に対して横向きや背中を向けて伐らなければならなかったのですが、チェンソーの持ち方や構え方を見直すことで、身体を切り倒す方向に向けながら追い口を切り込む技術が広がりを見せています。その技術の研修会でもありました。
 また、労働災害の多い林業。我々職員も、しっかりと研修を積んで、安全な現場を作らなければなりません。
 2・3年生 学科内農業鑑定競技会(総合実習)
6月6日(木)
 森林科学科の農業鑑定競技校内予選を行いました。左右の写真は3年生の実施風景。昨年度までは森林科学科棟で行っていたこの予選会も、今年度は第2本館4階において実施しました。この予選会は、7月24日に行われる県大会に出場する選手を選抜するもの。本校では、この競技を充実させるために、2・3年生の総合実習のなかで学習し、前期中間考査の時間内に実施しています。定期考査を兼ねていることもあり、真剣な眼差しです。 
 中央写真は、今回出題された問題の1つ。写真の問題文が見にくいので、ここに記載します。皆さんも挑戦してみては?
問題「このうち、つる性植物はどれですか。」・・・左からA、B、Cとなっています。
 もちろん、学科の生徒はこの植物を手にとって確認するのですが、みなさんはわかりますか? ヒント:つる性植物の「フジ」が正解です。
 この農業鑑定競技は、日頃、専門的な学習の中で使用している教材や器具について、それらの名称や性質、用途について熟知しているかを問う競技。当然、学習時間の長い3年生になるほど有利になります。また、この競技は、農業クラブの全国大会に毎年、2名が出場できる決まりがあり、また、勉強すれば確実力になるところもあり人気の高い競技です。さて、今年度は誰が県大会出場の切符を手にするのか。
(上の写真の正解はCです)
3年生 東殿山動物調査(課題研究:野生動物専攻)
5月27日(月)  
 今年度も、野生動物調査(仮名)専攻の調査が本格的に始まりました。
 この日の調査地点は、郡上市役所(本庁)の南側になる東殿山(とうどやま)の調査。4月27日〜28日にかけて測量部が登山した山です。
 左写真のメンバーが、今年度の調査研究専攻の生徒。東殿山の上方は国有林になっており、昔から管理されて残された大きな木が育つ山。
 特徴としては、ヒノキやコウヤマキの大木があります。山の中を散策しながら、動物が棲息している痕跡を探します。今回の登山では、角擦りやムササビの足跡、リスの食痕(松ぼっくり)が見られたようです。それにしても、中央写真のような立派な樹木が、高校のすぐ近くにあったことは、驚きの光景でした。 
 右写真は、随分、以前に切り倒されたヒノキ?コウヤマキ?の切り株。樹木を切り倒すときには、写真のように半月状に切り込みを作ります。これを「受け口」と呼んでいるのですが、本来なら、この受け口周辺で樹木が折れ曲がるのですが、なぜだか、この切り株は、そのうえで切り倒されています。それも不思議だと感じるのですが、なにより、この切り株、木の上に伸びるつる植物が、まるで緑の髪のようで、受け口が、切り株の口のように見えませんか?かわいい(不気味)なオブジェです。
3年生 ロッキングチェア塗装(課題研究:NC専攻)
5月27日(月)
  平成24年度のNC専攻生が、1年の研究を重ねて仕上げたロッキングチェア。材料となる木材の製材は、かんな盤や丸鋸を使いましたが、主要の加工はNC工作機のみの木工作品。研究した生徒が卒業し、本校の木材加工室の片隅で保存されていたのですが、それでは製作した生徒に申し訳ないし、さすがにもったいないので、塗装を施して各種イベントで紹介することにしました。
 写真はラッカー系の塗装を施して磨いたもの。座面に背中の丸棒が映り込み、きれいに仕上がりました。今後は、林産加工室ではなく校長先生にお願いして校長室にディスプレイしていただこうと思っています。
 右写真のモデルは身長167cmの男性。
 ロッキングチェアに座ると、気持ちまで優雅!?になります。薪を燃やした暖炉の前で、このロッキングチェアに座り、ゆったりと過ごしてみたいものです。 実は、このロッキングチェア、先日行われたみどりの祭りで、販売ブースの前にディスプレイしていたところ、何人ものお客様から、販売していないのかと問い合わせがありました。
 座面がブナの1枚板を使っているので、材料代が高くついています。販売価格は4〜5万円を下らないと思いますが・・・。 さて、量産したら、みなさん購入して頂けますか? 
