岐阜県立郡上高等学校 トップ森林科学科>最近のできごと
森林科学科の取り組みを紹介

平成23年度の記録はこちら
平成22年度の記録はこちら

 平成24年度
     
2年生 椎茸生産農家での研修(課題研究:椎茸栽培専攻)
2月16日  2年生の課題研究椎茸専攻班3名は、郡上市明宝畑佐にある(有)アグリサービス郡上を訪問しました。
 写真の左側で説明される方が、代表取締役の岩田英男さん。郡上高校の原木椎茸栽培がこれまで順調にできたのも、この岩田さんのお陰と言っても良いでしょう。今年も、2年生の専攻メンバーが、椎茸生産農家のプロの栽培技術方法を、そして、いつか郡上高校の椎茸栽培も、プロの技に近づけるように学びます。
 アグリサービス郡上では、郡上高校と違い原木同士を組みません。少しでも原木表面の空間を広げられれば、より良質の椎茸が収穫できるそうです。
 本校の原木は、椎茸の発生時は井桁に組んでいるので、原木同士が接触し合う部分が生じます。シイタケは生理的に、刺激を受けたところから子実体が発生しやすくなるので、井桁に組んだ場所から、2本の原木に押しつぶされたようなシイタケができてしまうのです。左写真の原木を傾けて並べる施設は、全て手作りなのだそうです。
 整然と並ぶ原木のハウス内は、まさにプロの技。圧巻です。
 最後に見せてもらったのが、収穫後の調整室。
 近年は、菌床椎茸の普及や中国産の安価なシイタケに押されているのですが、アグリサービス郡上で生産される、昔ながらの原木栽培で生産した椎茸を求める消費者の声があり、とくに首都圏では、高級食材として流通しているのだそうです。
 先日行われた「課題研究発表会」においても、岩田さんより「商品を継続して販売することが大切」とのお言葉を頂いたのですが、この現場に伺うと、その言葉の重みを、改めて感じることが来ます。
2年生 口明方小学校での活動(課題研究:NC専攻)
2月15日
↑岐阜新聞画像のクリックで拡大できます↑
 課題研究で製作してきた口明方小学校用のプレートが完成し、完成品をお渡ししようとしたところ、口明方小学校では全校挙げての集会を行って頂けました。
 左の新聞記事は、そのときの模様について掲載して頂けましたので、ぜひ、図をクリックしてご覧ください。(中日新聞はこちら)
 昨年の春(このページの5月7日の記事を参照)に、現在の3年生が、口明方小学校から「見やすい教室名掲示ができないか」という依頼を受けて、その取り組みを現在の2年生が活動を引き継いで、夏休み以降の授業時間を使いながら製作をしてきました。 
 左の写真は、教室入り口に掲示するために金属のフックを取り付け、それに引っかけているところです。
 ここで使用されている木材は、南洋材の「ゴム」の集成材。郡上で生育するスギやヒノキの使用も考えましたが、耐久性や掲示時の文字の見やすさなどを考えて決めました。
 デザインはコンピューターを使って設計し、そのデータを利用して、NCルーター(数値制御工作機)で木材を切削し、それに塗装や磨きなどを施して仕上げました。  
 今回作成したのは、合計で6枚。
 2年生のNC専攻では、この掲示物の作成をしながらNCルーターの使い方を学んできました。これまで学習してきた成果をこうして、口明方小学校で活用してくれることになり、とても嬉しく思っています。
 今年度のNC専攻班では、これまで先輩方が積み上げてきたNCの操作技術を使って、地域貢献する取り組みを展開しています。今回は、その活動の第1弾。次は、郡上市役所の庁舎内に掲示するものを研究中です。
 上手に出来上がったら、また、このホームページで紹介させて頂きます。
2年生 椎茸原木への菌打ち(総合実習)
2月15日  昨年度は、椎茸原木栽培の生産量調整のために実施しなかった原木への菌打ち。4年前までは年間に800本の原木を購入し、栽培管理を行ってきました。ところが、森林科学科で管理している椎茸ハウスから原木が溢れだし、原木の搬入が一時不能に。昨年度頑張ってきたハウス内の整理整頓が完了し、ようやく原木の搬入が出来るようになりました。
 宮城県沖地震の後の福島第一原発爆発によって、本校が購入していた福島県産の原木が購入できなくなりました。今年は、岐阜県産のナラ・クヌギを200本購入し、菌打ち実習を実施しました。
 これが、椎茸の種菌。一般には「シイタケ」と呼ばれるものは「真菌類」という菌の仲間。木材の主成分のセルロースやヘミセルロースを分解し吸収しながら成長するので、外見からは木材が腐っていくので「木材腐朽菌」とも呼ばれます。シイタケは、その菌の花のようなもの。写真の菌は「115」という菌の名称。冬の低温期間を超えて10℃くらいになると、花にあたる「子実体」という菌の傘が開くようになります。冬の間にシイタケが発生するようになるので「冬菌」 の仲間になります。オガクズに115菌を蔓延させたものに発泡スチロールが張り付いています。これを「種駒」と言います。
 シイタケの原木は、長さがおよそ1m、直径15cm程度。その原木に7個6列で、およそ40個のドリル穴を空けておきます。
 上写真の種駒をドリルで空けた穴に差し込み、発泡スチロールでフタをします。発泡スチロールは、雑菌によってシイタケ菌が侵されることがないようにしています。
 菌を穴に埋める(植菌)とすると、台になっているクヌギの木がシイタケ菌に浸食されていきます。
 来年冬までの1年間で、およそ1メートルの原木にシイタケ菌は蔓延し、1年後にはシイタケが発生するようになるのです。 
郡上高校課題研究発表会(郡上市総合文化センター)
2月14日  平成24年度の課題研究発表会が郡上八幡文化センターにおいて開催されました。
 研究会開催に際して、野島岐阜県議会議員様(左写真)をはじめ40名を超えるご来賓と、生徒保護者10名、一般参加者から28名を迎え、盛大に開催されました。
 昨年度までは、郡上高校校内においてご来賓の方をお招きして実施しておりましたが、今年度より、地域からより広く一般の方々にお集まり頂けるよう、郡上市総合文化センターに会場を移して開催することになりました。
  最初の発表は、今年度の農業クラブ意見発表会において、県大会と東海大会で最優秀賞を受賞して、長野県の全国大会出場した、3年生の清水一馬君による『郡上版「土佐自伐林業方式」をめざして』の発表を披露。7分間のスピーチを完全に暗記して感情豊かに発表を行いました。
 清水君の発表に対して、林業関係者や一般の方から「低迷する林業を再生するための希望になった。私たちも頑張りたい。」など、励ましのコメントを頂きました。
 課題研究活動からの発表は、時間の都合上、森林科学科と食品流通科それぞれ2チームの発表を行いました。森林科学科からは、椎茸の原木栽培技術を継承する研究と、自然薯栽培技術の改善に取り組む研究(左写真)の2作品が選ばれて発表しました。
 地元の栽培農家の方や関連業者の方などから「高校生が一生懸命取り組んでいる姿に感動しました。我々も頑張りたい。」などのコメントを頂けました。来年度も、今年以上にこの会が盛り上がることを願います。
  岐阜県森林・林業関係合同発表会(課題研究:野生動物専攻)
2月8日  この「岐阜県森林・林業関係合同発表会」は、例年行われている「林業普及活動実績発表大会」及び「森林研究所研究・成果発表会」において、岐阜県の農業高校で森林や林業に取り組む研究を発表させて頂く機会を頂き、郡上高校と飛騨高山高校が実践事例を発表させて頂きました。会場は、関市の「わかくさ・プラザ」多目的ホール。
 郡上高校から「Project Wild Animals in Gujo」と題して、郡上市の野生動物生息状況について調査研究を行ってきた実績を発表させて頂きました。  
 郡上高校の発表「Project Wild Animals in Gujo」は、自然豊かな郡上市に棲息する野生鳥獣の実態について、郡上高校近辺の山林に「センサーカメラ」 を設置しました。
 左写真のカメラは、24時間、カメラの前を移動する動物などを記録できます。また、夜中も赤外線撮影を行うため、暗闇での撮影も可能です。
 課題研究活動では、そのカメラで撮影された画像データを整理し、動物の種類や出現時間、出現回数などをまとめたものです。
 野生動物の実態を探る取り組みとして、センサーカメラの導入(カメラセンサス)が、画期的なアイデアでした。
 その記録の中に、郡上市では出現が確認されていなかった外来種の「アライグマ」を撮影し、関係の方より「近年の正式な出現記録としては初めてのこと。郡上の生態が変化していることを裏付けるもの」と評価を頂いてきました。
 また、今回の合同発表会で発表させて頂き、集まって頂いた方より「プレゼンテーションが上手」や「とてもわかりやすい発表」など励ましの言葉を頂けました。
森林科学科プロジェクト(課題研究)発表会(2〜5限)
1月23日  おおよそ1年半の間、科目「課題研究」と「総合実習」の一部を利用して行ってきたプロジェクト(課題研究)活動。近年は、どの専攻も発表のレベルが上がり、発表者は、長い時間をかけて頑張ってきた研究内容を、いかにわかりやすく聞き手に伝えられるか。また、聴衆も、事前に配布された発表要旨とプレゼンテーションとで、発表内容がしっかりと理解できるか。そんな緊張感漂う発表が、今年度も会議室で繰り広げられました。 
 写真は、発表会に先立ち、農業クラブの正式行事として石田克学校長より激励の挨拶を頂きました。
 平成25年度(来年度)の農業クラブ、プロジェクト発表会より大会の基準が一部変更されます。これまでは、コンピューター2台とプロジェクター2台を使用していました。それが、来年度の大会より左写真のとおり1画面になります。単純に、プレゼンテーションのスペースが半分になったために、どの専攻も時間超過気味の発表となりました。また、1画面の中に発表したい全ての情報が入りきらないため、スライド枚数が増えてしまったり、スライド中の文字が小さくなってしまったりと、どの専攻も苦労をしました。 
 2年生は、10月頃から専攻活動が開始されているので、このプロジェクト発表会の機会を捉えて、先輩に質問をしようと意気込んできたようです。質問する生徒が多すぎて、後の発表では、質問者の人数制限を行ったほどです。1年生も、高校に入学して、おおよそ1年が経過したとはいえ、難解な発表を懸命に聞いていました。
 プロジェクト学習法とは、PDCAサイクルを基本とした課題の発見と解決を目指すもの。この学習を通して、3年生は卒業後も、社会人として、または、学生として、これまでの取組が未来・人生を力強く切り開いていくことでしょう。
2年生 新ウッドデッキ完成(課題研究:森の健康診断専攻)
1月18日  今年の春。3年生の森の健康診断専攻者が演習林内で間伐を行っているとき、倒した木が、ウッドデッキに直撃。せっかく先輩が作った憩いの場が壊れてしまいました(このページの5月10日記事をご覧ください)。
 そこで、まだ課題研究活動を始めたばかりの2年生が、この現場で、新たなウッドデッキ作りに着手し、なんと、1日で写真のデッキを完成させました!
 ウッドデッキの上面は、ほぼ水平なので、それを支える柱の長さを見ると、いかにこの斜面が急峻なのかが分かります。 
 これは、上の写真のウッドデッキを、山の上から眺めたものです。
 現在の2年生のうち、森の健康診断を専攻する生徒は6名。 その6人が横並びになっても窮屈さを感じない広々としたウッドデッキに仕上がりました。
 周辺に白く見えるのは・・・そう雪です。
 今年度は、12月にまとまった雪が降ったものの、例年に比べて積雪量が少なく感じます。こうして、この時期に演習林に来られるのも雪が少ないおかげです。
 郡上高校の演習林はおよそ24ヘクタールあります。写真の現場は、森の健康診断班が近年、管理をしている現場です。演習林の北西の位置にあるスギ人工林です。
 真っ直ぐに伸びた幹。一見すると良い木にも見えますが、これらの木の殆どは、樹高に対して幹の太さが無い細い樹木になっています。このひょろ長い木は、風雪災害に弱く、また樹木の価値も低いため、樹木を太らせる必要があります。
 この木を太らせるには、樹木同士の間隔を広げて、木々の枝葉を広く茂らせることで、光合成する量が増え、幹が太くなります。
 樹木同士の間隔を広げるには、やはり、混み合って生えている木を間引いてあげるしかありません。アカマツや広葉樹を除き、大きな木(形質の良い木)を優先しながら樹木を切ることで、写真のように空が見えるまで明るくなります。上の写真から左の写真になるまで、おおよそ3分の2の樹木を切り倒しました。もちろん、どれだけ切れば良いかも計算済みです。明るくなって見えている空も、これから10年も経てば、周りの木が枝葉を広げて見えなくなります。
 良い人工林にするには、定期的に樹木を間引く、いわゆる「間伐」を実施してあげなければなりません。
  校庭の桜3本を伐採
12月28日  郡上高校第1本館前の樹木が、老木となり枯れて倒れたり、落枝の危険もあるため、活力の弱まっている桜3本と、イチョウ1本を伐採しました。
 聞くところによると、この桜の木は、大正11年4月8日に郡上農林学校第1回入学式のころから、ここに植えられていた桜。計算すると90年以上も、ここで郡上高校を桜花で彩ってきたものです。実は、私(筆者)も、この桜の木を眺めて3年間を過ごしました。この桜の木は、いったい何人の郡上高校生を見守り続けていたのでしょうか。
 今回、伐採された桜は3本ですが、今年から4年間の計画で、桜の木を更新(新しい桜に植え替える)していく計画です。
 業者の方がチェンソーで作業している右側に、新しい桜の木が植えられています。ここからまた、新しい景色が始まるのです。
 さて、この作業。森林科学科が伐採することもできますが、広葉樹の大木は大変硬く、また重たいため、専門の業者に委託。
 プロですら、木材の堅さと、根本付近の樹皮に巻き込まれた砂利でチェンソーの刃が傷み、作業が難航している様子でした。 
 伐採された木は、トラックに積載されて運ばれます。
 さて、この木材はどうなるのでしょうか。
 一般に、幹の部分を縦挽きにして、中身が詰まっているようなら、机の天板など「銘木品」として販売されます。しかし、こういった老木は、木材の中心(木の芯)部分あたりの材(心材)が腐って、穴が空いていることが多く、その場合は細かく切断され、薪として利用されます。また、桜の木は、燻製用の良い香りがする木材としても知られており、細かいチップにして販売したり、木材繊維を固めて作る「スモークウッド」などに加工されるのです。
  1年生 照葉樹林観察(金華山実習)
12月4日
(前半)



