指導者の心理、選手の心理

 

★読みやすいように、ワンポイントごとにまとめました。ひろい読み、つまみ読みをし ていただくほうがよいと思います。それぞれのポイントごとにつながりはなく、わざ とバラバラの内容にして並べてあります。参考になる部分を、どこから読んでいただ いただいても結構です。内容は、練習場面・試合場面での心理面についてのいろいろ です。(岐阜STCに依頼されたバレー指導教本の原稿です。)

 

 

 

 

おーい

 

 

 

 解説

 

 ☞選手をしかること、お

  こることについてのア

  ドバイスです。

 

 

 

 

 

 ☞たるんだ場合に有効。

  ミスをひきずって集中

  できなくなった選手の

  頭の中のモヤモヤを消

  す愛のムチになる。技

  術の未熟な選手にはか

  えってマイナス。

 

 ☞指導者の感情が先行す

  る場合は、単なる不安

  の表れ。「またミスす

  るんじゃないか」と思

  っている不安が的中し

  た場合に多い。

  体罰やおこりすぎが不

  安の表れからくる場合

  は、選手も不安になる

  もの。ミスした直後に

  おこってヘタにするこ

 

 

 

  これは、練習中や練習試合、公式戦中に監督・コーチが

 選手に対して、大声で叫ぶコトバです。よく似たかけ声に

 は、「おーい」の他、「バカ!」、「何やってんだー!」

 「アホー」、「△△△(名前を叫ぶ)」、「あーん」等。

 ほとんどの場合、ミスした直後にタイミングよくあびせら

 れます。時には、「・・・(バシッ!)」とか「・・(パ

 チッ)」、「・・(ボコッ!)」という場合もあります。

  これは、以下の4つのパターンに分類されます。

 

 @ピリっとしない選手、集中しない選手にカツをいれる。

  1流の選手でもないかぎり、公式戦以外では、今以上に

  集中できる力を残しているので、有効な場合がある。だ

  が、選手の技能のレベルがある程度高い場合に限られる

  ようだ。つまり、集中すればプレーの成功率が高い選手

  は、一般的に「うまい選手」であって、ピリッとすれば

  よりプレーの成功率が高くなる。

 

 Aへたな選手をよりへたにする。

  この場合は上記の逆といえる。指導者がカツを入れるつ

  もりで「バカヤロー!」と叫んでも、へたな選手がミス

  した直後にこれをやると、「ミスするんじゃないか?」

  という「不安回路」をより強くすることになる。これに

  より、脳にある「不安回路」は少しずつ強化され、おな

  じようなプレーの場面をむかえた時に、ミスした動きを

  見事に再現することになる。そして、さらに「何回おな

  じミスしてんだー!あーん!」とカツ?が入り、へたな

  選手をよりへたにするという公式ができあがる。これは

  とくに、ゲーム練習、練習試合、公式戦において選手を

  へたにするために有効な方法である。

 Bおこりまくって無我夢中にさせる。

  へたな選手に対する「コラー!」でも、練習場面では時

  には有効な場合がある。連続のアタック練習や、ワンマ

  ンレシーブのような連続した動きの中で、へこたれさせ

  ずに頑張らせる時に、まれに、へたな選手が我を忘れて

  粘ったり、できなかった動きやプレーができてしまうよ

  うな場合がある。その他、ある程度つなぎのできるチー

  ムであれば、練習試合などで、しょっちゅうおこってい

  ても、選手はさして気にもせず、心地よい刺激を受けて

  いる程度の顔をしてプレーする。まるで、盆踊りの△△

  音頭か、祭りのテンテケテンと同じで、プレーする選手

  にとってはBGMとなる。この監督が、公式戦でやさし

  くなったりすると、かえってリズムが悪くなる場合があ

  る。

 

 C指導者、選手ともに青春を謳歌しているという満足感を

  える。一定の緊張感をつくりあげるために「コラー!」

  は必要な演出であり、毎日毎日、選手と指導者が一定の

  時間を共有しながら、それに飽きずに頑張れるというの

  は、緊張感のおかげであり、大切なことである。ミスに

  対する怒り(バレーへの情熱)を失ってはいけない。

  とを負の強化という。

 

 ☞T.ガルウェイは、本

  能的に、かつ自然にプ

  レーする自己をセルフ

  2と言っている。ミス

  を恐れる思考はセルフ

  1と規定している。

  無我夢中で、プレッシ

  ャーのない状態をつく

  りあげる必要がある。

 「本番は練習のように、

  練習は本番のように」

  けだし名言である。

 

 

 ☞老成はいけない。

  どんなメンバーでも優

  勝をねらう。その気持

  ちが選手に伝わると、

  よい緊張感のある練習

  ができる。

 

 

 

 

ほめる

 

 

 

 解説

 

 ☞ほめることの功罪につ

  いて考えてください。

 

 

 ☞心理学では、このこと

  を正の強化という。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☞わがままな選手には、

  何をほめてもよいし、

  できていないことでも

  ウソでほめてみる。

  わがままな選手ほど、

  「自分はがんばってい

  る」つもりだから、ほ

  められたことを、ウソ

  と見抜けず素直に喜ぶ

  ことが多い。

 

 

 

  指導者にとっては、選手がすばらしいアタックを連発す

 るより難しいことです。選手にすばらしいアタックを要求

 するように、指導者もほめることに挑戦してみるべきでし

 ょう。ほめることの功罪について考えてみます。

 

 @へたな選手がうまくなる途中には非常に有効である。指

  導者が普通と思っているレベルのプレーでも、本人にし

  てみれば、今までと違うレベルでのプレーと感ずる場合

  がある。すかさずほめることで、そのプレーを定着させ

  るのに有効である。

 

 Aほめることで人間関係を改善できる。選手から指導者に

  精神的に近づくことは少なく、あえて距離をおく指導者

  も多い。また、新入学、新規入部の選手などは、とくに

  指導者との人間的に距離がある。その選手のプレーや可

  能性、素質についてほめながら、今後の努力のみちすじ

  をよくわかるようにすると良い。また、わがままな選手

  には、まずおこるよりほめることでやる気をひきだすべ

  きである。これは、次のBでもふれるが、ほめた結果、

  選手の気持ちが指導者のコトバに反応するようになるま

  で待つことが必要である。人間関係がうまくいかない状

  態で、わがままな選手に「しつけ」をすることはむずか

  しい。ミゾを深めることもある。ほめてくれる人の指導

  にどれだけ心を開いたかを感じ取りながら、わがままを

  修正してやることが順序である。そんな必要がなかった

  というのなら、それは、すでにその選手が聞き分けのよ

  い選手だったというだけのことである。

 Bウソでもほめる。これは、前のAとも少し関連がある。

  Aでは、人間性のことにふれたが、プレーについても、

  ウソでもほめる効果が時々期待できる。こうなってほし

  いと思うプレー、たとえば、レシーブ姿勢が高い選手に

  「最近よくヒザがまがってるし、低くて素早い動きだ」

  などと、ウソでほめてみる。あるいは、アタックでヒジ

  の伸びない選手に、「最近よくヒジが伸びているよ。打

  点も高くなってきたし。」とほめてみる。この選手には

  こうプレーしてほしいと思うことを、できていなくても

  ほめる。このような技術的なことのほかに、「粘りがで

  てきたぞ」「最近よく声がでている。」というようなこ

  とは、とくに効果がでやすい。ほめられたことは、強調

  して繰り返そうとするのが自然である。指導者のコトバ

  に疑問をもつのは、よほど疑い深いか、指導者と選手の

  人間関係に少しミゾがあるせいである。

 