 3年生 郡上市みどりの祭り(課題研究:椎茸・芋栽培専攻)
5月25日(土) 
 郡上市の林業を活性化するイベントとして開催された「郡上市みどりの祭り」。
 郡上市長さんをはじめ、県議会議員さん、森林組合さんなど郡上の林業を支えておられる皆さんが臨席された開会式。郡上市の林業にかける想いが伝わってきました。この日は、郡上高校森林科学科の販売スペースを設けていただいて、干し椎茸の販売を行いました。昨年度の販売実績から、この日の在庫は60袋程度としていましたが、予想しなかった大盛況で、朝の約2時間で在庫切れ状態に。担当職員が学校に戻り、在庫量を急遽追加し販売することになり、好調な売れ行きでした。結果、スライスと丸(切っていない)の干し椎茸を114袋、販売することが出来ました。
 購入していただいた皆様、お買い上げありがとうございました。
 ゆるキャラブーム?右写真は、移動しながら販売する2名の生徒が、会場のマスコットと記念撮影。真ん中の小さなキャラクターは、天皇陛下のお手植えで有名な全国植樹祭が岐阜県で開催されたときにできた「あすはちゃん」。また、右側の大きなキャラクターは、私も初めて見たのですが「どんぐりくん」とのことです。どんぐりくんの顔の下に「緑の募金」と書かれているので、みどりの祭りのキャラではないようですが、このゆるキャラぶり、ブレイクの予感!?
3年生 演習林の林道整備(総合実習)
5月9日(木) ・ 5月13日(月) 
 
 今年度も、演習林実習の季節がやってまいりました。右写真は、郡上高校の演習林入り口。道の向こうに白い車が停車しているところがちょうど入り口になります。
 1年生は入学すると、演習林全体を歩くオリエンテーションを行います。それを実施する前に、3年生が林道の砂利を取り除くなどの安全確保を行います。 簡易の林道なので、風雪によって山肌から砂利が崩れたり、倒木で道が塞がってしまったりすることもあります。私たちの作業で復旧できることなら良いのですが、ときには、大規模な土砂崩れが起きていることもあります。そんな場合は、地元のプロの方々にお願いして復旧することになります。この林道を造ってから数年の間は、よく崩れて通行止めになりましたが、最近は土砂が安定したのか、こういった作業で道がきれいになります。 今回の3年生は、5月9日と13日の2回に分けて演習林の林道整備を行いました。
 これで、1年生の演習林実習も安全に実施できることでしょう。演習林実習は通常、各学年とも1年間に2〜3回計画されています。とはいうものの、悪天候で中止になることもあります。今年の演習林実習が、好天に恵まれて実施できることを願うばかりです。 
1年生 トウモロコシ定植(農業と環境)
5月7日(火) 
  4月16日に播種したトウモロコシが、こんなに立派な苗になりました。
 4月23日に授業で製作したうね(畝)に、計画的に苗を配置して定植をしました。写真では、よく見えないかもしれませんが、生徒の左手には、ゴールデンウィーク中に製作した「マルチ穴開け器」を手にしています。 ペットボトルを2つに切断し、その切り口を「のこ歯」のように加工すれば簡易穿孔機のできあがりです。まずは、うね(畝)の上にバランス良く苗を配置して、順番に定植をしていきます。森林科学科では、圃場に水田が無いため、イネ科植物の作物の生態を学ぶために、トウモロコシを栽培しています。数年前には、ここで栽培したトウモロコシが、山から下りてきたイノシシに、全て食べられてしまったことがあります。現在では、イノシシ避けのフェンスがあるので、被害は無くなったのですが、それでも心配です。イノシシだけで無く、昨年度は台風や、爆弾低気圧にも悩まされました。