12月12日
(後半)
 郡上から、はるばる足を伸ばして岐阜市の金華山にやって来ました。
 郡上市は、その土地の北部が落葉広葉樹林帯、南部が照葉樹林帯となり、境界に位置するため植生の幅が広いのが特徴です。岐阜市の金華山は、戦国・安土桃山・江戸・明治と、濃尾平野の要として守られた土地であり、現在も国有林として保護されています。そこには、市街地の近郊でありながら、戦争による焼失も無く歴史のある山林が残っています。 郡上市では見ることができない照葉樹林を、この機会に観察をするのです。
  12月4日に、やって来たのが1年生前半。写真は、金華山国有林の入り口。正面の大木は、金華山の植生として代表されるツブラジイ。樹高は25mといったところ。7〜8mmの黒っぽい、まん丸のドングリを付けることから「円ら」なのでしょうか。また、このドングリ、多くのドングリはアクが強く、そのまま食べることは出来ないのですが、このツブラジイは、ドングリを割って、そのまま食べても、そんなに悪い味ではありません。昔は「椎の実」として、おやつ代わりに食されていたとか。食べてみましたが、美味・・・とは言えないですが、甘みの少ない栗のような感覚でしょうか。
 金華山入り口で、ツブラジイの大木を見てから、今度は尾根伝いに登山します。尾根に上がると、岩盤が露出し始めて土壌の層が薄くなります。そんな場所では、養分や水分が少なくなるため、山に生える木も、その大きさも変わってきます。写真の右側に見える山をよく見ると、枝の陰の遠くに、岐阜城が見えてきました。生徒たちが座っている岩場の反対方向は、名古屋方面の平野が一望でき、遠くに名古屋駅前のビルがよく見える、絶景ポイントです。運が良いとハヤブサが飛来することもあります。
 金華山の山頂には、岐阜城。せっかくなので、お城にも登ってみました。
 歴代の殿様が、この城を抑えたい気持ちがよく分かります。なにせ、伊勢湾までが一望できるのですから。この日は、先週末に降った雪が、住宅地を白く際立たせていたため、遠くの景色まで綺麗に見られました。そんな絶景の前で、展望台では、ついつい興奮してしまいます。
 2年生の夏に行われる白山実習では、落葉広葉樹林のブナ林が観察できるので、そのときまで、本日の後継を覚えていて欲しいものです。 
1年生 林業関連施設等見学会 in 中津川  
12月11日  岐阜県には、林業界のブランド「東濃ヒノキ」の生産地があります。それが、ここ中津川市周辺のヒノキ。ここでは、ブランド力を維持するために、木材の生産から加工、販売までを徹底管理されているのが、ここ中津川市加子母にある林業関連施設。写真は、丸太の卸売市場。ここに集まるのが、周辺で伐採されたヒノキ。放置された人工林で伐採されるヒノキは、枯れ枝の跡があり品質が落ちるのですが、ここの木材は、きれいな材ばかり。山の仕事が行き届いているのが、よく分かります。  
 丸太を、住宅用の木材に加工するのが、のプレカット工場。丸太を角材に加工した後で、住宅建築時に必要になる接合部の穴加工や、ほぞ加工などを機械的に行います。
 昔、大工さんがノミを使って加工した穴も、今は写真のプレカット工場という、大きな加工工場において、ほぼ全自動で加工されていきます。写真右の拡声器を手に取っておられる方が、(株)中島工務店社長の中島さん。毎年、郡上高校の1年生のために、熱心に説明して頂けます。 
 この見学会の最後は、東濃ヒノキで建てられたモデルハウスを見学します。
 家に入ったときの、新鮮なヒノキの香りや、畳のイグサの香りは、本当に心地よいものです。モデルハウスの中に入った生徒は、自由気ままに「俺、この部屋がいい」とか言いながら、将来、自分が建てる家を夢見るのでしょうか。とての楽しいひとときでした。
 中島さんは、東濃ヒノキブランドを守るだけで無く、木材の生産から、その利用までを一貫して管理することで、中津川市加子母の雇用を確保し、地域の活力も守っています。その社長さんの意気込みと体力には、毎年ながら脱帽。本当にありがとうございました。  
実習生産物販売会(森林科学科&食品流通科)  
12月8日   今年も、実習生産物販売会の日を迎えました。森林科学科の栽培や加工などで、販売会に関わったところを紹介します。
 まずは椎茸販売。
 椎茸の売れ筋は、やはり生椎茸。いちばん早く売り切れます。干し椎茸は、椎茸をそのまま乾燥させたものと、生椎茸をスライスして乾燥させたものがあります。
 売上総量パック90個、干し椎茸の通常が135袋、スライスが57袋で、総額114,000円の売上となりました。  
 つぎに、自然薯。
 自然薯の売れ筋は、1kg前後の高額商品。「大きい自然薯は無いのか」という問い合わせが多数でした。ということで、自然薯の1本物は、大きい物から売れていきます。意外に高評だったのが、パック詰め商品。500〜550g入りで1,000円と単価的にも、1本物に比べてお得なのと、1,000円という切りの良さが人気。パックもすぐに売り切れました。
 売上総量は、1本物が75kgで180,000円、パックが60個で60,000円となり、自然薯売上は総額240,000円となりました。 
 こちらは、芋栽培班の販売所。
 いろいろな種類を栽培してきましたが、ここに並んだのは、里芋の「石川早生」と、サツマイモの「パープルスイートロード」、ジャガイモの「アンデス赤」・「デジマ」・「ころいも」でした。
 売上は、里芋が780円、サツマイモが2,000円、ジャガイモが960円と総額3,740円となりました。売上自体は少ないのですが、こうして1年間の栽培の成果を、販売会で披露し買って頂けるところまで出来たことは、大きな成果だと思います。 
 食べ物ではありませんが、こちらは表札の販売場所。
 森林科学科の表札は、ケヤキの木を使っています。セールスポイントは、表札に削る文字の形が、10パターンの中から選択できること。郡上には大きな住宅が多いためか、売れ筋は「表札(L)」でした。生鮮食品と違って、行列が出来ることはありませんが、今年度も、いくつかの表札が売れました。
 販売総額としては、表札(L)が3個、表札(M)が2個の総額19,000円となりました。
 