 Cほめて失敗することもある。

  ほめて、ほめすぎて失敗するほどほめることは、まずで

  きないことであるが、技能のレベルや、チームの目標が

  高くて闘争心あふれたチームには「ゆるみ」を生むこと

  もある。厳しさの段階を上積みして、指導者が何も言わ

  なくても必死で練習できる強いチームには、練習に取り

  組む姿勢や、技術に対するほめコトバはそれほど必要な

  い。そういった強いチームでは、むしろ戦術的な部分で

  「よし、その攻めでいこう。」とか、「うまく守ってい

  るぞ。」というように、ほめる内容の高度化が必要。

  いずれにしても、ほめることはむずかしいが、選手から

  みれば、指導者の眼が、自分のことをよくわかってくれ

  ていると感じるのは、ほめられる時である。

 

 

 ☞ほめられて最初はがん

  ばっても、あきてくる

  とダメになる。そこで

  さらに「おまえは、単

  調なことでも1本1本

  集中してできる子や」

  などとほめてみる。

 

 

 ☞いいプレーをまたやろ

  うとする。

 

 

 

 

 ☞チームのレベル、選手

  のレディネスなどに応

  じて、ほめるコトバを

  選ぶべきである。

  精神レベル、技能レベ

  ルを正確に診断し、ど

  の内容のほめコトバな

  ら喜んでくれるかを選

  ぶことが肝要。

 

 

 

 

あがるな、あせるな!

 

 

 

 解説

 

 ☞ベンチの監督や控えの

  選手が余分なプレッシ

  ャーをかけることが多

  い。いわく「サーブい

  れてけ」、「落ち着い

  て」「だいじょうぶ」

  (こんな時は、ほとん

  どだいじょうぶじゃな

  い)

 

 

 

 ☞プレッシャーを味方に

 し、それを楽しむ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☞チームと個人の、いい

  点、悪い点を正確に自

 

 

 

  類似語としては、「力むな」、「落ち着け」、「だいじ

 ょうぶ」、「心配するな」などなどがあります。いずれも

 プレッシャーに負けず、よいプレーをしてほしいという強

 い願望が裏にあります。しかし、この強い願望がこれらの

 プレッシャーをつくりだしているのです。試合をする以上

 は「よいプレーをして、よい結果を残す」と考えるのは自

 然なことですが、これが、プレッシャーを自然につくりだ

 しています。

  選手、あるいはチームとプレッシャーの関係はおおよそ

 つぎの4つのパターンが考えられます。

 @プレッシャーそのものをつくりださない。

  試合後、「まったくプレッシャーはありませんでした」

  と答える選手がいる。そういう状況をつくりだす。

 Aプレッシャーを克服する。明確な目標をもって、重圧を

  感じながらもそれをやりとげる。

 Bプレッシャーを少なくする。さまざまなテクニックでプ

  レッシャーをなるべく取り払う。

 Cプレッシャーに負ける。試合も負ける。

 それぞれについて考えてみましょう。@〜Bについては、

 正確に区切ることがむずかしく、よく似た内容になる場合

 も多く、目的に対応しない方法もあります。

 

 @プレッシャーそのものをつくりださない。

  試合後、「まったくプレッシャーはありませんでした」

  と答える選手がいる。そういう状況をつくりだすために

  は、つぎのような方法が利用できる(場合もある)。

  () 練習してきたことだけしかできない。それ以上は望

    まないことを、ミーティングなどで徹底しておく。

  () やってきたことはこれだけと、確認しておく。

  () レベルの高いチームは、万全の準備ができるかもし

    れない。とくに、技術が高い(レシーブやアタック

      がかなりうまい)選手はプレッシャーが少ない。

  () ミスの確率も、ミスするパターンもある程度予定さ

    せておく。(実際よりは少なめでよい)

  () これからの自分のプレーのみに集中させる。これに

    ついては ⑷ピシッ、ポン、バシッ! を参考に。

  () 試合中のタイムにおいては、「次に相手が何点でタ

    イムをとる」「相手の何番がミスをする」などと予

    想しておく。

  () 負けてもともとの発想を利用する。ゲームを徹底的

      に楽しませる。

  () 相手チームの選手も「緊張し、不安でいる」ことを

    よく理解させ、相手より早く「攻撃的な感情」にな

    るほうが有利であることを言い聞かせる。

  () 相手のことをよく知っておく。ビデオやスカウティ

    ングで。(逆に強いプレッシャーを、選手にあたえ

    ることもある。)

  () ゲーム運びを日頃から訓練しておく。これについて

    は ⑸ゲーム運び を参考に。

  () 平常心を維持するためにチームの約束(喜び方、ゲ

      ーム中のいろいろなパフォーマンスなど)を、日頃

      からいくつか決めておく。

  () その他、 ⑺大会の1日 を参考に。

 

 Aプレッシャーを克服する。明確な目標をもって、重圧を

  感じながらもそれをやりとげる。

  () プレッシャーを感じることを認めさせ、プレッシャ

    ーは、自分自身をより試合に集中させる味方である

    と徹底させる。

  覚できること。

 ☞ただしい技術を高いレ

  ベルで習得させておけ

  ば・・・・むずかしい。

 ☞ミスをひきずるミスは

  自滅のもと。

 

 

 

 

 

 ☞強いチームにむかう場

  合はのまれないこと。

 ☞格下のチームに守りに

  まわらないために。

 

 

 

 

 

 

 ☞これはいつもやってい

  ることという安心感が

  大切。

 

 

 ☞勝とうして勝つことを

  めざす。「必ず勝つん

  だ」と言い聞かせて試

  合に臨む場合。

  () プレッシャーを感じてきたら、自分のなかにすごい

      闘争心がわいてきたと言い聞かせる。

  () プレッシャーは、飛んでくるボールのスピードを遅

    く感じさせ、ふだんの自分より、20pも余分にジャ

    ンプさせる不思議な力を与えてくれると説明する。

  () 自分自身に語りかける。自分が今現在思っているこ

      とがマイナス思考であれば、「ストップ」と言う。

      リラックスが必要であれば、「リラーックス」と語

    りかけ、積極的な考えが必要であれば、「自分はう

      まいんだ。自分ならできる。」と語りかける。

  () 味方がサーブを打つ前に、そのサーブが相手コート

    のどのあたりに飛び、セッターがどこへトスをあげ

    るか、だいたい見当をつけておく。そして、一番打

    つ可能性の高いアタッカーが、どんな攻撃をしてく

    るか予想しておく。

 Bプレッシャーを少なくする。さまざまなテクニックでプ

  レッシャーをなるべく取り払う。

  () 基本的なことで大切なことは、ウォーミングアップ

    をしっかりすることである。ハードな動きで、汗を

      しっかりとかききること。チームによってはワンマ

    ンや、ダッシュの繰り返しをする。心拍数を 120

      以上あげることが必要とされ、ある指導者は、タイ

    ムやセット間でもある程度高い心拍数を維持したほ

    うが、リードしている展開でも「ゆるみ」が少なく

    なるという。

  () ふだんからよくおこる指導者は、公式戦でもそのリ

    ズムをかえないほうが選手は安心しやすい。

  () 屈伸したり、深呼吸したり、おへその下に意識を集

    めて肩の力を抜いたり、集中すべき時に緩める筋肉

      をしっかりゆるめる。逆に、腹筋運動などで、これ

    から試合で使うべき筋肉に、刺激をあたえておく。

 