 強い風が吹き、根元から倒れてしまうことがありました。写真のようにマルチを張ると、トウモロコシの地下温度が上昇し、根茎の成長が良くなり、雑草も防げます。ただ、唯一の欠点は、風が吹きそうなときに土寄せをして、根元の強度を強くすることができない点でしょうか。それにしても、収穫の秋まで何事も無く豊作になることを願っています。
3年生 自然薯の定植(グリーンライフ)
5月2日(木)
   「グリーンライフ」という言葉が聞き慣れないかもしれません。この科目は、山村活性化のためにグリーンツーリズムという、山村の文化や資源を利用した広報活動・営利活動を学びます。
 郡上高校では、本来、森林の中で自生する自然薯を、畑で栽培する試みを行っています。今年度、栽培する苗(種芋)の本数は300本で、上手く育てば、冬に行われる「実習生産物販売会」にて販売します。今年度も、栽培技術のアドバイザーとして、おくみの自然薯組合長の田村さんにご指導頂いています。 栽培の方法は、毎年、少しずつ変化しています。昔は、クレバーパイプという塩化ビニール製のパイプを加工したものを使っていましたが、現在は、屋根などに利用される「波トタン」を使った栽培になりました。波トタンの隙間に赤土を入れて、山林の環境を再現することで、自然薯の栽培が可能になったのです。 昨年度の自然薯栽培研究では、1つのうね(畝)に1列の自然薯を定植するのでは無く、写真のように2列植えをしました。利点としては、単位面積あたりの栽培本数が増えることなのです。だだ問題は、伸びてきたつる(地上部の茎や葉)が密集してしまうため、 苗1本あたりの光合成量が減ってしまうことです。昨年度の研究では、1列植えと2列植えに大きな差が無かったとはいえ、やはり心配になります。
自然薯の苗(種芋)を並び終えたら、うね(畝)の上に土をかけます。1年間をとおして、雨や風によって土が流れてしまうので、少々多めに覆土します。この作業を手作業で行っていると膨大な労力が必要になることと、日が暮れてしまうので、耕耘機を使いました。日頃、手作業で耕耘をしてみると、機械のありがたさがしみじみ感じるときです。 最後に平鍬で、うね(畝)の形を整えれば、本日の作業は終了。 
 この次の仕事は、うね(畝)の両側に肥料を播くこと、種芋の先から目が出始めたときに、うね(畝)の全体にマルチを被せること、つるが伸び始めたときに、つるを這わせるネットを張るなどが続きます。ここから先の管理は、3年生の課題研究で自然薯栽培を専攻している生徒が中心となって管理を行っていきます。
測量部 キャンプの練習(部活動)
4月27日(土) から 28日(日)
   今回の話題は、「測量部」です。測量部は、郡上高校の文化系の部活動の一つで、学科・男女を問わず誰でも入部することができる部です。しかし、農業クラブの「平板測量競技」会に出場することが活動目標の一つであるため、これまでも他の科の人が入ることはほとんどなく、現在の部員も森林科学科の生徒のみです。そこで、森林科学科のHPにて活動の一部を紹介させて頂きます。この測量部は、1年生の新入部員4名を新たに迎え、総勢8名で今年度の活動を開始したところです。4月27日から28日にかけて初の合宿を行いました。写真は、上級生が丁寧に下級生を指導しているところです。一日目のメニューは平板測量競技の練習です。学校のグランドは運動部が使うため、八幡町五町にある市のグランドを借りて練習を行いました。そして、その後、合宿の練習もしました。
  学校での合宿なので、宿泊施設があるわけではないので、森林科学科から借用したテントを校内に設営して宿泊しました。測量部は、自然探求を新たな活動として行っていこうと考えているため、これはキャンプの練習の一環なのです。 
 キャンプといえば、たき火で飯盒炊さん! ということで、自分たちでメニューを考え、材料の買い出しに行き、グランドの隅に即席のかまどを作って、薪のたき火で夕食と朝食を作りました。飯盒でご飯を炊きましたが、焦がすことなくおいしく炊けました。