 今年度、新登場の販売物が、写真のスギ間伐材丸太ベンチ。
 演習林の中で研究している「森の健康診断」で間伐されたスギの丸太を、背中に担いで下山しベンチを作成しました。人力で山から運んできたため、製材できたのは写真の5脚。しかし、その労力は計り知れません。大きさによって価格が違うため、1,700円から2,200円のものまであり、売上総額は9,900円となりました。初めて、演習林の間伐材で収入を上げることが出来ました。
 お買い上げ頂いた皆様、本当にありがとうございました! 
3年生 自然薯の収穫(グリーンライフ)  
12月3日  4月25日に定植した自然薯も、ようやく収穫時期を迎えました。
 写真左は、おくみの自然薯生産組合の田村育也さん。生産組合の組合長をされています。この日の収穫について、技術指導に来て頂きました。 
 田村さんに、自然薯が育っている畝の掘り方や注意点について説明してもらいました。森林科学科が栽培する農場生産物の中で、一番高価な自然薯。説明を聞く生徒も真剣そのものです。
  いよいよ、畝を掘り起こします。
 畝の両脇から掘り進むのですが、もしかしたら、鍬で自然薯を傷つけてしまうかもしれないので、手で土を崩しながら、自然薯の場所を慎重に探ります。
 今年の自然薯はとても出来が良くて、定植した苗の殆どが、写真のように立派に育っていました。
 写真の自然薯で、重さは1kg足らずといったところでしょうか、金額にして1800円程度で販売されることでしょう。そう考えると、煩雑に扱うことは出来ません。自然薯を持ち上げると、途中で折れてしまいそうで、とても心配になります。
 この自然薯は、12月8日の「実習生産物販売会」で即売されます。 
3年生 森の健康診断:間伐(演習林実習)  
11月29日   10月に行った「森の健康診断」で、自分たちが作成したコドラート(10m×10mの試験区)。前回の演習林実習では、調査したコドラートの樹木が過密であり、何本切れば適正な密度になるのか、また、どの木を伐採するのかを調査して決めてきました。
 今回の実習は、そのコドラート(試験区)の伐採です。
 今年度の3年生は、2年生の演習林実習で雨天が多く、演習林での伐採実習ができなかったため、3年生は、今回が初めての伐採実習になります。 
 先日の2年生と同様に、まずはチェンソーの使用方法について、話を聞きます。写真は、チェンソーを構える場合に、チェンソーのハンドルをどのように持ったら良いのかを説明しているところです。
 チェンソーで伐採するときの怖い事故は、動いているチェンが人体に触れて怪我をすること、自分や他人が、切断して倒れる木の下敷きになってしまう事故が考えられます。
 そんな事故を防ぐためには、しっかと危険予測をして動けることと、怪我をしないための安全措置をとることです。これは、社会に出て、どんな現場でも通じる、大切な学習内容といえます。 
1・2年生 卒業生と語る会(森林科学科)   
 11月16日   これまでは、会議室で行ってきた卒業生と語る会も、今年度は総合学科棟のゼミナール室で行いました。
 講師には、地元企業と名古屋市の企業から社会人を2名と、岐阜県立森林文化アカデミー、名城大学、金沢工業大学から、それぞれ学生を1名ずつ、合計5名の講師を招きました。
 高校1・2年生は、就職と進学とのどちらを選ぶべきか悩みます。最近、郡上高校の森林科学科を卒業して社会に出た先輩から、現在の立場で語ってもらいます。
 この日の5限目から始まった語る会も、6限には、就職・専門学校・工業系大学・農学部系大学の4会場に分かれ、全体会では聞きづらかったことや、聞き逃したことなどを質問します。
 生徒の感想を見て、みんなが感じ取っていたことは「就職でも進学でも、それぞれの道で懸命に頑張れば、しっかりとした道が見えてくる」こと、そして「それぞれ、どちらが良いと行ったわけでは無い」ことなど、理解したようです。1年生には少々難しい話しだったかもしれませんが、2年生にとって、進路決定に残された1年という時間に対して、参考になったとと思います。  
2年生 樹木の伐採(演習林実習)  
11月2日
(前半)



11月9日
(後半)
 この日の演習林は、チェンソーを使った樹木の伐採について学習をしました。
 伐採の目的は「間伐」。近年問題になっている、放置された針葉樹の人工林は、樹木密度が高くなっています。授業では、間伐について学んできたのですが、この実習を始める前に、その間伐目的について確認します。
 そして、チェンソーを使用するときの方法や注意点などを確認して、実習に入ります。 
 間伐を行う場合、樹木は混み合って生えていることが多く、計画どおりに樹木が倒れないことがあります。その恐れがある場合は、写真のように倒したい木にロープを懸けておきます。もしも、近くの木に引っかかってしまった場合は、ロープを引っ張って、倒すのです。このロープの結び方も、固く結んでしまったら、倒した後の仕事に入る手間が増えてしまうし、弱ければ解けてしまいます。
 こういったときに「ロープワーク」が重要な知識になるのです。 
 伐採には、倒したい樹木の根本付近に、倒したい方向を考えながら、それを実現するための切り口になる、受口と追口を作ります。
でも、その作成が結構難しい。
 写真中央の樹木に、チェンソーが食い込んでいます。受口が切り終わり、追口を切り込む最中なのですが、樹木の手前側と向こう側とが均等に切り進めなければなりません。そうはいっても、なかなか上手くいきません。練習をするときは、定期的にチェンソーを止めて、切れ具合を確認して、少しずつ切り進みます。こうして、慎重に切り進められれば、素人でも、目的の方向に樹木を倒すことが出来るのです。 
農業クラブ全国大会(第63回 長野大会)  
10月23日

10月25日
 意見発表会で見事、東海ブロック大会最優秀賞を受賞し、全国大会に出場した清水君。会場は、長野県下高井郡木島平村にある「パノラマランド木島平」というスキー場関連施設で行われました。
 写真は、発表会場。23日に会場到着し、その日に行われたリハーサルのときの写真です。翌日の24日に、この会場にて全国から集まった猛者、各部門9名の舌戦が、ここで繰り広げられました。 
 25日、長野市内の「ビックハット」で行われた全国大会表彰等式典のステージ。
 ここは、長野オリンピックでホッケーの会場として利用されたようです。写真には写っていませんが、この会場の壁面にはオリンピックの5輪が掲げられていました。
 24日に、長野県の各地で行われた競技の表彰がここで発表されるのです。競技関係の選手や農業クラブの役員など、全国の農業高校から約2,000人が、この会場に集まりました。全国の選手が、毎年、この全国大会式典会場での花形を目指して頑張っているのです。  
 森林科学科から出場した選手のうち、農業鑑定競技に出場した3年生の瀬川健太郎君(写真最左)が、全国大会で見事、優秀賞を受賞しました!
 残念ながら、意見発表に出場した清水君(写真中央)は、全国大会では入賞を逃しましたが、全国9名のファイナリストとして相応しい、堂々とした発表でした。
 写真は、式典終了後に会場のビックハット前で、 瀬川君と清水君に加え、食品流通科で競技に参加した藤村さん(左から2番目)と、クラブ員代表者会議に加わった和田さん(右から2番目)、三原さん(最右)です。
1年生 ダイコン収穫(環境科学基礎)    
10月24日  ダイコンの収穫の時期がやって来ました。
 今年度は、播種した時期も良く、天候の良い日に収穫できました。
 良い野菜が収穫できると、自然に笑顔になります。また、自分が栽培したダイコンを収穫するときは、この「泥付きダイコン」でも美味しそうに見えるところが不思議ですね。
  収穫されたダイコンは、明宝レディースに加工食品用として販売。収穫できたダイコンのうち582本を販売。学校で栽培されたダイコンは、実習で生産されたものなので、品質としては大きなダイコンから小さなダイコンまで混ざっていましたが、合計40,000円の売上になりました。
 明宝レディースの皆さま、この場をお借りしれお礼申し上げます。
 ありがとうございました。
3年生 ブルーベリージャムづくり(グリーンライフ)  
10月11日

10月18日
 食品流通科ではお馴染みのジャムづくり。
 森林科学科には、これまで縁が無かったのですが、先輩が椎茸ハウスのとなりにブルーベリーの苗を植え、それが背丈くらいに大きく育ちました。今年は、ブルーベリーの豊作年。夏から実り始めたブルーベリーの実を冷凍して保存しておいたのです。
 さて、そのジャムづくりは意外と簡単。準備をするものは@ブルーベリーA砂糖Bレモンの3つです。
 まず、ブルーベリーを焦げないよう加熱しながら混ぜます。しばらくすると、写真のように液状になってきます。とっても鮮やかな紫色です。ここからは、お好みに応じて、上白糖を加えます。もしも、保存食として長期保存したい場合は、この加熱の段階で、できるだけ水分を飛ばし、代わりに糖分で液化します。
 市販のジャムには、水あめなどを添加して滑らかさを出したりしますが、今回は贅沢に砂糖のみ。
 最後は、酸味を付けるためにレモン果汁を加えます。たくさん入れすぎると、ブルーベリーの風味を失うので注意です。出来上がったジャムは、パンに付けて試食しました。 
3年生 森の健康診断(演習林実習)  
10月18日   森の健康診断は、3年生の森の健康診断専攻の生徒が行っている研究活動の名称でもありますが、今回は、3年生全員を対象にした森の健康診断活動です。
 愛知県の矢作川水系森林ボランティア協議会が始めた、この活動も、本校では、その手法を少しずつ変化させてきました。
 本校では、10mのコドラートを張り、その中で生育する森林の密度を調査します。
 さて、こちらが調査対象の人工林内。
 上の写真と比べると、日光が地面に届かず、まるで夕暮れのような雰囲気を感じます。手入れが遅れている人工林の多くは、こんな雰囲気になっているのです。
 さて、本日の実習では、10m×10mのコドラートを作ったら、その中の樹木密度を調べ、間伐するなら何本伐るべきかを調べます。
 時間の都合上、伐りたい木と残したい木に分別して、目印を付けていきます。次回の演習林で、その樹木を伐採するのです。 
1年生 ダイコン栽培の中耕・土寄せ(環境科学基礎)    
10月17日  大きくなったダイコン。
 育ててみて分かるのですが、以外に地上部に露出する部分が大きいです。この現象は、うね立てした土が、雨によって流されたり崩れてしまうなどして、起こります。ここに日光が当たると、表面がうっすらと緑色になり「青首」になります。
 うっすらと「青首」ならいいのですが、全部が緑になってしまったら、たまりません。そこで、周囲の土を耕しながら柔らかくして、その土を露出したダイコンを覆ってあげます。  
 作業が終わると、こんな感じ。
 色白で表面の柔らかいダイコンを栽培するために、ちゃんと手間をかけて育てます。
 作業が終わったら、ダイコンの生育調査を行います。葉の丈や枚数、ダイコンの直径などを調査して、生育状況を把握します。
1年生 樹木の観察(演習林実習)  
10月16日  森林科学の授業や総合実習で勉強してきた樹木の特徴。本日は、実際の森林内で樹木の特徴を観察します。
 1年生の生徒が座っているのは、林内の歩道。このような歩道が、演習林内のあちこちに整備されています。山の傾斜も、写真を見ると、けっこう急勾配(40度くらい?)だということが分かります。
 その林道を歩きながら、特徴的な樹木が育っている場所で立ち止まり、葉を採取して説明を受ける・・・そんなことを繰り返すのです。 すると、次第に、樹木の特徴が見えてくるようになるのです。 
 季節外れの蝉!?
 どうしたって、木に登ってみたくなります。
 休憩時間は、童心に返って、本物のフィールドアスレチックが演習林にはあります。
 そういえば、最近の子どもたちが、木登りをするところを見かけなくなりました。そんなことをしなくても、その他の遊びがあるからなのでしょうか。
 今の高校生にはきっと、こういった遊びが新鮮な体験になっていることでしょう。 
1年生 ダイコン栽培の中耕(環境科学基礎)  
10月10日  8月28日に播種をしたダイコンの葉は茂り立派になってきました。本日の実習は、畝の間の土を耕す「中耕」で、これまでに生えてきた雑草を防除しながら、大根の周囲の土を軟らかくしてやります。
 部分的には、畝の間隔が狭くてダイコンを傷つけてしまう恐れがあるので、慎重に作業しなければなりません。 
  ダイコンの品種は「冬自慢」。初心者でも簡単に栽培できる、肌が白く、きめ細やかな大根・・・品種の説明には、そんなことが書いてありました。
 さて、問題は栽培が上手くいくかどうか。さて、立派な大根を自慢できるように、頑張って管理を続けます。
    2・3年生森の健康診断専攻生 植林体験実習
10月6日   「高鷲林業友の会」の山川弘保さんのご厚意で、高鷲町内にある森林において、植林の体験実習を行わせて頂きました。
 戦後に植えられた人工林が伐期を迎えるものの、山の管理は間伐が主になるため、広い面積を植林することは、なかなか出来ません。そんな現場にお招き頂けたのです。
 現場は、高鷲町鮎立のトウメイハウス別荘地の奧。植栽するのは、福井県池田町から取り寄せた精鋭樹の立石スギ、味真野スギの500本です。
 まず、林業について郡上農林事務所の山内さん(写真中央)などにもご指導頂きました。 
 いよいよ植林体験。その植林技術については、白鳥町在住で平成22年度に林業について林野庁長官賞を受賞されたプロフェッショナル、和田光雄さん(写真左)をお招きし、指導して頂きました。 
 スギの苗を植えるとき、つるはしで穴を掘り、その穴に苗を入れて覆土し、足で踏み固めるのですが、踏みすぎて深植えになると水がたまり病気になったり、生育が遅れたりと問題が出ます。その加減が難しい。それにしても、和田さんの作業は迷いが無く速い。やはり技術はキャリアであると痛感。
    植林体験が終わり昼食を摂ったら、NAOキャンプ場内のログハウスをお借りし、高校生や学校職員と専門技術者との意見交換会を行いました。
 まずは、10月24日に行われる農業クラブ全国大会意見発表会に出場する清水君が、自身が発表する意見を専門家の人たちに聞いて頂いてご意見を頂きました。
 その後、夏休みに行った高知県の自伐林業について、その技術を報告したり、最後は、郡上高校の演習林に林道を整備するにはどうしたら良いかなど、それぞれのご専門の立場から、多くのご助言を頂きました。
 たくさんの人たちに、郡上高校の森林科学科が支えられていることを実感でき、ひたすら感謝の思いです。ありがとうございました。
   農業クラブ 全国大会出場者が郡上市長さんを表敬訪問
10月4日     日本農業クラブ全国大会(長野大会)は、10月24日に長野県の各会場にて行われます。(詳細は上のリンクを参照してください)
 写真は、左から日置市長さん、清水一馬君(3年6組)、藤村宮子さん(3年7組)、瀬川健太郎君(3年6組)、和田桃子さん(3年7組)、三原尚子さん(2年7組)の順番です。
 大会の農業鑑定競技に森林科学科の瀬川君、食品流通科の藤村さん、そして意見発表会に森林科学科の清水君、クラブ員代表者会議に食品流通科の和田さんと三原さんが出場します。その大会を目前に、代表者として郡上市長さんに健闘を誓いました。
 瀬川君と藤村さんは、7月に岐阜県本巣郡で行われた県大会において優秀な成績を収めたので、全国大会への切符を手にしました。
 その中でも、清水一馬君は、8月に三重県伊賀市で行われた東海大会において最優秀選手となり、岐阜・愛知・三重県の東海地区代表として出場することになっています。その大会において発表した意見の内容について、日置市長さんに紹介させて頂きました。
 それは、郡上市の林業を活性化するためにすべきことを、高校で学んだ林業の知識や経験から導き出した考えについてです。   
 木材価格が低迷し、山の木を切って売っても儲からないこの時代に、高知県では、森林組合などに任てきた山の管理を、なんとか山の持ち主で出来ないのかと試みています。また、間伐して出た木材を、少量でも販売できるように仕組みを作っています。これに感心した清水君は、その高知県の取り組みを、なんとか郡上版にして普及したいと考えていました。9月になり、郡上市高鷲町において、この高知県の取り組みをモデルにした「木の駅プロジェクト」という活動が開始。郡上市の林業を活性化目指した活動の実行委員として活躍していることも、合わせて報告。日置市長さんをはじめ、郡上市の皆様から暖かいエールを頂きました。  
  3年生 ひまわり栽培専攻班(課題研究)  
 〜

