化学技術工学科

2・3年のカリキュラム

2年生

実習

定量分析、有機合成、物理化学の基礎的内容を学習し、化学実験に関するスキルを習得します。
定量分析では食酢に含まれる酢酸の定量、有機合成ではパイナップルのような香りがする
酢酸エチルという有機溶媒となる物質を合成します。
物理化学実習では、濃度の異なるエタノールの密度、粘度、屈折率を測定します。

工業化学

化学は身の回りの「もの」を「物質」としてとらえる学問です。
工業の視点で物質の基本的な性質からそれを機能として利用する技術を学びます。
ここでの学びは実習の内容と関わり理解が深まります。

化学工学

製品を製造するための化学反応や操作条件、そこで使用される機械や装置について学習します。
これらの学習は、環境保全、防災保全その他の付帯設備全般についても必要とされ、
幅広い学びとなります。

3年生

課題研究

自ら課題を設定し、仲間と協力しながら課題解決を目指します。
学科での学びが豊かな発想力や解決能力、プレゼンテーション能力に結び付き、
「ものづくり」の楽しさが実感できます。

実習

2年生の実習の応用的な内容を学習します。
機器分析、バイオ・プラント実習、分析応用、有機合成応用の
各領域を学び知識と実験スキルを高めます。
特に機器分析実習では、蛍光エックス線分析装置、原子吸光分析装置、電子顕微鏡、
ガスクロマトグラフ分析装置などが整った設備環境で、
企業が行っている分析業務を体験することができます。

工業化学

有機化学の発展とともに作り出されてきた医薬品や化粧品、化学繊維、
プラスチックなどについて学びます。
生命と化学工業とのかかわりや、化学プラントにおける
物質の安全な取り扱いについても理解を深めます。

地球環境化学

1年生で学習した内容の発展的事項を扱います。
持続可能な社会の実現のために、生物多様性の保全や循環型社会への構築のために
必要な内容を学びます。
地球環境保全の視点をもった化学技術者の育成に必須の内容です。

取得できる資格

-国家資格

危険物取扱者
乙種・甲種

火災や爆発を起こす可能性がある物質を
正しく取り扱うための
知識を習得します。

毒物劇物取扱責任者

人体や環境に影響を及ぼす物質を
正しく取り扱うことができる
知識を習得します。
(化学に関する科目を30単位以上修得することで、試験免除で有資格者となれます)

-その他の資格

計算技術検定

関数電卓を使って式変形や効率よく
解を求める技術が習得できます。

情報処理技能検定
表計算

表計算ソフトエクセルの基本的な操作方法を習得できます。

卒業後の進路

就職企業一覧

学園生

(株)東海理化電機製作所|大同特殊鋼(株)| 等

医薬品・医療機器・化粧品原料

アピ(株)|一丸ファルコス(株)|(株)サンプラネット
住友化学(株)|テルモ クリニカルサプライ(株)
(株)メニコン| 等

化学製品、素材・インフラ整備

川重岐阜サービス(株)|岐阜プラスチック工業(株)
東レ(株)|豊田合成(株)
(株)フジミインコーポレーテッド|等

環境分析

(一財)岐阜県環境管理技術センター| 等

進学先一覧

  • 豊橋技術科学大学 工学部 応用化学・生命工学課程

    愛知工業大学(情報科学部 コンピュータシステム専攻)

  • 金沢工業大学(バイオ科学部 応用化学科)

    京都芸術大学(芸術学部 歴史遺産学科)

  • 大東文化大学(スポーツ健康科学部 スポーツ学科)

    中部大学(工学部 応用化学科)

  • 東海学園大学(経営学部 経営学科)

    長浜バイオ大学(バイオサイエンス学部)

  • 朝日大学歯科衛生士専門学校

    岐阜市医師会准看護学校

  • 日本聴能言語福祉学院(義肢装具学科)

    平成医療短期大学(リハビリテーション学科 作業療法) 等

在学生・卒業生の言葉

卒業生 佐竹 繁寿さん

-豊橋技術科学大学 大学院2年生

岐阜工業高校での先生方や仲間との出会いが
自分の人生を大きく変えてくれました。
中学時代は将来の夢も描けていない状況で、
家から近いという安易な理由で岐阜工業高校の化学技術工学科への
進学を決めていました。学科が大切にしている学ぶ意欲と
コツコツ取り組むことを意識して過ごすようになり、
進路の選択肢がどんどん広がっていきました。
工業高校推薦枠で国公立大学豊橋技術科学大学に進学し、
今は大学院で研究に勤しんでいます。
「岐阜工業高校の化学技術工学科なら頑張りたいことが見つかる!
頑張ったことが進路につながる!」
何より化学を学ぶと世界が違って見えてきます!

卒業生 伊藤 聖菜さん

-岐阜県環境管理技術センター 就職

私は岐阜工業高校の化学技術工学科で
自分でも気づかなかった能力を開花させることができました。
実習で身に付けた分析技術がコンテストで県優勝という成果になり、
さらには就職先に結び付きました。
在学中所属した化学研究部の活動では自分の視野を広め、
学んだ化学技術が社会貢献につながることを実感することができました。
今は、環境分析のスペシャリストになる夢に向かって頑張っています。
「岐阜工業高校の化学技術工学科なら頑張りたいことが見つかる!
頑張ったことが進路につながる!」
何より化学はワクワク楽しいことがいっぱいです!

Q&A(よくある質問)

Q

化学のおもしろいところは?

A

『クモの糸は鉄より強い』
『アンモニアは空気中の窒素から合成できる』
『未来の車はアンモニア車?』など、
様々な物事を化学的な視点で基礎基本から学び、
未来を創造することができるところです。
化学の進歩は人類の発展に大きく貢献してきた、
そんなところにロマンを感じます。

Q

どんな実習をするのですか?

A

酵母菌によるエタノールの生成、
オリーブオイルでオーガニック石けんをつくる、
金メダルにはどれくらい金が含まれているかを
分析機器で測定するなどの充実した
化学系カリキュラムを学びます。
そして3年生では独自のテーマを探し、
研究発表をします。