 

 

 

 

 ☞選手自身が自分に語り

  かけるコトバを決めて

  おく。

 

 

 ☞この読みを習慣にして

  繰り返し読めることが

  ものすごく大切。あせ

  ると頭のなかがカラッ

  ポになってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☞ゲームで使う大きな筋

  肉は、足とか腹筋、背

  筋であり、緊張すると

  これが動かない。使う

      お腹に力を入れてボンボンとたたきあうのもいい。

      深呼吸をするときは、吸ってお腹が出るような呼吸

      をする。肩の力を抜き、「いーち、にぃー、さぁー

      ん、しーい」とゆっくりおこなう。

  () 選手同志の視線をお互いに合わせるようにさせる。

  () タイムでは、なるべく相手チームの選手の心理につ

    いて話をする。リードされている場面では、「たま

      たま相手の調子がうまくでて、うちのいいところが

      まだでていないだけ」と説明する。

  () ブロックやレシーブは、相手選手をしぼって守るよ

    うに指示し、攻撃の指示は細かくしない。

  () プレッシャーをわざとふやしてみる。「どうせ勝て

    んよ」「絶対負けるって」「負けてしまえ」等。

  () 自信をあたえるようにする。過去をふりかえらせて

    「あれだけやってきたんだから、おまえたちは誰に

    も負けないよ」とか、「今日はついているぞ。審判

    のジャッジミスもうちに有利だ。いけるぞ。」など

  () 笑わせる。ゲーム前の練習も笑いながらしぼる。

  () ゲーム前の練習は、わざと打ちやすい手あげトスで

    打たせ、ひろいやすいボールでレシーブさせ、胸元

      にはいっていくサーブでカットさせて調子いいと思

    わせる。

  () 縁起やゲンをかつぐことで、リラックスできる選手

    も多い。

  () 試合開始前の指示では「ゲームが始まってから5分

    間のミスは勝敗に影響しないから。」とウソでも言

    っておく。

  () 試合開始前のトスで勝った場合、相手のサーブから

    始めさせるのもおもしろい。緊張する初戦の1セッ

    ト目のサーブ権を相手に与え、緊張がほぐれた2セ

    ット目はサーブ権は自分たちにくる。サーブカット

  筋肉には血を通わせて

  おく。

 

 

 

 ☞緊張している選手の気

  持ちは自分にむいてい

  る。その場合は、相手

  のことを考えさせる。

 ☞攻撃の指示はプレッシ

  ャーになりやすく、守

  りの指示は、漠然とし

  たゲーム中の気持ちを

  ひきしめて、集中力を

  高める効果がある。こ

  の選手(この攻撃)を

  なんとかすればいいん

  だというのが一番気楽

  になりやすい。

 

 

 

 ☞なるべく単純なことを

  利用する。

    が苦しいとすれば、あえてそれを選んで開き直る。

    プレッシャーのかかる最初のサーブを相手がミスし

    た場合は、かなり気楽になりやすい。奇策だが。

 

 Cプレッシャーに負ける。この場合は、相手が自分たちの

  チーム以上にミスしない限り負けるだけ。

 

 

 

 

 

ゲーム運び

 

 

 

 解説

 ☞「ゲーム運び」をバレ

  ーの基本として、早く

  から教えるべきだとい

  う指導者もいます。

 

 

 ☞技術のゲームと精神の

  ゲームがある。

 

 

 

 

 

ドーハ・・・古い?

 

 

 

 ☞甲子園のドラマも実は

  ドラマではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「ゲーム運び」がうまいとかへた、という言い方があり

 ます。具体的にゲーム運びというものが可能でしょうか。

 どこへ打って、どう守るかという戦術的な組み立てを除い

 た「ゲーム運び」について考えてみます。手の平に物をの

 せて運ぶような感覚で、試合の流れをひっぱりこめれば、

 指導者として言うことがありません。

  まず、ゲームの流れがどう決まっていくかということを

 精神的な(集中力の)ゲームとして理解してください。

 

 @「奇跡の大逆転」も、「ドラマ以上の試合」も、そして

  「勝っていたのに(というグチ)」も実は・・・・

   バレーの試合でも、TVのスポーツシーンでも、サッ

  カーのドーハの悲劇のような土壇場でのドラマは、数多

  い。また、大量リードしながら信じられないような逆転

  を経験することも多い。ほとんどのベテランの指導者は

  いくたびも経験し、百戦錬磨というべき手綱さばきで、

  それらの難局を乗り切っている。

   そこには、本当に勝利の女神や、コートに魔物が住ん

  でいるのだろうか。いるのは人間だけである。一流選手

  にとっての大舞台での心理も、県内大会でのほとんどの

  選手の心理も、ことプレッシャーに関しては似た条件の

  もとで戦っている。大切なゲームで勝てそうな点数にな

  ったり、大量リードをすれば、集中してやっているつも

  りでも歯車が狂いやすいのがチームスポーツである。

   大量リードで終盤になったり、野球で言えば2点リー

  ドしてむかえた9回裏2アウトの場面などは、まさにそ

  れである。点数と展開で有利にたったチームへプレゼン

  トされるのは、「勝てると思う油断」「勝ったつもりの

  集中力の低下」「相手のミス期待」「自分以外のメンバ

  ーの頑張りの期待」「無心でやってきた選手が急に不安

  になる」「粘りを欠くプレー」等々、悪いことばかり。

リードされているチームには「粘り」「開き直り」「思い

  切り」「無心」「すさまじいエネルギー」など・・・。

   もし、この時点での心理状態で、試合の始まりから戦

  えば、この2チームの勝敗は逆の結果を予想できる。大

量リードの場面でも同様である。つまり、点数と展開が

  有利なだけで、勝敗はいまだに決まっていないどころか

  精神的には、点数不利のチームが優位なのである。しか

  も、その精神状態は、スポーツで実力を 100%発揮する

  のにもっともベストな状態になっているゆえに、手に負

  えない力を出すのである。スポーツで実力をだすための

  精神状態が最低に近いチームと、最高の集中力を発揮す

  るチームが、ハンディをつけて試合するようなものであ

  る。バレーでいえば、リードしたチームがミスで1点で

  も失えば、14−20から4−24になるのは可能性が高い

  と言えるし、実際、そんな展開は普通に起こり得る。野

  球でいえば、2点リードの9回裏2アウトランナーなし

  から、4球かエラーで出塁すれば、その後のサヨナラ劇

  はドラマでもなんでもなく、その試合を勝ちきったチー

  ムの頑張りこそがドラマとして讃えられるべきである。

   サッカーの「ドーハの悲劇」もドラマではない。もし

  日本代表がきちっと勝利をおさめるような集中した守備

  をみせていたら、W杯初出場のドラマとして、終了直前

  の場面を扱うと思われる。実際そのほうが、スポーツの

  最高の集中力を発揮できたドラマとしては正しい。それ

  ほどゲームが終了するまでの精神のコントロールはむず

  かしいのである。

 