  寒い夜を、何とか寝袋でのりきり、2日目には朝五時半から八時まで、学校のグランドで平板測量の練習を行いました。爽やかな空気と朝日を浴びながらの早朝練習は新鮮で、集中して取り組むことができました。
 今回の合宿の最終プログラムが、郡上市役所南側にそびえる東殿山(とうどやま)の登山です。郡上高校に居れば、眺めないことがないくらい身近な山ですが、登ったことがある人は、なぜか、まわりにはほとんど居ません。測量部の自然探求活動の一環として、そんな山に登ってみました。
 東殿山の上部は国有林です。ヒノキやコウヤマキの大木が林立する森林で、長く大切に保護されており、一見の価値ありです。
 また、展望はほとんどきかないのですが、時々大木の枝の間から、別山や白山の真っ白な姿が見えたり、堀越峠への道や八幡城を上から見下ろしたりできるところがあり、驚きがありました。急な山であることはいつも眺めていて分かっていましたが、その登山道は、はしごあり、鎖場あり、ロープありの急なところが何カ所もあって、予想以上に険しい道でした。 
 東殿山から下山し、愛宕公園の駐車場から今登ってきた山を指さしているところです。これで、今回の合宿は終了です。たった2日間でしたが、充実した合宿となりました。 
1年生 トウモロコシ畑のうね(畝)立て(農業と環境)
4月23日(火) 
 トウモロコシの播種が終わり、苗ができる前に畑の準備をしました。右写真の石垣の向こう側に見えるのがトウモロコシを栽培する畑(圃場)です。この実習では、トウモロコシ苗を植える畑に、うね(畝)をつくり、
 @排水機能を上げる。
 A地下温度を上げ地下の成長を促す。
 B雑草の防除。
@からBの目的ためにマルチをかけることもしました。決められた区画を、指定された高さに平鍬を使って整えます。1年生の中には、この実習は「本格的に鍬(くわ)を使うのは初めて」という生徒もいます。無我夢中で鍬を振るので、となりの作業者に当たりそうで危なっかしいところもありました。 なかなか腰の入らない鍬さばきも、学年が進むと同時に、次第に上手になっていこくとでしょう。
  うね(畝)が出来上がったら、協力してマルチを被せます。このマルチ、生分解性マルチといって、将来は土に帰るもの。普通のビニールマルチは腐らないので、秋の収穫後に取り除いておかないといけません。ところが、このマルチは栽培終了時に、土と一緒に耕耘してしまえば分解されてしまうという優れものです。これなら環境にも優しいですね。この作業が終われば、いよいよトウモロコシの定植です。   
3年生 春の味覚〜山菜の天ぷら(グリーンライフ)
4月18日(木)
 毎年、新緑のシーズンになると、学校の裏山に生える山菜を収穫する実習を行います。
 家族に連れてってもらって山菜を収穫することはあっても、なかなか自分で調べながら収穫することはありません。右写真の左側に生える樹木も、山菜のひとつである「リョウブ」の木。樹木が枯れない程度に新芽を摘みます。その他に、郡上周辺で好まれている「コシアブラ」を大量に収穫しました。ここら辺りでは「コンテツ」や「コンゼツ」という名前で、朝市などに並んでいます。 このコシアブラの新芽は、タラの芽とよく似た形状・味なのですが、以外にも他地区では食べないところもあるようです。比較的に山菜の香りが強く、山菜が好きな「通」好みの味です。他にも、スミレやヨモギ、ニリンソウなどの山菜を収穫しました。
 高校生には、やはり山菜のアク(独特の香り)は苦手なようです。ということで、その香りを消すために「塩コショウ」をふりかけて食べるのが人気でした。この味覚を素直に美味しいと感じられるには、もう少し人生勉強が必要なようです。この記事をご覧になっている皆様は、山菜を収穫される際には、毒山菜と間違えることがありますので「分からないなら採らない」を守りましょう。ぜひ、山菜名人と一緒に、山菜収穫をされると良いでしょう。