9月10日
 今年度の専攻班に、「ひまわり栽培」の活動があります。
 植物の栽培には、いろいろな目的があります。たとえば福島県の沿岸部で栽培される「綿花」。津波で海水が入ってしまった土壌には、塩分が残ってしまうので農作物の栽培が困難になります。
 そこで「綿花」を栽培すると、綿花の収穫ができるとともに、土壌中の塩分も減らしてくれる効果があるのです。
 このヒマワリも、観賞用として栽培しても良いのですが、ヒマワリの種を収穫して、利用する研究を行っています。写真は、8月2日に行われた郡上高校の見学会が行われたときのものです。
 ヒマワリは、土壌中に含まれる放射性物質を吸収するという効果があると、以前に評判になったこともありました。 
  夏休みが明けた8月27日。ヒマワリの種を収穫しました。
 この日ばかりは、作業が多くなったので、同じ栽培を専攻する生徒にも手伝ってもらい、一斉収穫を行いました。
 たかが花とはいっても、リヤカー1台となるとかなりの重量です。
 文献によると、 ヒマワリの種を利用するには「乾燥」が大切な行程になるとか。収穫した花を放置すると、雑菌が入りカビてしまったり、腐敗してしまうなど使えなくなります。
 まずは保存性を高めるために、天日で乾燥します。
 現在は、この乾燥した種から油「ヒマワリ油」を抽出する実験を行っています。しかし、この種の殻むきが大変。何か良い方法は無いのか・・・、研究の模索中です。
  3年生 自然薯栽培専攻班(課題研究)
 9月27日  今年度の自然薯は、順調に生長しています。心配なのは、イノシシ。最近、学校の至る所にイノシシが掘ったらしき跡が残されています。確実に学校周辺に棲息しています。
 数年前に、イノシシ除けのフェンスを設置して頂いたので、今年の被害は出ていませんが、それでも、予防。電気柵を設置して守ります。栽培も残すところ2ヶ月となりました。
 実習生産物販売会では、良い自然薯が提供できるように頑張っています。 
 夏休みが終わったころから、自然薯の畝(うね)にひび割れが発生・・・栽培担当者は、心配になって、奥美濃自然薯組合長の田村さんに観てもらいました。
「これは・・・ 土の中で自然薯が大きく肥大すると発生するものではないか。順調に育ってますよ!」と、安心のお言葉を頂けました。
 収穫が楽しみです!
文化祭&体育祭(郡高祭)  
9月4日



9月6日
 今年度の郡高祭。夏期休暇が明けて1週間と、例年より短い準備日程の中で、今年度も開催されました。
 写真は、文化祭で3年生が劇を上演した直後に撮影した集合写真。ステージでは、与えられた30分間で完全燃焼をしました。
 残念ながら入賞こそ逃しましたが、文化祭を盛り上げる主メンバーとしての責任は果たせたでしょう。
 この日に向けて、体育祭の応援練習や就職や進学の準備などと両立させ、頑張ってきました。今年の2年生も、劇を上演。森林科学科、盛り上がっています! 
 体育祭当日は、朝は晴れわたっていたものの、昼に近づくにつれ怪しい雲行きに。
 ついに、午前の部の応援合戦最中に大雨となりました。グラウンドコンディションや生徒の体調などに配慮し、午後は、団別リレーと応援合戦のみの実施となってしまいました。
 写真は、団別リレーの写真です。
 各団に分かれて、それぞれが切磋琢磨して競い合う体育祭は、毎年恒例なのですが、頑張っている生徒の姿は、とても美しいです。 
 郡上高校の応援合戦は、この学校の伝統でもあります。森林科学科3年生から、左の写真のメンバーが応援団として活躍してくれました。
 帰りのホームルームの後に、応援団として頑張ってくれたメンバーで記念撮影。夏休みの炎天下の中、応援や競技の優勝を目指して、練習を重ねてきました。優勝したのは黄鷹。写真中央の生徒が、黄鷹応援団長の古田君。古田君を含めて森林科学科の生徒は、学校行事に積極的参加をしてくれました。
1年生 ダイコン畑の整備と播種(環境科学基礎)  
8月28日  トウモロコシが収穫した圃場は、秋に向けてダイコンを栽培します。
 品種は「冬自慢」。特性は「小葉で立性・密植のきく青首ダ大根」「尻部の肉付きよく、非常によく揃う」「根肌はなめらかで艶があり、す入り遅く肉質に優れる」・・・など。
 トウモロコシの鍬使いと比較すると、見違えるほど様になっています。 
 うね(畝)が出来上がったところで、肥料を準備します。「発酵鶏糞」と「野菜の堆肥」を、1:1で混ぜ合わせるのですが、肥料ムラをつくらないために、舟を使ってよく混ぜ合わせます。その後、うねに施肥します。 
 今回の肥料は、元肥。栽培中に適宜、追肥を行います。
 
 最後に播種。1本の大根を育てる場所に、(3粒を点播き。3つの種子が全て発芽したとしても、そのうちの優良苗を残して、その他2本は抜き取ります。倍率3倍。大根として生き残るための競争が始まります。
 さて、今回の大根は、できれば12月に行われる「実習生産物販売会」で、皆さんにも食べて頂ければと思っています。ただし、今後の天候にもよるのですが・・・。
 これから、収穫まで大事に育てたいと思います。
 3年生 森の健康診断専攻班(課題研究)「演習林で間伐」  
8月3日



8月7日
 3年生の「森の健康診断」プロジェクト班は、夏休みの2日間、演習林でスギ人工林の間伐を行いました。今年で5年目になるプロジェクトですが、昨年度の先輩が調査し、間伐する木・育てる木を選木したところについて、現在間伐を進めています。写真は、2日間で80本弱を伐った満足の表情です。 
 昨年度の調査の様子です。45年生程のスギ人工林ですが、間伐がこれまでほとんど行われていないため、木が込んで、薄暗く荒れた状態でした。 
 間伐は、チェーンソーや鋸を使って行います。チェーンソーを使う場合には、切創などのケガ防止のため、写真のような、防護(安全)パンツをはいて行います。また、木が倒れるときも大変危険なため、慎重に作業を進めます。 
 間伐を行った成果です。木と木の間隔が空き、林内が明るくなりました。大変な作業ですが、この様子を見ると、大きな充実感があります。将来、残した木が立派に生長するのが大変楽しみです。伐った木は、林道がないため外へ出すことができず、これまでほとんど利用できていませんでしたが、何とか、今年は販売して収入をあげようと考えています。 
先進林業(高知県)視察研修(職員・生徒1名)  
8月19日