 Aバレーボールの「試合運び」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☞甲子園の中継で、何試

  合かに1回の割合で、

  1〜3点差からの9回

  の同点、逆転はそれほ

  どめずらしくない。

   話はバレーにもどして、試合中の、基本的な精神状態

  の変化を、実際のゲームの点数にあわせて考えると次の

  ようになる。ただし、対戦するチームのレシーブ力がほ

  ぼ互角で、総合力もほとんど同じと想定する。レシーブ

  力に差があると、下記の原則中の点数を、何割か増やす

  必要がある。

  () 5点以上の大量リードは、リードされているチーム

    の点が1点でもふえると同点になりやすい。

  () 20点を先取した場合は、相手に1点でもやると、同

    点にされる可能性は意外に高い。

  () レベルが同じようなチームでは、攻撃のミス(アタ

    ックミス、サーブミス)と拾えるボールのレシーブ

      ミスをすると、相手に3点はいる。

  () 20点以降では、攻撃のミスと拾えるボールのレシー

    ブミスをしたほうが負ける。自分がミスして、相手

    がミスすれば、今度は相手が負ける。

  () 同点に追いつかれたチームは次に1点リードする。

    追いついたチームはそこでストップする。

 

 Bバレーボールの「試合運び」応用編

  () 1セット目を勝つと2セット目は負けやすい。大差

    で勝った時ほど危険性が高い。

  () 1回戦を楽に勝つと、2回戦は苦戦する。

  () 同じチームに2回続けて勝つのはむずかしい。以前

    楽勝した場合ほど危険性が高い。

  () チーム力に差があっても決勝戦は何がおきるかわか

    らない。

  () 次の試合を考えると、今、これからの試合を失う。

 

 C結局「油断するな!」ってこと?それがむずかしい。

   たしかに、「油断するなってこと」なのだが、しない

 

 ☞チーム力の差が少ない

  場合は、かなり高い確

  率でこの原則にあては

  まる。

 

 ☞リードされているチー

  ムがあせらなければ、

  相手のミスから同点に

  追いつく可能性をもっ

  ている。

 ☞サービスエースは1点

  だが、直後にミスすれ

  ば、差し引きはマイナ

  ス3点以上。

 

 

 

 

 

 ☞あくまでも、チーム力

  が互角に近いレベルの

  2チームが試合したと

  きの可能性です。

  つもりでも、そうなってしまうからむずかしい。「油断

  するな」で解決しないチームが多いので、名監督の自慢

  話ばかりが世の中に多く残る。たとえば、試合後の会話

  の中に「勝ってたのに」(負けたくせに!)とか、「勝

  ちゲームを落とした」(結局、負けたんだろう?)とか

  「ウチが自滅しただけ」(よくわかっているじゃん)、

  「もうあそこには勝てる」(本当?)、などと言う監督

  は名監督からみれば「勝負を知らない」というだけのこ

  と。だいたい、試合中の24点のことを「勝ってたのに」

  という神経では選手の心を知らない指導者である。

   くどいようだが、甲子園の大舞台でも普通におきるこ

  とは、もはや常識として考えたい。逆転はドラマではな

  く、必然であり、大量リードや24点を先に入れたときほ

  ど負ける可能性があるのである。

   さて、その対応策の例をあげると以下のようになる。

  () まず、A「試合運び」を練習試合で徹底すること。

    ほとんど予測で言っても、だいたい当たる。

  () 24点を先取して負けたゲーム、その逆のゲームも最

    高の教材である。その理屈をしっかり教えこむ。

  () 大量リードしたときほど必死になるチームづくりを

    めざす。一ケタで勝つときは絶対一ケタで勝つ。

  () 大量リードの時に相手に1点連続入ったらタイム、

    大量リードの試合は負けると思って、早めにタイム

    をすてる。残しておくと相手に有利になるだけ。

  () ミスで流れの変わるタイミングを判断してタイムを

    とる。攻め合い、拾い合いの競り合いならば、3点

    差でも動かない。

  () 上位をめざすチームは、ヤマになる相手を研究する

    が本番では1回戦から1戦必勝の指示を徹底する。

 

 

 

 ☞文中のコトバは、「リ

  ードしていた」と書い

  てあることに注意。

  これからは、「リード

  していただけ」と言え

  るようになれば勝負に

  厳しくなれる。

 

 

 

 

 

 ☞つぎはこうなる。ここ

  でこうしたからこうな

  った。を練習試合で繰

  り返し教える。

 24点とってしまったら

  最高の集中力を発揮で

  きることが大切。

 

 ☞相手が、同点においつ

  く流れに入ったあとで

  取るタイムは敵に塩を

  贈るだけ。

  () 1度勝った相手の弱いところは選手の心から消すよ

    うにする。「あの選手は、次はミスしないぞ。」

  () 「負けてしまえ」と言う。逆に「なんとかせぇー」

      とおこる。これは、点数の流れにかかわらず、試合

      のみに集中させる方法。次の⑸「ピシッ、ポン、バ

    シッ!」を参考に。

  () 22,23点すぎのタイムは相手もほしいもの。自分が

      残していても取らないことも必要。

  () 自分と相手の当日の調子を判断し、何点が勝敗の分

    かれ目になるか、何点ぐらいまで競って、そこから

    抜けるチームが勝つかを予想し、予定した点数の前

    後にタイムをひとつ残しておく。

  () リードした局面で、それまでミスしてくれた相手が

    弱く見えるようでは「ゲーム運び」は0点。リード

    すればするほど、必死になる相手の心を感じたり、

    歯車が少しずつおかしくなる仲間の心を「やばい」

    と感じるようになるべきだ。

  () メンバー全員の、意識がそろわないと「ゲームは運

    び」は成功しない。「勝てる」と思う選手が1人で

    もいたらダメだ。「勝つぞ」という強い意志が相手

    を上回ることは必要だが、「勝てる」「勝ちたい」

    と「勝つぞ」は明確に区別して教える。

 ☞2回続けて勝つことは

  むずかしい。

 ☞具体的な指示は逆効果

  になる時が多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☞点数の流れと、集中力

  は反対になると知る。

  これこそが「ゲーム運

  び」のおもしろさ。

 

 ☞勝てると思う監督につ

  ける薬はない。

 

 

 

ピシッ、ポン、バシッ!

 

 

 

 解説

 

 ☞自然集中、つまり不安

  にかられたり、緊張し

  たりすることなく、目

  の前のプレーに集中す

  る意識の作り方。

 

 

 

