リフター
<目的>
 物体に電圧をかけると電気の力だけで自然に風が発生するということを聞き、その力で物体が浮上するかもしれないという期待から、実際に浮かんだ姿を見たいと思った。

<器具・装置>
バンデグラーフ起電機・誘導コイル・テレビジョン・導線・アルミホイル・バルサ材・接着剤・クリップ・線香

<リフターの作り方>
材料・・・・・バルサ材、アルミホイル、瞬間接着剤、銅線
寸法・・・・・アルミ箔40mm×300mm 3枚、バルサ材2mm×300mm 6枚

<実験1>
 バンデグラーフ起電機・誘導コイルの(+)を導線に、(−)をアルミにつける。そして、少しずつ加圧していきリフターの変化を見た。
結果
バンデグラーフは風が発生し、かすかに動くときもあったが、誘導コイルでは微動だにしなかった。

<実験2>
 テレビジョンのブラウン管の裏側の側面につながる端子から電源(+)をとり、リフターの導線部分に接続し、リフターのアルミ部分から水道にアース線を取り付ける。そして、テレビのコンセントを変圧器に接続して、少しずつ加圧していきリフターの変化を観察する。
結果
 強い風が発生し浮上したが、リフターの重心が安定していなかった、あるいは力が均等に働かなかったために一つの場所に長時間留まって浮上していることはできなかった。


<考察>
 バンデグラーフ、誘導コイルのときは電圧が高すぎる、または流れる電流が小さすぎる、連続的に電流が流れないため浮上することはできないと思われる。
 テレビジョンでは電圧は前に記した2つより低いが、電流が程よく流れたため浮上したのだとおもわれる。リフターに電圧をかけると、飛ぶ、飛ばないにかかわらず、銅線部分から下向き(アースしたアルミ箔)に風が発生した。これは高電圧をかけると銅線部(正極)が周辺の空気から電子を奪い取りそして荷電して陰イオンになった空気がアルミ板(負極)に引かれて電子を受け取ろうとするため風が発生するためである。リフターの浮上はこの下降気流が発生したときの反作用で浮くのだと思われる。

<感想>
 始めは、どうしたら浮くか分からず、何台もリフターを試行錯誤しながら作っていった。しかし、どんなに軽くしても、形を変えても、バンデグラーフと誘導コイルで実験しているうちは、風が発生するだけだった。
 そこでテレビのブラウン管を使い実験することにした。すると、リフターが浮いた。浮いた時は本当に驚いた。ここまで来るのに時間がかかり過ぎたため、アルミ電極(−)の幅を変えたり、正極から負極までの距離を変えたときの浮力の大きさの変化を調べることができなかったのが残念だった。

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