1年生 トウモロコシ播種(農業と環境)
4月16日(火)
   森林科学科に入学したばかりの1年生が、初めての実習を行いました。春から栽培をはじめるトウモロコシの播種。四角いプラスチックの箱(舟)の中に培養土と肥料を入れてよくかきまぜる。苗を育てるビニールポット8分目くらいまで培養土を入れます。ピカピカの実習服と帽子が、なんだか初々しさを感じます。 
 培養土を入れたポットを、専用のトレイに入れて並べ、今度はトウモロコシの種をポットの中心に起きます。トウモロコシの種には上下があり、胚の部分を上にします。今回は授業なので、胚を上にした播種の場合と下にして播種した場合の2つの試験区を設定して、発芽率を比較することにしました。 播種し終わったポットの入ったトレーをビニールハウスの中に並べなす。
 何の試験区なのかや、誰が播種したものかなどをラベルに記入しておきます。通常であれば、播種してから2週間ほどで定植ができる苗に成長します。この作業を行ってからは、夏の収穫まで、この植物は成長を続けます。まるで、この新入生のように!
春の便り?(ニホンカモシカ)
3月27日
学校の北側にある山林に、悠然と姿を現したニホンカモシカ。哺乳綱ウシ目(偶蹄目)ウシ科カモシカ属に分類される偶蹄類。
単にカモシカとも呼ばれます。写真の中央に背中が写っているのですが、わかりますか?
 野生動物というと、人目をはばかって夜中に行動したり、人の気配を感じると、走って逃げたり、そんなイメージがありますがこの日は違いました。
近くを部活動の生徒がランニングしていても、とくに驚く様子もなく歩いていました。 
 一見、明るい色をした牛のような、かわらしいこのカモシカは1934年に国の天然記念物に指定されました。ところが岐阜県では1973年から駆除が始められたのです。カモシカは林業の世界では害獣とされており、春に植えた樹木の新芽や樹皮を食害し、林木の生育を妨げます。この「害獣」という考え方には、いかにも人間主体の考え方だと賛否があります。カモシカも、悪意で人間の財産を傷つけているわけでなく生きるためなのですから。これからは「共生」という手段を考える時代になりそうです。  
郡上高校校庭の桜
4月4日
  さて、左の写真は「ヒメオドリコソウ(姫踊り子草、学名Lamium purpureum)」という野草でシソ科の多年草です。これはヨーロッパから来た外来種なのですが、日本には「オドリコソウ」というもう少し大きくなる野草もあります。このオドリコソウは、春の七草の「ホトケノザ」と近縁ということで、図鑑などで見ると花の形がよく似ています。
 雪が解けて緑が生い茂る前に、この野草が一面に広がります。花の形を見ると、和服を着て笠を被った踊り子が正面で手を合わせているようにも見えます。ヨーロッパでも、この花を見て踊り子を連想していることでしょう。
 さて、中央写真は郡上高校生でも一部の生徒しか知らない、隠れた名所。
 森林科学科棟の北側、食品流通科棟の西側に、民間の土地なんですが綺麗な枝垂れ桜があります。郡上高校の校庭に植えられているソメイヨシノよりも1週間ほど早く満開を迎えます。入学式や始業式で学校にお立ち寄りの際には、是非、ご覧になって下さい。
 とても気持ちの良い春の朝。空の青も透きとおっています。
 来週の8日月曜日には、入学式を迎えます。新たな森林科学科の入学生と出会う日。とても楽しみです。
 校庭の桜も、そんな日に合わせて見頃を迎えようとしています。今は5〜8部咲き…といったところでしょうか。今日も暖かくなるようですから、きっと月曜日には、綺麗に揃い咲きとなるでしょう。

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