8月20日
 やって来ましたやって来ました高知県。
 ここは、農業クラブ意見発表で3年生の清水君が発表した「土佐の森・救援隊」が活躍する土地です。
 写真は高知城。山内一豊が使用した天守閣が、今もなお焼失せずに残っています。郡上市から、その妻「千代」が嫁いだとか。
 ケヤキやヒノキをふんだんに使った天守閣は、とっても頑丈な佇まいでした。
 こうして、郡上の林業を盛り上げるために訪れた高知県は、そんな昔から郡上と交流があったとは。見知らぬ土地とは思えません。 
 さて、高知県には観光に来たわけで無く、林業の研修です。土佐の森・救援隊が行っている「副業型自伐林業」とは、どんなものか。
 今回は「軽架線集材」という技術を教えて頂くことになりました。
 写真の山は、救援隊・安藤さんの所有林。数年前から、救援隊が目指す森林管理の方法を模索してきた場所であり、今では、これから管理をはじめる山の、目標にする管理方法として、各研修会に活用されているようです。林道を登ってくるのは「小型林内作業車」。この研修の要です。 
 この林内作業車は、熊本県の築水キャニコム社製、BY1202。お値段は約160万円だそうです。この機械、本来は、森林内で伐採された丸太を、付属のウィンチで荷台に載せて集めるものです。
 ここでは、このウィンチを、架線集材(森林内にワイヤーロープを張って、ロープウェイのように木材を集める方法)の動力源として利用します。 
 専門的には、ワイヤーロープを張って木材を集めることを「架線集材」と言いますが、写真は、その搬器にあたるところ。自作だそうで、この形・重さになるには、何度も試作品があったとか。
 ちょっと見にくい写真ですが、長方形の板の四隅に穴が空けられて、そこに鉄製の滑車が4個、取り付けられています。写真の左側の滑車には、主索の9mmワイヤー、右側の滑車には荷上索の6mmワイヤーが通されています。荷上索6mmは、小型林内作業車のウィンチで操作され、その力で木材を持ち上げたり移動させたりするのです。 
 搬器の準備ができたら、9mmの主索を張ります。主索は、間伐・伐採しようとする森林の中央付近で、見通しの良い場所を決めます。
 救援隊の「軽架線集材」の軽とは、簡易という意味。普通の架線集材は、伐採した山から麓の土場までを結ぶ架線(ロープウェイのワイヤー)を張るので、場合によっては数百メートルになることもあるのですが、ここでは、50〜100m程度。おまけに、ワイヤーの高さは3〜4m。完全に木材を持ち上げるのでは無く、木材を引きずりながら集める方法です。 
 写真は、主索を張るための機器。「チルホール」と呼ばれるもので、左下に付いている鉄パイプを動かすことで、ワイヤーを引っ張ることが出来ます。その力、なんと1.5トン。普通の乗用車なら持ち上げられる力が生まれます。主索は、人力で張れる最大の力で張りました。
 この簡易な方法で行う「軽架線集材」の仕組みを設置するには、新規の場所で2時間程度、2回目以降の場所なら30分程度で終わるのだそうです。 
 朝は、すっきりと晴れていたのに、途中から滝のような雨。カメラが濡れてしまい、きれいに写らなかったのですが、写真右側の木材が、主索に吊られた搬器の真下に持ち上げられています。山の上で操作される林内作業車のウィンチを巻き取ることで、林内では、木材が山の斜面を持ち上げられていくのです。
 木材は、乾いていれば軽いのですが、切ったばかりの生木は、一般的に水の体積に0.8を乗じた重さがあり、要するに水の塊なので重たいです。手で持ち上げたことがある人なら、この写真を見ただけで感動できます! 
 山の斜面から林道に持ち上げられた丸太は、製材品(木材)として利用できるA・B材なら、3m以上に玉切りされ、使えないものは1.5mくらいに切断され、パルプチップ(紙の原料)や薪として利用されます。 
 3mの木材は、林内作業車に載せて、林道を出たところでトラックに積み替えて、丸太販売されていきます。建築材に利用される木材は、品質によって値段は大きく変わりますが、スギ・ヒノキともに、1立方メートルあたり10,000円程度。写真の丸太なら、7〜8本で1立方メートルになります(JAS法による)。
 建築用材にならない丸太は、一般的には紙パルプチップにするために販売され、その価格は、1トンあたり3,000円(土場買付)。
岐阜県でも、金山にある「金山チップ」が同じ金額で購入してくれます。
 軽トラックに積まれたC材。
 面白いのは、この材を何処に売るのかは、運転手任せだとか。ここで売れた収入は、運転手の儲けになるのでは無く、あくまでNPO土佐の森・救援隊の収入となります。今回、この活動に参加した人たちには、お金の代わりに「モリ券」という1モリ=1,000円の商品券のようなものが、出来高に応じて配布されます。
 この「モリ券」は、地域生産品と引き替えが出来るもので、高知県に22店舗あります。ガソリンなら10L、肉なら200gと、ユニークな券。ところが、この券が地域興しに大きな意味があるのです。 
 私たち2名の研修のために集まって頂いた、救援隊(ボランティア)の皆様。救援隊が使用する製材所の前で、記念撮影。
 研修中、時折、強く降る雨の中でも熱心に指導して頂き、本当に感謝です。
  
 山での作業が終わると、土佐の森・救援隊の事務局長 中嶋健造さんが、別の団体の講習会をされており、その場所も、併せて研修させて頂きました。
 写真中央は、研修会に参加した3年生生徒の清水一馬君。両脇には、土佐の森・救援隊で木材の伐採と製材をされている「林業女子」なのだそうです。
 なんでも、直径70〜80cmの樹木でも、平気でチェンソー使って伐採するのだとか。 
  写真中央が、土佐の森・救援隊の事務局長である中嶋健造さん。全国的に自伐林業を広められ、注目を集めるようになりました。
 郡上市役所の和田さんから「バイオマス材収入から始める副業的自伐林業」という書籍を紹介され、土佐の森・救援隊を知ったのですが、その著者であり事務局長と、こうして写真が撮影できることは、本当に光栄です。
 この場を借りて、お礼申し上げます。
ありがとうございました。
  最後に、約20年前に「土佐の森・救援隊」構想を持たれて、小規模な森林所有者に合った森林管理方法を研究・実践され、現在の土佐の森・救援隊の技術を生み出し、さらに、森林ボランティアの力を「モリ券」という形で地域に利益を循環させるシステムを考案した、松本誓さん。清水君が意見発表で取り上げた「モリ券」について、その思いを熱く語って頂きました。ありがとうございました。
 その他にも、今回の研修でお世話になった片岡さんをはじめ、多くの方にお世話になりました。重ねてお礼申し上げます。
 ありがとうございました。
  平成24年度 農業クラブ東海ブロック大会(意見発表最優秀賞)
8月1日

 3年生の清水君が、農業クラブ東海ブロック大会(三重大会)にて、意見発表会の最優秀賞に輝きました。
 本校始まって以来の快挙!
 写真は、表彰式直後に会場となった三重県伊賀市文化会館玄関にて撮影しました。中央が受賞した清水一馬君、左が石田校長先生、右は指導担当の佐藤先生です。
 農業クラブとは、農業関連学科に入学した生徒が所属するクラブ。東海3県のクラブ員として、岐阜県には7校2,912名、三重県には6校1,723名、愛知県には10校3,748名の合計 8,383名(平成23年度実績)規模の組織。
 その3県のクラブ員で、意見発表会をはじめ、プロジェクト発表、農業鑑定競技、平板測量競技、フラワーアレンジメント競技、家畜審査競技の各知識や技術を競います。東海ブロックの大会を勝ち抜くと、全国の農業高校で競い合う全国大会(今年度は長野県)へと駒を進めます。 

 そもそも、意見発表会とは、クラブ員の身近な課題や将来の抱負について7分間にまとめて発表するものです。問題解決のための自主的・積極的な態度と能力を養うことを目的としていて、発表者は、いかに自分の気持ちと発表内容を聴衆に理解してもらうことができるのかも重要な要素となります。7分間原稿を見ずに精一杯発表します。
 出場した清水一馬君のテーマは「郡上版「土佐・自伐林業方式」をめざして」と題していて、低迷する林業を盛り上げて、森林環境を整備・改善するための意見を発表しました。 

 過去に、郡上高校から意見発表の選手として東海ブロック大会に出場したことはありましたが、東海の壁は高く、全国大会に出場することはありませんでした。その競技において、今年度は最優秀賞を獲得。本校始まって以来の快挙となりました。
 また、清水一馬君は、1年生のときにも意見発表選手として県大会に出場しましたが敗退し、翌年の2年生には校内予選にて敗退。
 しかし、3年間の努力の継続によって、今年度は東海ブロック大会最優秀賞という成績を手にすることができました。
 まさに、継続は力なり!
中学生 郡上高校学校見学会(3年生が案内)  
8月1日



8月2日
 
 今年度も、中学3年生と、その保護者を対象にした学校見学会を2日間にわたり開催しました。
 中学生に向けて、3年生の先輩から森林科学科についてのメッセージを伝えたり、学校内の教室や、実験・実習を行う機器などを紹介しました。この2日間は天候に恵まれたものの、35℃を超える猛暑日となり、午前中とはいえ、暑い中での見学会となりました。
 写真は、トウモロコシ・ダイコン・自然薯の畑の前に、小型建機とフォークリフトを展示。それらについて、3年生が解説をしました。
 
 こちらは、第2本館(北側の校舎)の3階にあるパソコン室。総合学科と普通科は、総合学科棟のパソコン室を使うので、ここは、森林科学科と食品流通科の生徒が使用する教室になっています。
 「この教室は、パソコンの実習を行うだけで無く各種検定の試験会場としても活用しています・・・」のような解説をしました。
 ぜひ、郡上高校に入学して、この部屋や、紹介した施設・設備を使って学んで欲しいと願っています。
平成24年度 農業クラブ岐阜県大会(意見発表最優秀賞)
 7月25日  7月25日に岐阜農林高校で行われた、第63回岐阜県農業クラブ年次大会の式典の様子。写真中央は、3年生の清水一馬君。
 意見発表会の区分:環境において最優秀賞を受賞しました。清水君は8月1日に三重県伊賀市で行われる、東海ブロック大会に出場し、今度は、岐阜県・愛知県・三重県の各代表と競います。その中で、最優秀賞を受賞すると、10月24日に長野県で行われる全国大会に出場することになります。
 全国の切符を手にするため、夏休み返上で練習を続けています! 
1年生 収穫したトウモロコシの糖度(環境科学基礎)
7月27日  1年生が収穫したトウモロコシ。
 天候不順だたものの、「生でも美味しい!」という声も上がっていたので、糖度計を使って計測することに。
 糖度は12.7%。これは「梨」レベル。
 糖度計は、いろいろな甘み成分のうちショ糖(砂糖)の量を示す値なので、この値が、甘さの絶対値ではありませんが、甘味の中で中間的な性質のショ糖は、甘さの指標として使われています。
 これだけ甘いトウモロコシなら、サルやハクビシンが狙う理由もわかる気がします。 
 よく、「トウモロコシを焼くと美味しい!」というので、焼いてみました。そして、その糖度を測ってみると・・・14.7%。今度は「イチゴ」レベルです。
 糖度が上がるということは、トウモロコシ中のデンプンなどが糖分に変化したのでしょうか・・・詳しくはわかりませんが、どうやら「トウモロコシは焼くと美味しい!」は間違っていないようです。 
 では、湯がいてみたら、どうでしょう・・・
 こちらも、焼いたトウモロコシと同等の糖度になりました。
 昔から、畑でトウモロコシが取れると、湯がいてくれた、この湯がく・焼くの手間は、トウモロコシをより美味しく食べる先人の知恵だったのですね。感謝しなければなりません。
 来年度も、より美味しいトウモロコシが収穫できるように頑張ります!
2年生 白山実習(石川県白山市白峰・砂防新道)
7月19日