  なんだかよくわからない「ピシッ、ポン、バシッ!」で

 すが、これは、前の⑷「ゲーム運び」と対比されるゲーム

 中の集中力についてのアドバイスです。

  点数を意識しながらも、集中力を高めるやり方が「ゲー

 ム運び」でしたが、反対に、点数を意識しないで、あるい

 は点数を意識してもそれをふり払って集中するための方法

 も考えられます。

  不安や、緊張にしばられる選手の、頭のなかには、ミス

 をおそれたり、過剰に力を入れたりする原因がつまってい

 ます。たとえば、ゴルフなどで、あれこれとスウィングの

 部分ばかりを考えて、変な打ち方をする人に、「いったい

 どうやって振るのがいいスウィングだと思ってるの。やっ

 てごらんよ。」と言うと、「こんなふうに振りたいんだ」

 と言いつつ、すばらしいスウィングをすることがある。

  これを、バレーにおきかえるなら、「いったいどんなふ

 うにやりたいんだ。」と選手に聞いてみる。すると、だい

 たいが、やたら細かく「こんな時はこうで、精神的にはこ

 うで、こうなったらああで、そんでもってこれにも注意し

 て。」などと監督の指導を思いつくかぎり並べたりする。

 実際にゲームをしてみると、なんだかグチャグチャのチー

 ムで、結局できないことが多くて、そのうち不安かあきら

 めか、または緊張でミスだらけということになる。

  バレーって、どんなスポーツなんでしょうか。もっと適

 当でおおざっぱな表現で言えば、レシーブをセッターにピ

 シッと入れて、トスをポンあげて、バシッと打つだけのス

 ポーツなのです。この「ピシッ、ポン、バシッ!」のリズ

 ムだけを全員で意識してやることが、実はもっとも大切で

 あり、頭のなかにそのこと以外の「思い」が入ると集中力

 が切れたり、「ミスするんじゃないか?」というもう一人

 の自分がささやきだすのです。この悪魔のささやきは、誰

 が言うのでなく、自分が自分に「勝てるんじゃないか」な

 どとささやくのです。

  「何も考えるな。ピシッと入れて、ポンとあげて、バシ

 ッと打て。」「決まろうが、ミスしようが、次のボールを

 また、ピシッと入れて、ポンとあげて、バシッと打て。」

 この繰り返しです。このことだけで頭の中をいっぱいにす

 れば、他のことを考えずにすみます。

 

 

 

 

 

 

 

 ☞「それでいいんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☞この、もう一人の自分

  のことをセルフ1と言

  う。集中してやろうと

  するセルフ2の邪魔を

  する。

 

 ☞具体的なことはこれだ

  けです。試してみてく

  ださい。ただし、「ゲ

  ーム運び」との併用は

  できません。

  ただし、これはゲームに際しての集中力のことに限られ

 ており、カバーや、コンビネーション、動きづくりの場合

 は他のことを考える脳みそが必要になります。そこで覚え

 た動きを「ピシッ、ポン、バシッ!」のなかで自然にでき

 るようにするのが練習の目的です。

  1本目のレシーブや、カバーがピシッと入らない場合は

 2本目の2段トスをピシッとあげればよいわけで、1本目

 か2本目のどちらかさえピシッといけば、その続きのプレ

 ーは自然にでるようにと、練習すればよいのです

  プレッシャーや、点数の流れや、自分が予定するミスの

 不安などのすべてから選手を解放する魔法があるはずがあ

 りません。しかし、目の前の選手の、頭のなかを少しでも

 のぞき見してやる努力も必要でしょう。

 

 

 

 

 

 ☞身体はバレーのプレー

  をしているのに、心が

  全力でバレーをしてい

  ないチームは多い。

  していないのでなく、

  バレーのプレーだけに

  集中する心がなかなか

  つくれない。

 

 

 

 

自分たちでやれ!

 

 

 

 解説

 

 ☞選手が明るくて、監督

  があまり表面に出ない

  フリをするチームには

  選手の自主性があり、

  監督絶対というムード

  で厳しそうなチームに

  は自主性がないと感ず

  るのは間違い。

 

 

 

 

 ☞きびしく指導しつつも

  選手の心のケアをして

  おり、強くなる楽しさ

  を教えている。

 

 ☞選手が勝手にやってい

  て弱かったり、ミスば

  かりするのは問題外の

  チームです。

 

 

 

 

 ☞やる気にさせなければ

  自主性はありえない。

 

 

 

  自主性のことでしょうか。「まかせたぞ。」「好きにし

 ろ。」「やらされるだけじゃだめだ。」などが近い感覚で

 す。自分たちでやってくれれば、指導者は楽だし、自主的

 な活動をしたほうが、よりうまく、より強くなりそうです

 が、現実はそんなに甘くないようです。どこまでが自分た

 ちでやり、どの部分を選手の自主性でがんばるべきか、ま

 た、どの範囲がスタッフの仕事かが理解できなくてはいけ

 ません。

  よく「あのチームは管理しすぎで、選手は監督のロボッ

 トだ。選手の自主性がない。」などと言い、また「あのチ

 ームは、選手が自主的にやっている。自分の意志でがんば

 っている。表情もいいし、ムードもいい。」と比べたりし

 ます。

  しかし、実際は、ロボットや奴隷同然の状態でがんばれ

 るはずがありません。そういったチームほど、指導者の細

 かい気遣いが働いており、選手も「この厳しい環境でがん

 ばろう。」という自主性(自分の判断)にもとずいて入部

 し、がんばっているのです。反対に、選手がいかにも自主

 的にやっているように見えるチームでも、選手が「すべて

 自分たちでやっている。」という錯覚をおこすほど、指導

 者が、毎日、細かな指導を続けている結果なのです。

  見かけのムードで、指導者の方針やチームの内情などを

 勝手に判断してだまされるのは、やや努力不足の指導者か

 もしれません。どちらのタイプのチームも、結局は指導者

 のすさまじいほどの情熱と努力で作り上げたチームなので

 す。

  どちらのタイプのチームづくりであっても、結局は指導

 者が選手を「やる気」にさせており、「厳しい緊張感のな

 かでがんばるバレー」か、「とことん自分の責任でやりき

 るバレー」のいずれかをやっているだけです。

  共通する精神的な指導は、集中力や緊張感を高めるムー

 ドづくりは選手の責任であるとして、自分たちでムードづ

 くりするように厳しく言うことです。声が大きい、声がつ

 づく、礼儀正しい、練習の切り換えのテンポがいい、ゆる

 みがない、・・・・・・それが、高い技術やすぐれた体力と同じ

 くらい大切なチームの財産であると考えており、選手によ

 くわからせ、自主的にその財産を作らせているのです。

  厳しいチームでがんば

  ろうという決意も、自

  主性なのである。

 

 ☞バレーの楽しさ、楽し

  い練習とは、結局自分

  たちで、張りのある練

  習をつくることにつき

  る。

 

 

 

 

大会の1日

 

 

 

 解説

 

 

 

 

 

 ☞まず試合会場へ行って

  やることは、じゅうぶ

  んに汗をかくこと。そ

  して体育館慣れ。

 

 

 ☞見るだけで結構精神的

  に疲れるもの。

 

 

 

 ☞ほとんどの場合は見せ

  ておくチームが多いよ

  うだが、悪いパターン

  にはまらないように配

  慮が必要。

 

 

 

