平成17年度 サイエンスリサーチU(2年生理数科課題研究)一覧

番号 テーマ メンバー 指導者
11 スターリングエンジンの製作 西尾,松木,安福,山内,鈴木 山本
モノヅクリが好きなメンバーが集まって省エネルギー動力のスターリングエンジンを製作した。構造などを理解し、それを深めるために実際にそれを用いた車の製作を行ってスターリングラリーに出場した。
12 風に向かって走るウインドカー 伊藤,林,曽我,宮川,吉江 山本
風の力だけを使って走る車を想像できますか?しかも風に向かって走るのです。私たちはグループを2つに分け、それぞれでオリジナルなウインドカーを作り、競い、より良いウインドカーに改良してきました。
13 自由落下による無重力実験 丸山,鈴木,可知 高木
自由落下による無重力実験;物体を8mくらいの高さから自由落下させることで無重力状態に限りなく近い状態を作り、その条件下でどの様な現象が起こるかを実験により検証した。観察は内部に設置した小型カメラの映像をFM電波で送信し、地上のテレビ受像機で受信して行なった。
 詳しく(pdfファイル)実験の様子(動画)無重力の炎(動画)無重力の磁石(動画)
21 人工ダイヤモンドの合成 橋,松井,伊藤,森本 西尾
熱フィラメント法という方法で実験を行ったが、実験は装置を設置するのに時間がかかったので何回も実験することはできず、失敗も多くあった。そこで、名城大学の平松助教授にお願いして実験方法についてアドバイスをいただき、過去に製作した試料がダイヤモンドかどうかを調べていただいた。
22 表面積と反応速度の関係 堀祐,西尾,塚本 西尾
固体と溶液が反応するとき、固体の粒子径や固体の表面積と、反応速度の間にはどのような関係があるのかを調べた。粒子径の異なる大理石と塩酸を反応させたり、表面積を変えた金属と塩酸を反応させ、コンピュータ計測器・サイエンスメイトに圧力センサーを接続して、フラスコ内に生成した水素の圧力を計測した。その結果、反応する固体の表面積と反応速度は比例に近い関係があるということがわかった。
23 宝石を作る 荻野,林,杉江 西尾
ルビー、サファイアは、主成分である酸化アルミニウム(アルミナ)と、少量の酸化クロム、または酸化チタン・酸化鉄から成る結晶である。よって、それらの試料を溶かし固めることで作ることができると考え、学校の電熱炉でも行えるよう、アルミナは氷晶石を加えることで融点を下げて実験した。その結果、ルビーは見当たらなかったが、サファイアらしき青い結晶を肉眼で確認できた。しかし、それが本当にサファイアであるという識別は行うことができなかった。  詳しく(pdfファイル)
24 香料について 田中,保母,二村 日比
人間に影響を与える香りの開発に興味をそそられ、このテーマを研究することにした。まず、香料開発の企業に協力を要請したが、高校生には難しすぎるのでやめたほうがいいと言われた。しかし、自分たちの手で香りを作ってみたかったので、私たちでも作れるということでエステル作りに挑戦することにした。エステルとは、カルボン酸とアルコールとから、水分子を取り出して生成する有機化合物のことで、組み合わせ次第で色々な果実臭がする。5つのエステルの合成をしたが、単離されたかどうか確かめるために岐阜大学でNMR測定を行ってもらい、確かに単離されていることが分かった。また、天然の香料も単離してみたいと思い、果物(オレンジ)の皮から精油(エッセンシャルオイル)を単離する実験を行った。さらに、作った香料を使っていろいろな物に香りをつける、という研究をした。
25 燃料電池の改良 長尾,堀,藤田 西尾
燃料電池を自分たちの手でつくり、より高性能なものにすることを目指した。まず、比較的簡単なアルカリ水溶液型燃料電池を製作し、電気の発生を確認した。次に、市販の固形高分子型燃料電池と自作したものの性能を比較してみた。それをもとにいくつかの改良を加えて、製作し直して、最初のデータと比較した。その結果、電圧は面積にはあまり影響を受けないという結果が得られた。
26 フェロモンの構造変換と生物への効果 伊藤,原,鈴木,梶田 日比
フェロモンというのは、動物が体外に微量に分泌し、同種の個体に特有の反応を引き起こさせる物質の事である。これは何μgという微量で影響を与えることができる。しかし、富士フレーバーの森謙治先生が原料からフェロモンを作るのは高校生では難しい、かわりにセマダラコガネムシの誘引フェロモンをいただいた。いただいたフェロモンを用いて、パラジウム炭素の触媒を用いての水素還元とNaBH4(テトラヒドロホウ酸ナトリウム)で還元し構造変換をするという実験を行った。構造変換したものと、いただいたセマダラコガネムシのフェロモンと、生物にどのような影響力に違いがあるのかを比較するために夏休みに生物実験を行った。また、構造変換ができたかどうかを、岐阜大学の生命科学研究支援センターで調べていただいた。
31 プランクトンの季節変動と水質との関係 伊藤,山口 山田
プランクトンとは、水中に浮遊して生活する小さな生き物である。季節や生息域の違いによる変動をダム湖や川を対象として調べた。その結果、同じ源流の水であっても、止水域と流水域では、プランクトンの種類や量に違いが表れること、特に水域の環境の違いによって植物プランクトンである珪藻類が住み分けしていることがわかった。
32 鶏のキメラ作成のための人工孵化の研究 伊藤,安江,小板,鈴木 山田