7月20日
 午前5時に学校を出発し、
写真の登山口には午前9時到着。
 ここは、石川県白山市白峰にある、「別当出合」という登山口。
 白山信仰が盛んな頃は「加賀禅定道」として使われた登山ルートのひとつです。
 白山に登るには、おそらく、ここからの砂防新道が、いちばんお勧め。水場とトイレがたくさん設置されているので、1リットルくらいの容器があれば、大丈夫です。
 天候にも恵まれ、さあ、出発! 
 白山実習の目的の1つ。亜高山帯から高山帯の森林植生を学びます。
 写真のあたりの標高はおよそ1400m。
 ブナ林が登場します。このあたりの山の雰囲気は、郡上でいうと、石徹白の奥地や、高鷲の高原地帯、油坂峠などと似ています。
 森林を構成する樹木の、最も背の高い「高木層」から「低木層」、「草本層」の特徴をつかみます。
 ところ変わって、ここは白山の9合目にある「白山室堂センター」の食堂。
 他の山小屋の例にないくらい立派な施設があります。今晩の夕食はハンバーグ定食。まさか、山の上で「ハンバーグ」が食べられるとは、良い時代になりました。さらに、味噌汁とご飯は、おかわり自由。大食漢でも大丈夫です。
 お茶や、ご飯用のふりかけも常備で使い放題。とても良心的な食堂です。 
 天気が良かったので、白山山頂の下で記念撮影。白山神社の総本山前で集まりました。
 鳥居の上に見える山のてっぺんが、白山の山頂になる「御前ヶ峰」。標高は2702mです。
 郡上高校の標高は233mなので、その標高差は約2500m。標高が100m上昇すると、気温が0.6℃下がるので、物理的に15℃下がることになります。この日の郡上は気温30℃を超えていたらしいので、仮に30℃としても、ここでは15℃くらい。夜には10℃を割り込み、「寒い」。 
 7月20日午前5時頃。山頂にて。
  ご来光を見たかったので、午前3時半に頂上に向かいました。真っ暗の中で、ご来光を待ったのですが、こんな天気でした。
 どうやら雲の中で、視界は5m程度。
 今年度は、残念ながらご来光は見られませんでした。
 写真の中央あたり(すこし左)に、山頂を示す石碑があります。ここが、標高2702mの地点です。
 早朝には、全く視界の無かった山頂も、下山する頃には、その姿を見せました。「山の天気は・・・」とよく言いますが、本当にそうなんだと実感。
 白山実習2日目には、天候に恵まれなかったものの、2年生の35人と、職員6人の全員が白山に登頂できたことは、すばらしい成果になったと思いました。
 将来、天気の良いときに、もう一度登って欲しいと思います。
1年生 トウモロコシの収穫(環境科学基礎)
7月23日   トウモロコシが収穫の時期を迎えました。
 7月上旬の暴風と大雨で、ほとんどのトウモロコシが倒れてしまい、一時は全て廃棄することも考えられた、今年の畑。
 懸命の復旧作業によって、実は小ぶりながら収穫できる時期を迎えました。
 お隣の食品流通科は、苗を植えた時期が2週間ほど早かったせいなのか、森林科学科よりも大きく、実も立派。栽培っていうのは、本当に難しいものです。
  実は小さくても、トウモロコシは収穫適期なので、美味しくなっているはず。
 1年間の栽培の苦労も、この瞬間に報われます。農業の楽しみは、やっぱり、このひとときなのでしょうか。この収穫したトウモロコシは、いつもは、明宝レディースなどに販売するのですが、今年度の実は小ぶりなので、自宅で食味試験をしてもらうことに。
 森林科学科1年生の保護者の皆様には、ご試食いただけましたか?
 入学したばかりの春には、この鍬をもつ姿もぎこちなかったのですが、この時期になると、この余裕。マルチは、生分解性なので、そのまま放置でも大丈夫なのですが、1年間、トウモロコシを育んでくれた土に感謝。使い終わった畑を整えます。
 やりたいことが出来るようになれば、立派な農業人。未来の地球では、食糧危機も懸念される声をささやかれ、ここでの技術が、明日の地球を救うことになるかも(笑)。
  
3年生 トータルステーション測量実習(測量)
6月27日  本校の測量実習では、測量器械を操作する観測者と、目標にする杭に目印を立てる補助員が必要なので、最低2名必要なのですが、最新の器械には「自動追尾型」といって、目印を持って動けば、勝手に、目印の方向に器械を向けて、角度や距離を観測する器械も出てきました。
 でも、器械が高機能になっても、やっぱり「トランシット」のころから、器械の基本操作は変わりません。なんとか、この技術、身につけたいものです。 
 このトータルステーションは、昔は「トランシット」と呼んでいた器械が進化したもの。
 トランシットは水平角度と鉛直角度の2つの角度を観測する機械だったのですが、今では、観測する測点までの距離を計測する機能が内蔵されるようになりました。
 そのため、呼び名が「トータル・・・」となったのです。 
 本校の測量機器の中で、最も難しい測量が、このトータルステーション実習。3年生の測量で、その実技を学びます。写真左の木の根元に、観測している測点があるんですがわかりますか? 
 この機械で、向こう側の測点を覗くと、杭の周辺を歩いているアリまでもが見えます。
 精度は1mm以下なので、取扱も慎重になります。
白山実習の登山道等安全点検(下見登山)  
6月29日

6月30日
 7月19〜20日に行われる白山実習。
 例年、実施前の登山等を実際に登りながら安全を確認する「下見登山」を、森林科学科の職員 佐藤・雪野 2名が実施してきました。
 昔は、白山スーパー林道近くの登山口「大白川」より登山していましたが、今は、石川県白山市白峰にある「別当出合」より、砂防新道を登ります。行程の片道約5.5km。
 写真のように、道は整備されているとは言えども、ごらんのように石がゴロついているところもあります。足首を捻挫しやすい人が、ハイカットの登山靴を履く理由が、この道にあるわけです。
 そうはいっても、普段から部活動で、足腰を鍛えている生徒には、たやすいこと。運動靴だけでスイスイと登っていきます。
 昨年度は、台風の影響で登山ができなかった年。今年こそは、天候に恵まれることを願います。
 登山のご褒美。
 登山時には曇っていた空も、徐々に明るくなり、気温が下がってくると空が開けてきます。澄んだ空から沈む夕日はとても綺麗です。
 雲がなければ、この場所から日本海も見えるのです。夕日が沈むと、日本海で漁をする船の漁り火も見ることができます。
 雑踏のない静かな山の上で、静かに沈む夕日を眺めるなんて、とても贅沢な時間です。翌日の朝は、とても綺麗なご来光を見ることができましたが、それは、本番の登山で見られたときに紹介したいので、ここでは夕日のみの紹介にします。  
 下山途中の写真。
 十二曲がりという階段続きの登山道で、ここの登りは、さすがに疲れます。
  白山は、日本三名山のひとつ。他は、立山と富士山です。三名山は、三霊山ともいい、どうやら山岳信仰として敬われた山で、古くから登山されていた山です。そんな歴史もあり、白山には、岐阜県(美濃禅定道)・福井県(越前禅定道)・石川県(加賀禅定道)の各地から登山道があり、そして、今回通る砂防新道は水場やトイレが整備されている、最も登りやすい登山道です。下見の結果、登山道・宿泊施設ともに安全だと判断しました。あとは、好天に恵まれることを祈るのみ!
2年生 インターンシップ報告会「課題研究」  
 6月29日  6月19〜21日に、森林科学科2年生が郡上市内各地の事業所においてインターンシップ(就労体験実習)を開催しました。自分の進路希望に関連する業種の企業に、実習のお願いしながら、インターンシップ先を決めて活動しました。
 それぞれが体験したことを、クラス全員が共有できるように、プレゼンテーションにまとめて発表をします。この日の午前中は、アカデミア1階ゼミナール室で行いました。
 インターンシップ実施の際には、関係する皆様には大変お世話になりました。そして、ありがとうございました。
 今年度、森林科学科の生徒が、研修先としてご協力頂いた事業所は、岐阜県農林事務所、郡上市消防本部中消防署、岐阜県郡上警察署、郡上森林組合、白鳥林工協業組合、高垣組、アシスト、ヤマシタ工務店、山と川の学校、東海精機、大同メタル工業、アサヒフォージ、ボルツ、流響の里、やまびこ園、髪工房KC、郡上市役所、大原林産 の19事業体です。
 事業所ごとに、約10分程度の発表を行いました。
 発表が終わると・・・学科の先生から、いろいろ質問を受けます。いい加減な発表は、先生方が聞き逃しません。
 そんな、緊張感漂う発表を終え、生徒全体の感想からは「・・・仕事は、その仕事をする環境を整えることが大切。また、自分に与えられrた仕事の善し悪しが、いろいろな人の仕事に関わることになり責任は重大・・・周りの人とのコミュニケーションをとりながら仕事をすることの大切さを改めて感じた」などの声があり、インターンシップとしての目的は、果たせたようでした。 
  増殖するモリアオガエルの怪・・・第2本館北側
6月29日  モリアオガエル(森青蛙、Rhacophorus arboreus)は、両生綱無尾目アオガエル科アオガエル属に分類されるカエル。場所によっては、絶滅危惧種I類に指定される貴重な生物・・・なのに。
 写真の赤い矢印が示す場所に、白い泡のような塊があるのが、モリアオガエルの卵。
 農場の職員室で「最近、モリアオガエルの声が多くなってないか?」という話が出たのでリサーチしてみると、実にいろんな場所で卵を発見。ここは、モリアオガエルの聖地?
 こんなところ(職員用下駄箱の脇にある水路の中)にも卵が!!
 モリアオガエルと言えば、池の畔の木の枝に産卵するイメージでしたが、郡上高校のモリアオガエルは、凌霜の精神の下で、生徒とともに進化したのでしょうか?
 梅雨の時期になると、どこからともなく「ゲコ」「ゲコ」と低い鳴き声がこだまします。
 減りつつある生物が、この学校には、増える豊かな自然環境があると考えれば嬉しいのですが、そのモリアオガエルの環境への順応力と、生きる根性には脱帽ですね。 
3年生 口明方小学校の教室プレート作成「課題研究」
6月28日  5月7日に、3年生の課題研究・NC研究専攻班が、八幡町内の口明方小学校に伺い、教室名を掲示するプレート製作を依頼されて以来、どんなものが良いかを検討してきました。まずは、郡上高校で作ったものと同じ作業内容で作ってみることにしました。
 今回使用する木材は「ゴム」の木材。この材は材の色が白いことと、材が硬いためにNC加工には適していること。そして、郡上高校で製作したときの材が数枚あったので、活用することにしました。 
 コンピュータで設計したデザインを、専用のソフトウェアでNC用のプログラムに変換し、木材を切削します。この技術を応用して、冬には表札の販売を行ってきました。
 ところで、NCとは・・・
 NCは数値制御(Numerical Controll)の頭文字で、数値制御工作機(NC工作機)を、学校では「NC」と呼んでいます。今年度の、研究専攻メンバーは「ロッキングチェア」の製作を試みています。上手くいけば、ここのホームページで紹介したいと思います。 
1年生 トウモロコシの生育調査「環境科学基礎」  
6月26日