  プレッシャーのかかる公式戦の1日をどのように過ごす

 かによって、試合中の集中力はずいぶん違います。以下に

 例をあげますが、チームのカラーや、日々の監督の指導、

 選手の性格などによって、まったく正反対の効果がでる場

 合もあるので、参考として考えてください。

  () ウォーミングアップをするとか、体育館に慣れると

    いうのは当然だが、とくに天井の高さを選手がどの

    ように感じるかを、直接聞いておく。2段トスの感

    覚、サーブ・サーブレシーブの感覚、2段トスのア

    タックの感覚などがふだんと違うので、そういった

      技術の練習が必要。

  () 他校の試合は、なるべく選手に見させない。次の対

    戦校は別として、その他の試合を見せると、自然に

    試合に集中してしまい、さらに会場の白熱した雰囲

    気などで、気づかないうちに選手が精神を消耗する

    場合がある。

  () 次の対戦校の試合を見ると、5つのパターンのどれ

    かにはまりやすい。ひとつは、「この相手には勝て

      そうだ」と思って「余裕」ができ、緊張から解放さ

      れること。それが、「油断」につながって、相手が

      必死になった時に「こんなはずじゃない」と「あせ

    る」こと。逆の場合は、「これは強そうだ」と思っ

    て「弱気」になってしまうこと。あるいは、「負け

    けてもともと」で「開き直れる」こと。5つめは、

      「この選手はこう攻めてくるのか」と知ることによ

    って、相手に対する集中力を高めること。

  () 試合と試合の間は、冬場は暖めて、夏場はスタミナ

    を消耗しないようにしながら、かなりリラックスを

    するような仮眠や、音楽を聞く。

  () 大会当日は、チームや個人の欠点の練習をしない。

    長所や、チームの売り物を集中して練習する。ミス

    するパターンや、ふだんの自分のミスを思い出させ

    たり、ミスを強化するだけの練習はさける。

  () ふだんやっていないような攻撃、フォーメーション

    の変更、メンバーチェンジなどはなるべくさける。

    指導者の勝ちたいあせりが選手に伝わりやすい。

  () ベンチでは喜怒哀楽をおさえるならば、徹底的にお

    さえる。感情を表現するならば、喜ぶべき時は徹底

    的に喜び、劣勢ではおこるのではなく、激励に徹す

    する。あるいは、ふだんから、おこりっぱなしの監

    督は、なるべくペースをかえない。

 

 ☞チーム強化のための1

  つのステップとして、

  その大会の成績を無視

  する場合は例外。

 ☞これをやって失敗した

  指導者が多い。

 

 

 

 

笑顔

 

 

 

 解説

 

 ☞「笑顔」についての賛

  否両論を戦わせても仕

  方ないが、日本人がス

  ポーツで「笑顔」を批

  判する背景には「和魂

  洋才」の発想がある。

  輸入されたスポーツに

  日本古来の「武士道」

  精神や、「修行型」の

  練習をミックスさせて

  きた方法の影響が長く

  続いている。

 

 ☞「陰は陽に勝てない」

  と言って、明るさを大

  切にする監督もいれば

  「バレーの道を究める

  んだ」といって必死さ

  だけを追求する監督も

  いる。結局、選手が自

  分をコントロールでき

  れば、どちらでもよい

  のである。チームのマ

  イナスになる表情はい

  らない。「甘え、わが

  まま、ふてくされ・・」

 

 

 

  実業団の指導者のなかに、「1リットルの汗より笑顔」

 と言う人もいます。また、ある指導者は「女性の最高の化

 粧は笑顔」と言います。プレーが成功したときの笑顔、勝

 利の笑顔は言うまでもなく、負けそうなときや、苦しい練

 習にくじけそうな時の笑顔は、なにものにも代えがたいも

 のです。

  反対に、強豪校の指導者は「練習中に歯を見せるな」と言います。

  いただけない「笑顔」は、ミスした「照れ隠し」、不ま

 じめな選手が仲間をさそって笑う例のいやな笑い方・・・・。

 そうでない笑顔は、相手の心をひきつけるものです。

  苦しくても、つらくても笑顔で乗り切るのは強い精神力

 の証明です。感情のコントロールができなくては、ボール

 のコントロールはできません。つまり、何がなんでも笑え

 ということではなく、練習場面、試合場面で必要な表情を

 自分でつくることが大切だということです。楽な練習では

 かえって笑わず、ひたむきな顔で集中し、くやしい時はく

 やしい顔、みんなが苦しいときは笑顔で、戦うときは闘志

 にあふれた顔で・・・・。

  笑顔は、レベルの高いチームでは不要という指導がとお

 るかも知れない。しかし、スポーツの基本は「楽しさ」で

 あり、無茶苦茶きびしい練習をすればするほど、笑顔が必

 要になる場合も多いのです。きびしさを乗り越えられる精

 神の強い選手はごくわずかです。そもそも仲間に見せる表

 情に自分のつらさだけをにじませるよりは、「あとひとふ

 んばりしよう」という生き生きした笑顔の方が、チームに

 とってはプラスではないでしょうか。

  自分の感情のなかでも、仲間に見せて良い表情と、見せ

 てしまうと仲間が気を使うような表情があります。その使

 い分けができれば、「自分のことで精一杯でない」選手に

 なります。選手は徐々に大人にならなければなりません。

 ☞これは厳しく指導すべ

  きこと。していい顔と

  してはいけない顔。

 

 

 

幼稚

 

 

 

 解説

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☞周りから見た人間像と

  本人の認識はおおきく

  ズレている。

 

 

 ☞認知の科学では、知識

  が性格の変容、人間性

  の向上に関係するとし

  ている。うまくなった

  り、できるようになる

  と、真剣にやるように

  なる場合も多い。

 

 

 

  「大人になれ」、「わがままは許さんぞ」、「勝手なこ

 とするな。」、「まじめにやれ」、「ふざけんな」・・段階

 の違いはあるが、こういったことで悩む指導者も多ようで

 す。強いチームであれば、選手の意識自体が高いので、こ

 ういった悩みは少ないようです。

  練習場面で幼稚な態度が表れる場合と、学校生活・家庭

 (社会)生活がややルーズで、それがプレーのミスとして

 出るような気がして仕方ない場合があります。

  幼稚さをだしたり、生活がきちっとしていない理由は、

 あまりに個人差があり、そして原因もたくさんあります。

 ここでは、その一部について考えてみます。

  わがままな行動や、言動をする選手は、まず「自分を認

 めてほしい」と思っています。そして、そのうちの何割か

 の選手は「わたしは一生懸命やっている」「自分はわがま

 までない」と思っています。

  年令的にまだ幼いというのは、甘やかしのもとです。原

 因は過保護、自己中心的な性格の他に、「プレーがうまく

 できない」「よくわからない」という心理がはたらく場合

 もあります。他にもいっぱいありますが、省略します。

  このような「わがまま」からひきおこされる問題は山ほ

 どあります。それに対して、直接本人に厳しく「しつけ」

 するのも方法のひとつですが、人間関係にミゾができるこ

 ともよくあります。そこで、いくつかの方法を下記にあげ

 てみました。

 

 @いろいろな演出をする

  () 感動を演出する。レギュラーとして使いたいが、わ

    がままが気になり、指導者がコートからはずすこと

    がよくある。「干しておく」とよく言われるが、こ

      の時に、「おまえのここが気になるし、そんな根気

      のないことでは、大事なところでミスをする。しか

      し、△△選手(誰でもよいが)の部ノートに『先生

      あの子をコートに戻してください。今はダメでも、

      根気よく練習するようになればあの子が一番です』

      と書いてあったから、おまえを使うことにした。」

      というようなパターンで、仲間が信頼していること

    を、なるべく本人の心が動くように伝える。

  () その選手のことを抜きにして、チームのだらしない

    部分を(いやみたっぷりに)指摘し、徹底的に追求

    する。それを自分たちで解決させるようにしむけ、

    その過程で、他の選手が日頃感じていることを言う

    ようにさせる。わがままな選手が少しでも考えるよ

    うな機会をうまくつくりだす。これは、失敗すると

    結構やっかいなことになる。

  () わがままのほとんどは、意志の弱さの表れである。

    気の大きい選手は、自分の感情をコントロールでき

      るので、「しつけ」も簡単だし、礼儀もわかる。

    意志の弱い選手は、「しつけ」をしても根気がない

    ので「しつけ」がただの「メッキ」で終わってしま

    う。とにかく意志の弱い選手には根気をつけさせる

    ることだ。根気の原点は、「やる気」である。その

    「やる気」は、おだてて作られたものでなく、しん

    ぼうの必要な世界にすすんで入っていく「やる気」

    でなければならない。しかし、いきなり「やる気」

    は本物にはならないので、どうしても、おだてて人

 