生物の授業で胚の発生を学び、本当にそれがおこるのかを確かめたかった。また、キメラの研究が信州大学で行われていることを知り、そのための人工孵化を試みた。その結果、温度38℃、転卵数2回、転卵角度90°で行う人工孵化が高確率で成功することがわかった。
33 なぜ花は開くのか 口田,村山,淺野 近安
「花はなぜ開くのか」という、普段は疑問にも思わない身近なことについて探求した。明確な説は解明されておらず、自分達で仮説をだし、どんな実験をしたらよいか考えながら研究を進めた。実験としては大きく分けて2つ実行し、1つは花が開いているとき、閉じているときの花びらやがくといった細かい部分の変化を観察した。もう1つの実験は蛍光灯の光を常に当て続け、花の開閉の様子を観察し、日光下で育てたものと比較した。
34 タンパク質の電気泳動を利用した魚類の系統の解析 野田,林 山田
生物のからだは、タンパク質で形作られている。またそのタンパク質は、遺伝子により分子構造を指定されている。そこで多種の魚の筋肉に含まれるタンパク質の分子量をもとに違いを調べ、その結果が似ているものから順に並べ、現在提示されている系統樹のひとつと比較した。しかし、確定付けるには実験データがまだまだ少なかったため、タンパク質を中心に見た魚の進化の過程を確定することはできず、前述の系統樹の追認をはっきりと言うことはできなかった。  詳しく(pdfファイル)
35 蟻の行動について 井上,水野,小栗 近安
当初「アリは匂いを使って帰巣している」という仮説を立てた。それを確かめるために、観察を進めた結果、次のようなことがわかった。アリは相手や物質と触角が触れるまでは反応しなかったので視覚よりは触覚でものを認識すること。またアリには特定の餌場があり、いつもその場で採餌していること。餌場から帰るときはほぼ最短距離をたどって巣へ帰ってくること。餌場や巣などの仲間の匂いが強く残っている場所に行くと考えられる。このことからアリは帰巣に匂いを用いているという結論に至った。
36 酸性雨の生物への影響 足立,松葉,永冶 三宅
降雨を採取し、そのpHを測定することにより、私たちのまわりで降っている酸性雨の実態を把握しようと試みた。また、アサガオなどの植物を使って酸性雨が生物へどのような影響を与えているか調べた。その結果、採取した雨は本来の弱い酸性(約pH5.6)よりも低い値(約pH4.6)を示し、酸性雨であるとわかった。またアサガオにpH4.6の硝酸水溶液を与えたところ、水道水で育てたアサガオに比べて花に白い斑点が見られ、葉には白い部分が多く見られた。また、ヒメジョオン、オヒシバ、メヒシバなどの雑草が育った。
37 金魚は凍結後も生きているか? 三宅,樋田,後藤,林 山田
いくつかの方法で凍らせた金魚を解凍すると、その方法によって金魚の様子に違いが見られた。
41 正多面体に内接する正多面体 石井,岩田 塚田
正多面体には、正四面体・正六面体二正八面体・正十二面体・正二十面体が存在する。正多面体の性質のひとつに、ある正多面体は別のある正多面体に内接するというものがある。その性質を確認するために模型作りを行った。模型作りのためには、2つの正多面体の辺の比を知る必要がある。その辺の比を求めるための計算を行った。合計6種類の模型を作ることができた。
51 流星電波観測 市川, 坂,今井,樋田,安藤,安江,小椋 小池
電波を利用して流星の観測を行った。二十四時間の観測が可能な電波観測で,流星の数量が時期や時間によってどう変わるかを調べた結果、時間ごとの流星量はおおむねsinθのグラフになり、ピークは午前の六時ごろにある。地球は自転しながら公転しているので,地球の朝の側のほうが夜の側よりもより進む空間が多いので,その空間における宇宙の塵の数が多くなり,そのため地球に降る流星の数も多くなると考えられる。
52 月までの距離を測る 佐々木,小林,伊藤,鈴村,岡部 小池
観測によって月までの距離(38万キロ)を測った。(1)多地点、他方向から月に明るい惑星が接近しているとき、写真をとり、観測地点の違いによる見かけの位置のズレから求める。これはインターネットで協力を呼びかけた。36万キロという値を得た(2)月食のときの月に写った地球の影から月の大きさを求め、それから計算した。41万キロ
53 プラズマの発光 〜極光(オーロラ)〜 石井,藤井,中村,松原,山内 高木
オーロラが光っている仕組みを知り、またオーロラを自分たちで作りたいと思い研究を始めた。最初に発光の様子を確かめるために、電子レンジに薬品を入れて発光させ、放電管での発光を分光器で調べた。その後、真空鐘内に擬似オーロラをつくり、その様子を観察し、考察した。また、オーロラの色が高度によって異なる理由を理論的に考察した。これらはプラズマ学会高校生シンポジウムで発表した。
54 風の日周変化 安藤,西尾,堀口,安富,吉村 高木
恵那特有の風の吹き方を発見したいと思い気象観測をすることにした。校舎屋上に気象観測機を設置し、毎日気圧や風速、風向などを中心に観測した。私たちが観測したデータや、先輩方が残してくれたデータを比較した結果、恵那でも山谷風が吹いていることがわかった。瑞浪市で行われた国際地学学会で、研究結果を英語で発表した。その後は、より正確なデータを得るために阿木川ダムや笠置山で校外観測を行った。
55 地震における災害モデル実験 森岡,森井 三宅
ペットボトルや粘土などの身の回りにあるものを使い、地震によって起こる災害、その中でも液状化現象や地震発生時の地層の様子を縮小して再現し考察した。
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