6月27日
 雌穂に新聞紙で作ったコーンをかぶせることで、害虫の防除ができるとか。これなら農薬を使わず環境にも優しい。そんな情報があったので、学校でも試してみることになりました。
 その後の様子なのですが・・・
 どうやら、新聞を被せる前に、アワノメイガの幼虫が入っていたようで、気がついたときには、丸々と太った幼虫が発見されました。
 私たちが被せた新聞の中で、悠々とトウモロコシを食べていたよう。なんだか、とっても腹立たしい!
   アワノメイガの防除をしてから約2週間で、こんなに生長しました。この日は生育調査を行うことと、トウモロコシの実になる雌穂(しすい)が出たら、受精させるために雄穂(ゆうすい)を振って、花粉を落とします。試験区の一部に成長の早い試験区があったので、そこで、その作業についてを説明します。
 一方、生徒たちのトウモロコシは、まだ雄穂が硬い様子。
 森林科学科には水田がないため、この環境科学基礎では、イネ科植物のトウモロコシを栽培するわけです。
 トウモロコシは、コロンブスによってヨーロッパに伝えられ、その後世界中に広まりました。日本には1579年に、ポルトガル船によって長崎に伝来しました。イネ・コムギと並んで3大穀物となっています。(教科書より) 
  1年生 トウモロコシの害虫防除「環境科学基礎」
 6月13日  トウモロコシが出穂(しゅっすい)するころ、トウモロコシの茎や実を食害する「アワノメイガ」の幼虫が付かないように、農薬を蒔きます。今回使用するのは「デナポン」。
 アワノメイガがトウモロコシに産卵しないように、その虫が嫌う”臭い”のようなものを発散します。 
 5月22日に定植した苗も、こんなに大きくなりました。例年よりも気温の高い日が続いているので、生育は良好です。美味しく育つはずのトウモロコシを、虫に食べさせるわけにはいきません。雄穂や周囲の葉に、丁寧に散布して、しっかりと害虫を防除します。 
  2・3年生 農業クラブ「農業鑑定競技(林業の部)」校内予選
6月11日     全国の農業高校で組織する「農業クラブ」というものがあり、そこでは、農業の専門性について知識や技術を競う競技会があります。
 この農業鑑定競技とは、農業で使われる道具や材料・素材について名称と役割を熟知しているかを競います。この日、その競技会の校内予選が行われました。
 出題されるのは全部で40問。それぞれの問題の制限時間は20秒(一部40秒問題もあります)です。
 7月24日に岐阜農林高校で行われる県大会に出場できるのは、2・3年生合計75名の中から、たったの6名。その6名の出場枠を懸けて挑みます。 
 さて、問題。
「このうちチェーンオイルはそれですか。」
チェーンオイルとは、自転車のチェーンではなく、山林で使用するチェーンソーのチェーン回転を潤滑させるオイル。さすがに写真だけでは分かりません。
 それぞれの液体のにおいや色、粘度などをチェックして、解答を導き出します。もしかして、身近にチェーンオイルを使っておられる方が見られれば、答えが分かるかもしれません。 
  3年生 林産加工実習(木材加工室)
6月8日   この日のテーマは、「ほぞ」づくり。2年生の実習では垂直の形状でしたが、3年生では傾きのあるほぞを作成します。
 木材の切削に入る前に、念入りに墨入れをして加工部分を決めます。これが、なかなか難しい。木材の凹凸や、場合によっては材に狂いがあるために、素直に線を引いてみても、思い通りにならないことがあるのです。 
 この作業中は、後ろから話しかけても気がつかないことがあるくらい集中します。
 この実技は、前期中間考査の実技問題としても出題され、懸命に取り組みます。器用・不器用によって素質が決まるのかもしれませんが、それよりも「どれだけ丁寧な作業ができるのか」と「それだけ念入りに作業ができるのか」が問われるのが、この木材加工のような気がしてなりません。 
  3年生 2次元CAD実習(コンピューター室)
 6月6日   第2本館2階にあるコンピュータ室にて、パソコンを使った製図(CAD)を行っている風景です。授業では、CADの技術を身につけるために、日本コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)のCAD1級トレース試験の過去問題に挑戦しています。
 専門分野は機械製図。CADは独特な操作方法になるために、上手く作図ができるようになるために訓練が必要。頭の柔らかい高校生は、半年もあれば相当な技術を身につけて卒業できます。
 この授業では、生徒の特徴の新たな発見ができます。
 CADの操作は、空間図形の能力と、コンピュータの操作技術が求められるもの。毎年、何人かがこの技術に開花して、この世界の就職を目指していきます。そんな生徒は、名古屋の専門学校でさらに上級技術を身につけるのですが、郡上高校からも、これまで3名が専門学校を経てトヨタ自動車の設計に。この会社以外にも名古屋の設計オペレータとして活躍しています。 
3年生 大学・専門学校見学会(東海工専・愛工大)    
5月31日  大学と専門学校・・・どこが違う?と聞かれて「学歴が・・・」とは答えられても、学校で学べる中身の違いは、分からないことが多いです。そこで、この日の午前中に名古屋市金山にある「東海工業専門学校金山校」へ、午後には愛知県豊田市にある「愛知工業大学」に訪問し、それぞれを比較する見学会を行いました。
 左写真は「東海工業専門学校」のコンピュータ実習室。建築CADで簡単に家を設計しました。ここでは、資格合格に向けて、学生が一生懸命勉強している姿、それを支える先生方の熱い気持ちを感じました。 
 左写真は「愛知工業大学」。
 まず、案内されたのが大型スクリーンのあるプレゼン専用の部屋 。まずはじめに、大学についての簡単なDVDを鑑賞しました。この大学には、工学部・経営学部・情報科学部が設置されており理工系総合大学だと案内されました。
 とにかく広いキャンパス。グラウンドに野球場・・・あらゆる施設が完備されています。また、床屋やコンビニ、ATMまで完備。学生たちが、キャンパスの中だけでも生活できる施設が揃っています。
 大学というと、専門的な研究をする場所。
 愛知工業大学では、そんな場所も見学させて頂きました。写真は、プラズマ発生装置。
 さすがに、森林科学科には縁の無いプラズマ。でもそんな私たちに、資料を使いながらわかりやすく説明してもらえました。
 プラズマテレビ、車のヘッドランプ、小惑星探査機「はやぶさ」が推進力として使ったプラズマ。身近に使われているプラズマは、この人たちの研究の成果なのだと実感しました。
 難しい話しを聞きながら「これぞ大学」と実感したのは、私だけだったでしょうか・・・。
第6回 郡上市みどりの祭り  
  5月26日  郡上市は、総土地面積の約90%を森林が占め、日本を代表する清流長良川などの源流域にもあたります。
 この豊かな森林を守り育てていくこと、またそのために市民一人ひとりが具体的に行動することへの理解を深め、市の森林を再生し、地域産業の活性化を図っていくことは市の将来像を描く上で不可欠だと考え、郡上市の将来を担う子どもたちと共に森林を考え見つめ直す契機としてこの事業を実施(郡上市緑化推進委員長 日置敏明市長より)
 この祭典に、 森林科学科も参加しました。 
 森林科学科には、テントひと張りをいただき、学校の学習活動を紹介するパネルを9枚と、シイタケ原木や木工作品を展示し、その横で干し椎茸の販売を行いました。また、良い自然薯・椎茸を生産するためのアンケートを実施して多くの方にご協力いただきました。
 この日の売上は、干し椎茸のスライスが36袋、小葉が30袋の合計66袋。販売価格は、ひと袋あたり500円なので合計33,000円の売上となりました。
 学校の農場で栽培した生産物を販売して得た売上は、いったん岐阜県に納入します。その売上金の多くが学校の農場栽培に必要な栽培運営費として活用されています。
 おとなりのブースは「ちびっ子広場」。
輪投げや、木工玩具で延々と遊んでいます。眺めているだけで、こっちも遊んでみたくなってしまいました。ついには、子どもに紛れて、こんな写真も・・・
 その反対のブースでは「バイオマス研究会」が木材を使った薪ストーブを展示。その薪ストーブの上面が、なんと調理用の鉄板になっており、薪をくべながら、焼きそばやピザを調理し始めました。ご近所さんと言うことで、おすそ分けを頂きました。とっても美味しかったです。お客さんや、このイベントを運営する人々とのふれあいがあり、楽しいイベントになりました。 
2年生 演習林実習「植生調査」  
5月25日  2年生の演習林で、演習林内の「植生調査」をしました。「植生調査」とは?山の中に入ってみると、さまざなま高さの木が生えていますが、よく観察すると、木の高さ(樹高)にいくつかのグループがあることに気づきます。専門的には「高木層」「亜高木層」「低木層」「草本層」などに分けますが、それらを分類して、さらにそれぞれの樹高や樹種を調べ、その種が、どれくらい枝葉を広げているのかを調べます。そして、その調査地点の樹木のリーダー(優占種)を調べるわけです。 
  11:00ごろに学校を出発して、この尾根に到着したのが12:00ごろ。山の中で早めの昼食を摂り、12:30ごろには実習再開。「植生調査」の範囲は、4人の1グループあたり10m四方のエリア。狭いように感じたこの場所も、調べてみれば、全然時間が無くて、全体の4グループのうち完全に調査が終わったのは1つだけ。できる限り時間を延長して実習を行ってみた結果、この日の実習を終えたのは16:00ごろでした。
 「自然を相手にした調査が、これほど難しいと思わなかった」というのが、参加した2年生の率直な感想のようです。 
この日の後半の実習で分かったこと。
 それは、優占種はアカマツ。尾根筋では優占種には針葉樹が多いとは授業で習っていたけれど、本当にそうだった。以前は、ミズナラも優占種のひとつだったけれど、カシノナガキクイムシで枯れてしまっていた。 また、ソヨゴやネジキなど広葉樹は亜高木層に多かった…これって何気ない調査結果なのですが、よく考えてみれば大きな発見なんです。これを、体験を通して学べたことが最高でした。
 さて、左の写真は「銀竜草(ギンリョウソウ)」。帰り道で発見。草なのですが光合成しません。別名「ユウレイタケ」とも呼ばれている珍しいものです。 
   3年生 世界史A「投てき具で味わう人類の心の変化」
5月23日   林産加工の実習?いえいえ、これは「世界史A」の授業です。
 投擲(とうてき)具の由来「ヨーロッパなど北方で進化したネアンデルタール人…屈強な体を持ち、狩りの名手だったこのライバルと祖先たちは生存競争を強いられる。身体的に圧倒的な不利な状況を優位に導いたのが、投擲具という人類最古の飛び道具だ。離れた位置から獲物を倒す技術が狩猟方法を革新し、ネアンデルタール人を駆逐していく。」(NHKスペシャルホームページより抜粋)
 出来映えに善し悪しがあるものの、出来上がった投擲具を持ってグラウンドに。
 この日は、体育の授業が詰まっている日だったので、昼休みに授業を実施。さて、3年生は「ネアンデルタール人のような屈強な体」を持っているのか。
  