 

 ☞干されて、「やる気」

  がない状態ではダメだ

  が。

 

 

 ☞指導者がいろんなドラ

  マを作るべきで、平凡

  な毎日では、変化や成

  長はのぞめない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☞おだてる、つまりウソ

  でもほめるのもよく効

  く。

    間関係を近い距離までもっていき、指導者が「やる

    気」を本物にさせるまで、あいさつ、そうじなどの

      できることから、少しずつしんぼうを覚えさせなく

    てはいけない。

  () 感動する話、ビデオ、映画などを利用する。あるい

    は、身体に障害のある人ががんばっている姿を見せ

      てみる。

  () 感動するような一流のチーム、選手の練習を見学さ

      せる。同じ年令の選手であるほうがよい。

 

 A形式から入る

   わがままが途中から気になる選手も多い。最初は緊張

  して入部してきても、慣れてくると自分の感情をコント

  ロールできず、わがままが目立つようになる。

   こんな選手には、形式的な「しつけ」を長期にわたっ

  ておこなう方法がよい。いわゆる「部活の時だけ態度の

  よい」選手であるが、このような「メッキ」もくりかえ

  してしつけることで、厚い「メッキ」に変わっていく。

  「メッキ」も厚みをもてば、下地より厚くなっていずれ

  「本物」になる可能性がある。在学中はダメでも、いつ

  かそれがわかる時がくる、という選手もいるかもしれな

  い。それでいいのである。

 ☞体力がついてくると意

  外な成長(根気)がみ

  られる。

 

 ☞感動は、話して聞かせ

  ても伝わりにくいし、

  実際に見るのと、見な

  いのでは全然違う。

 

 

 (10)

強い

 

 

 

 解説

 

 ☞強さの1番は、いい選

  手がいること。2番目

  は指導者の情熱。

  ここでは、選手・チー

  ムの精神面のみに着目

 

 

 

  誰でも強いチームをつくりたい。あるいはすぐれた選手

 になりたいし、自分のチームが強ければと願っています。

 たしかに、強いチームづくりの基本は、選手の素質が1番

 です。しかし、ここではそれ以外の要素、粘り強さ、勝負

 強さ、しつこさ、たくましさ、あきらめない、土壇場に強

 いといった精神面にのみ注目してみます。

  ミスが1本でると、「不安」「弱気」になる選手やチー

 ムと、ミス1本のあとにかえって燃える、あるいは、勝負

 強くなるチームの差は何でしょうか。競り合いになるとミ

 スを恐れる選手、逆に競り合いで集中力の高まる選手やチ

 ームの差。監督にピシッ?と気合いを入れられることで、

 頭の中がかなり混乱し、不安にかられてミスばかりする選

 手やチーム、その反対に、おこられるほどに「くそーっ」

 と燃えて集中モードに入るチーム、この差が、そのまま強

 い・弱いの分かれ目だといえます。大会のプレッシャーが

 かかるほど(相手が強いほど)燃えるチームと、ミスだら

 けになるチームの差がでます。

  まず、おこって集中力が高まる選手は、技術の裏付けが

 あるということです。ある程度のレベルまで、技術をひき

 あげてからでないと、集中力を高めるためにおこることは

 逆の効果になります。つまり、おこることで集中力が分散

 します。

  ふたつめはチームや選手の目標が、指導者と同じ高さに

 あるということが重要です。指導者が優勝するために、こ

 のプレーにミスがでては勝てない、と思った時におこりま

 す。ところが選手は「ベスト8でいいわ」と考えていれば

 おこられる意味がわかりません。

  3つめは、おこられている選手の心を読むことです。お

 こられた選手の気持ちが「なにくそっ、絶対にこのプレー

 をやるとげるぞっ」というように変わったかということが

 非常に大切。おこられても弱気になったり、ひるんだりす

 るような選手でなくなったか、ということです。練習でこ

 れを繰り返して選手の精神を鍛えていくと、「ミスをひき

 ずっているその気持ちがミスだ。」という考えも甘い、と

 なります。選手は「やるしかないんだ」という強い執念を

 徐々に獲得していくことになります。

  このように選手の技術と精神力を診断しながら、厳しさ

  して強さを考える。

 

 

 

 ☞よく「終盤の競り合い

  は、たたいたチームの

  方が強い」という人も

  いる。しかし、同じよ

  うな厳しい指導をして

  いるのに、公式戦で自

  滅をくりかえす場合も

  ある。

 

 

 

 

 ☞選手はどこまで勝ちた

  いのか確かめる。目標

  を高くもたせる。高い

  レベルのプレーを頭で

  理解させる。

 

 

 

 ☞おこってダメになる選

  手では、勝てない。

  おこられても「なにく

  そっ」という精神をも

  つようになるべきだと

  よく言い聞かせる。

 を要求していくチームだけが、上位に進出していけるので

 す。

 

 

 

 

 (11)

ひとこと集

 

 

 

 解説

 

 

 

 

 

 

 ☞とは言うものの選手の

  好きな監督は、明るい

  監督、情熱的な監督、

  教え上手な監督・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☞単純なこと、かんたん

 

 

 

  チーム作りや、選手のメンタル面の指導、あるいはゲー

 ム場面での「ひとこと」を集めてみました。簡単な説明を

 加えましたが、ピンときて利用できそうなものはご活用く

 ださい。名言・金言とは限りませんが、「これだっ」と感

 じる指導者には、それなりに・・・・と思います。

 

 ・『監督は選手を替えれない。選手は監督を選べない。』

  (指導者が選手に、選手が指導者に不満をもったら終わ

   り。この監督でがんばる。この選手とがんばる。)

 ・『おこってくれるのは味方の監督』

  (ミスを喜ぶのは敵の監督、ミスに目をつぶってくれる

   のはそれに似たようなもの。仲間同士でも同じことが

   言える。)

 ・『心が顔に表れる』

  (ふてくされた顔は、「指導してくれるな」という心の

   表れ。言われやすい表情をつくることは、チームスポ

   ーツに参加する選手の義務。人間としての常識。)

 ・『魅力は自分で作れ。身長は親からもらった魅力だ。』

  (技術、体力、表情など、選手が自分でつくりあげたも

   のでしか勝負できない。)

 ・『きついことをやったら得したと思え』

  (苦しい練習、きつい練習をやらされて損をしたと思う

   選手が多い。)

 ・『苦しみ損をするな』

  (どうせ苦しい思いをするなら、中途半端な努力で惜敗

   するより、勝ち切る力をつけるまでの努力をする。努

   力が95点では、負けたときに悔いが残る。)

 ・『平凡こそがファインプレー』

  (かんたんなチャンスボールを、「オーライ」かけて、

   正確にセッターに返球する。これを雑にやらないこと

   がファインプレーにつながる。声をかけるとか、簡単

   なボールでも正面に入るとか、どんなボールでも追い

   かけることがものすごく重要。)