細長い棒が「槍」に見立てた棒。手元にある、少し太めの短い棒のようなものが「投擲具」投擲具の先端に金属のフックが付けてあり、そのフックで槍を押し出す感じ・・・なかなか投げ方の説明は難しいのですが、これが結構難しい。私(筆者)も試しに投げてみたのですが、「槍」が全く飛びません。
 これが上手に飛ばせられれば、きっと、ネアンデルタール人と同じ時代に生まれていても、生きていくことができた(?)ことでしょう。
  
    1年生 環境科学基礎「トウモロコシのうね立て&定植」
5月22日  トウモロコシ栽培の季節がやってきました。今年の1年生も、計画の畑に「うね」を作ります。「うね」とは、畑で種を蒔いたり苗を植えたりするところを、土を水はけ良く盛り上げる作業。平鍬(ひらぐわ)を使って作業を行いました。
 最近の入学生の中には、平鍬(写真の器具)を使ったことがない生徒も増えています。ぎこちない鍬の作業も、経験を積むことで、だんだんと様になっていきます。
 何も無かったところに、凹凸が出来はじめて、やがて「うね」になっていきます。 
 無事に「うね」が 立ち上がり、土壌の温度を上げて根の成長を促すとともに、除草効果のある、黒いビニール「マルチ」で「うね」を覆います。そのマルチの上から、苗を植える場所を等間隔に切れ目を入れておき、その切れ目に苗を植えていきます。
 苗を畑に植えることを「定植(ていしょく)」といいます。
 この日から、夏休みの始まる頃までを管理し、美味しいトウモロコシに育てるのです。
5月15日  播種をしてそろそろ2週間。たくさん芽が出てきました。環境科学基礎では「生育調査」という観察実習を行います。
 森林科学科には水田が無いため、水稲とよく似たイネ科の植物「トウモロコシ」を管理することで、イネの生長も学習します。発芽してから、どのように生長していくのかを、おおよそ週に1回のペースで記録をします。
 その記録を冬にはまとめて、自分の管理が正しかったかなどを評価するのです。
 この写真は、体育館の北にある「森林科学科棟」の3回から撮影したトウモロコシ畑。
 今年の1年生の人数分を、ビニールテープで仕切ってみました。テープの間隔が狭くなっているところが通路となり、それに囲まれた部分に苗を定植することになります。
 ちなみに、右上に黒っぽく見える畑が自然薯の畑なのですが、こうしてみると、トウモロコシの畑って広いですね。 
  3年生 演習林&課題研究「森の健康診断専攻班」
 5月10日   今年度も、演習林実習の季節がやってきました。ところが・・・
 毎年のことなのですが、冬を越えて春になると、写真のように林道には落石が。これでは、作業車が林内に入れないだけでなく、緊急時にも危険です。そこで、まず先輩が安全を確保。3年生総出で林道の落石を除去します。
 落石の下に隠れていた、サンショウウオ。
 なるほど、オオサンショウウオによく似ています。郡上市では、長良川やその支流に棲息するオオサンショウウオの方が有名なので「これが数年後にオオサンショウウオになるぞ」と冗談を言うと、信じてしまいます。 
 このサンショウウオはオオサンショウウオとは違い、両生綱・有尾目(またはサンショウウオ目)サンショウウオ上科に属します。
 ミミズ?と思ったら、ヒル!
 何かの血を吸っていたのか、作業中に当ててしまった道具の傷から、赤い液・・・。
 こんなのが、自分の体にくっついて血を吸っているところを想像するだけで、寒気がします。山の中に棲むヒルは、吉田川以南にたくさん生属しているので、山作業中に噛まれることもあるとか。しかし、ここは吉田川以北。シカなどが媒介して運ばれるようですが、とうとうここにも入ってしまったようです。
 高鷲町の「ひるがの」は、昔の住所表記でいうと蒜ヶ野で、蒜は、このヒルです。高鷲にもヒルがいるのかな? 
  午前中に演習林実習を終えた「森の健康診断」専攻班。この日は、研究対象場所の伐採をしました。左上から右下に横たわる樹が、本日伐採した樹木。ところが・・・
 生徒が座っている地面に、何やら細い木が揃って見えます。実はこれ、班のプロジェクト活動の基地とするために、先輩が3年かけて作ってきたウッドデッキ。
 伐採した樹木が、予定どおりの方向に倒れたのですが、まさか壊れまいと思っていたデッキに直撃したとき、残念なことに、そのデッキを支える木材と、デッキの木材を破壊してしまいました。
 伐採の満足感とともに、何だか申し訳ない気持ちに。
 これが、昨年12月11日に撮影した、在りし日のウッドデッキ。
 その上に並んでいるのが、制作者の卒業生です。このホームページを見て、気づいた先輩方に、この場をお借りして「ごめんなさい」。決して悪気があったわけでは無いんですが、壊してしまいました・・・
 今年度の研究班で、再建を試みます! 
3年生 課題研究「NC班専攻活動」in口明方小学校  
5月7日    口明方小学校の先生から「教室入り口に、見やすい看板や掲示が欲しいので、郡上高校の技術でできないか?」という依頼を受けました。その依頼を、3年生「課題研究」のNC専攻班が受けて現地調査に伺いました。
 この写真は、口明方小学校の教室入り口で、ここは5・6年生の教室入り口です。郡上高校とは違い、1つの大きなフロアに2つの教室が入っている構造になっているのです。なんだか、海外の学校みたいに開放的で羨ましいです。
 この写真は、入り口を入ってすぐの景色。
 写真では解りにくいのですが、手前の左側が会議室、奧の左側が教室になっています。
 そして、前方に広がるスペースは、オープンスペースとして作業用や廊下として利用されているそうです。 
 たしかに、この景色の中には、どんな教室があるのか分かりにくいかもしれません。ちょっとレベルの高いこの課題。NC専攻班で解決できるのか・・・また、後日、経過を報告します。
  1年生 環境科学基礎「トウモロコシ播種」
5月8日   播種をしてから2週間。しっかりと発芽して苗が育っています。写真は、発芽したポリポットに化成肥料を置き、苗に栄養を与えます。 
 種の中には、蒔いてしっかりと管理しても、発芽しないものもあります。そこで調査するのは、発芽率。種子の入っている袋の裏をよく見てみると、種子の品質として、どれくらい発芽するものなのかが記載されています。さて、今回の発芽率は、どんな結果になったのか。
4月25日    この日の実習は、トウモロコシの播種です。昨日、準備したトレイのポリポットに丁寧に蒔いていきます。種を蒔く深さも、深すぎず浅すぎず・・・簡単そうで、なかなか難しいものです。
 今年度、栽培する品種は「おひさまコーン7」と「みわくのコーン」の2つ。昨年は「ランチャー82」・・・いったいこの品種名は、誰が名付けているのか・・・毎年、面白い名前が飛び出します。
 4月24日  暖かくなってきました。
 森林科学科の畑では、そろそろトウモロコシの時期。そこで、苗の栽培用「黒トレイ」にポリポットを並べて、培養土を入れる。写真は、大きな塊になっている土を、ほぐしています。丁寧に土を砕いて、良い苗が栽培できる環境を整えます。今回の苗は、1人あたり、品種によって24〜48本の苗を栽培します。 
 3年生 グリーンライフ「自然薯の定植」 
4月25日    昨年度の自然薯栽培研究では、栽培で使用する波トタンの傾斜が芋の大きさに影響するという結論が出ました。今年度の栽培ポイントは、苗の定植方法について。写真の右のうねは狭い波トタンで苗の1列植え。それに対して左のうねでは、幅広い波トタンを使った2列植え。この2種類の栽培を比較してみます。上手くできれば、単位面積あたりの収穫量を増大できることになります。なんだか、冬の栽培結果が待ち遠しいですね。
 今年も自然薯を栽培する時期がやってきました。3年生の「グリーンライフ」の授業で管理します。写真右に写っているのは、奥美濃自然薯組合長の田村さん。毎年、この授業になると学校に駆けつけていただけます。
 今年度、郡上高校で栽培する自然薯の数は300本。冬の実習生産物販売会に向けて栽培します。自然薯の苗は、山口県柳井市の政田自然薯農園のものを、奥美濃自然薯組合を通じて購入しています。 
 3年生 課題研究「自然薯栽培」専攻inおくみの自然薯組合圃場  
4月20日   ここは、白鳥町のおくみの自然薯組合長である田村さんの圃場。郡上高校で自然薯の定植が間近になってきたので、毎年、この時期に、田村さんの圃場で研修をさせていただいております。今年度も、お邪魔することになりました。 
 場所は、白鳥中学校や郡上北高校の東側、山を登ったところにあります。
   田村さんの圃場では、波トタンを使った栽培を行っています。郡上高校の土と違って、こちらの圃場は、山土が多く水はけの良い土なので、水を嫌う自然薯には適していると言われています。
 プロである田村さんに、自然薯定植の極意を伝授していただき、本校の自然薯栽培に向かいます。
 この場をお借りして、お礼申し上げます。
「ありがとうございました。」m(_ _)m 
春の便り? 「タヌキとウサギ」  
4月16日   暖かくなってきたからなのでしょうか?
 原木栽培の椎茸ハウスで、原木の下でうずくまるウサギ。どうやら子ウサギのようです。
 普通、ウサギは警戒心が強いので、こんなに近くに寄って写真を撮ることはできないのですが、撮影ができました。 
 スキー場に行くと、雪面にウサギの足跡をよく見かけます。寒さには強い動物なので、このウサギの目的は、シイタケ?
3月16日  学校の裏(生産実習棟という生徒の更衣室のある棟の裏手で)、擁壁の上のくぼみに、タヌキが・・・。近くに寄っても逃げません。逃げるどころか「うるさいなぁ・・・静かにしてくれ」と言わんばかりに、くるりと背を向ける始末。どうやら、タヌキの子どものよう。
 弱っているのか、全く動こうとせず、日向ぼっこをしています。 
 寝ているすきに、撮影。さすがに表情は分かりませんが、丸まって寝ています。たまに、周囲を警戒してか、耳を立てる仕草があるものの、やっぱり動きません。
 とりあえず、そっとしておきましょう。 
椎茸の季節
4月5日〜

春期休業中 

 例年に比べて、なかなか暖かくならない春休み。でも、椎茸にとっては暖かくなったようです。本校で栽培する原木椎茸は、収穫の最盛期を迎えています。
 郡上高校の森林科学科が栽培する椎茸は、原木にこだわって栽培する椎茸。写真は1回の収穫で採れた椎茸です。学校の休業中は、3年生の椎茸専攻班が登校して管理しています。

 収穫した椎茸は、虫害によって品質に問題があるものは取り除かれます。また、部分的に虫に喰われてしまったものは、その部分を切断して破棄し、その椎茸はスライス干し椎茸として調整します。もちろん手作業です。
 たくさん収穫できた日は、2年生にも手伝ってもらいながら調整をします。

 生椎茸でも販売できますが、椎茸は干すことによって旨み成分が増すといわれています。
 こうして、郡上高校の干し椎茸が栽培されております。原木椎茸は近年、その美味しさが見直されています。美並の道の駅や、各種催事で販売されます。ぜひ、ご賞味くださいませ。

平成23年度の記録はこちら
平成22年度の記録はこちら