 ・『聞き上手、しぼられ上手、しかられ上手』

  (きつくても楽しい練習をつくるのはしぼられ上手がい

   るから。緊張のある練習はおこられ上手のおかげ。)

 ・『苦しみは喜びの貯金』

  (毎日、毎日の小さな喜びは使わずとっておく。苦しい

   ことも、試合で勝つ大きな喜びのための貯金。なるべ

   く楽することを避け、苦しいことを迎えにいく。)

 ・『チームの一員となる3条件は、節度があること、仲間

   の痛みがわかること、問題意識をもつこと』

 ・『味方を生かす喜び』

  (バレーボールはカバーのスポーツ、味方を生かすため

   に自分を殺す。死んだと思った自分が味方に生かされ

   る喜び。)

 ・『同じ目でプレーする』

  (集中したときの自分たちを思い出して戦え。自分一人

   でやっているんじゃない。お前が全部決めなくても、

   1本も決めなくても、みんながやってくれる。)

 ・『背の低い者が小さな目標をもち、長身のチームが大き

   な目標をもつから、いつまでも勝てない』

  (素質に恵まれなくても、全部拾えば勝てる。身長をみ

   て自分たちで勝手にあきらめるな。)

 ・『自分を裏切れ』

  (この選手じゃ勝てないと思う自分の気持ちを裏切れ。

   「この選手たちがよくぞここまでうまくなった」と思

   う自分の気持ちを裏切って、もっとできると思え。

   選手は「自分はこんなもんのだろう」という気持ちを

  なことを軽く見ると負

  けるし、うまくならな

  い。

 

 

 ☞しぼられる時にすごく

  張り切る選手、おこら

  れる時に、言われやす

  い顔でおこられる者は

  伸びる。

 

 

 

 

 ☞この喜びをみんなで大

  切にしようという約束

  が、チームの基本。

 

           、

 

 

 

 ☞「背の低い選手ほど、

  大きな目標をもて」

 

 ☞今までの努力を知って

  いると、よくここまで

  うまくなったと思って

  甘くなる。反対に、素

  質のある選手が入部す

  ると勝てると思う気持

   裏切れ。)

 ・『コート内の練習は3割』

  (学校生活、私生活が自分を形づくる。その自分がバレ

   ーをやっている。コート外のことがしっかりできずに

   いいプレーはできない。)

 ・『バレーボールは便所のゲタ』

  (次の人のために、心をこめてそろえておく。誰も見て

   いない所(つまり心のなかで)で相手のことを考える

   ことができる。私生活からしっかりしている。)

 ・『人間はいつも下りのエスカレーターに乗っている』

  (少しでも楽したいという本心が、毎日の自分の頑張り

   を気づかないうちにダメにする。ほっておけば甘くな

   ってしまう。普通の努力でも現状維持だけ。)

 ・『最後だ。持っている声とジャンプと体力を残すな』

  『明日の朝まで粘れ』

  (お互いに苦しい展開の粘り合いになった勝負では)

 ・『たまたま相手のいいところがでただけ』

  (セットの序盤でリードされたときは。)

 ・『今日頑張れば、明日は明日の自分が頑張ってくれる』

  (今、自分が集中すべきことを全力でやり切れ。)

 ・『練習は、おまえがもってる最高の粘りと声をコートに

   もってこい』  (そのまま)

 ・『ユニフォームを着たときより、練習着を着たときに公

   式戦の気持ちになれ』

  (練習は本番のように、本番は練習のように)

 ・『性格が弱いからあがるのではない』

  (必ず成功してみせるという気持ちをもて。)

 ・『本気で勝とうとしている人間はそんなに多くない。絶

   対にあきらめなかったらチャンスはある。』

  (勝ちたいと思う選手は多い。必ず勝つぞと思っている

   選手は少ない。)

  ちも裏切るべき。

 ☞バレー専用だけの性格

  はありえない。ふだん

  の自分の長所、短所は

  必ずプレーに表れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☞この反対は「リードし

  たら、相手があきらめ

  るまでゆるめるな。」

 

           、

 

 ☞「練習着がユニフォー

  ム。」

 

 ☞本番では、自分の悪い

  ところばかり気にする

  選手で負ける。

 ・『強い人に頼るより、弱い奴が集まった方が強いときが

   あるものだ』

  (ワンマンチームは倒しやすい。雑草軍団には、底知れ

   ぬ強さがある。)

 ・『親がくれるものは、愛情、お金、食うもん、着るもん

   親がくれないものは苦労』

  (全部もらって一人前をめざすのが若いもん)

 ・『つめができるのが勝負』

  (20点からがバレーボール。大量リードは負ける。24

   をさきに取ったら負ける。)

 ・『自分の内側からわきあがってくるようなやる気が、本

   物のやる気、言われてやるのはやる気ではない。』

  (指導者の知らないところで身につけたプレーが点にな

   る。指導者が驚くプレーが勝利を呼び込む。)

 ・『恵まれない自分の素質に発奮し、本気でやる気になる

   のか、あきらめるのか』

  (未熟な自分の素質こそが最高の発奮材料。あきらめる

   だけなら誰でもできる。)

 ・『自分に勝ったという証明が必要。みんなが見ていると

   ころで自分の意地を見せる』

  (泣いても誰も同情しない。)

 ・『ミスが許されない全日本でもミスをする。未熟な自分

   がミスを恐れればもっとミスをする。』

 ・『適当な人間には、適当な結果しか残らない』

 ・『ころんで起き上がったときや、自分の練習の順番が終

   わった直後のパッパッという動きがいい練習を作る』

 ・『努力が好きという素質が一番大切な素質』

  (天才は有限、努力は無限。)

 ・『要するにプレーでも、会話でも、何をやっても人をさ

   さえるのがうまいということだ』

  (表情だけでも人をささえることができなくてはいけな

           、

 

 

 

 

 

 

 ☞ゲーム運びが徹底でき

  るか。

 

 

 

 

 

           、

 

 

 

 

 

 

 ☞サーブカットは国際試

  合でもミスがでる。へ

  たな選手がミスを恐れ

  ればもっとミスをする

   い。)

 ・『車で送ってもらったら、送っていただきありがとうの

   後に、気をつけてお帰りくださいの気持ちをもて』

  (レシーブでしぼられた直後、自分のことで精一杯にな

   るなということと同じ。一瞬も気を抜くな。)

 ・『すべてのプレーに「こんなもんだろう」を消し、「こ

   んなもんじゃない」をもて』

 ・『一所懸命やればいいことがある』

 ・『結果は目標のふたつ下』

  (優勝めざしてもベスト4、ベスト4をめざせば16どま

   り。全国で2つ勝とうとするチームが、県で優勝。)

 ・『チームワークの基本は、自分の仕事に責任をもつこと

   である』

 ・『強いチームは練習前の準備のときにわかる』

 ・『1日や2日休んでもできるような練習をするな』

  (強さは一瞬。強いボール、激しいラリーに全身全霊が

   慣れていくレベルの高さで勝負がつく。)

 ・『選手も指導者も、素質のほとんどを眠らせている』

 ・『コートの勝負も、人生もやり直しのきかない勝負』

 

 ☞いろいろな場面で、こ

  まかな「しつけ」をし

  てやる指導者がいいチ

  ームを作る。

 

 

 

 

 

 

 

           、

 

 

 

 

 ☞まだまだがんばれる!