核融合科学研究所研修
事前講義を受けた後、研究所にお邪魔して、実験の準備が進められている核融合実験装置(LHD)や、操作室などを見学した後、少人数に分かれて実験を行いました。核融合科学研究所での研修は、昨年度のSPP(サイエンス・パートナーシップ・プログラム)での研修に引き続いて2度目です。
参加者 理数科2年 80名
事前講義 「プラズマと核融合」
本校で講義を受けました。
日時 平成16年7月2日(金) 13:45〜15:25
講師 核融合科学研究所 横山雅之先生
内容 プラズマ及び核融合の基礎、プラズマ応用、核融合発電、核融合炉の進展、核融合技術などについて画像を示しながらの説明。
途中の休憩時間や講義が終わった後に講師の先生を取り囲んで質問するなど、積極的に参加していました。 |
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核融合科学研究所研修
日時 平成16年7月7日(水) 12:00〜18:00
日程 12:00 学校裏でバス乗車
13:15 核融合科学研究所着 大会議室で説明
13:30 グループに分かれてLHD装置及び制御室等の見学とグループ別の実験
16:40 大会議室集合,グループ代表者の発表
17:30 核融合科学研究所出発
途中駅で下車の後、学校裏で解散
実験内容
- プラズマ放電
直流放電管を用いてプラズマ放電のデモンストレーションと、磁場とプラズマがどのように相互作用するか磁石を使って実習体験した。
- 真空
真空装置を用いて真空状態を作り、大気と真空の違いを知り、圧力、音の伝搬、空気抵抗、水の氷結などについて分かりやすく実演した。
- 電子顕微鏡
電子顕微鏡のしくみと材料のミクロな組織について理解し、実際に形状記憶合金等の電子顕 微鏡によるビジュアル的な組織観察を行った。
- 環境放射線測定
目に見えない放射線を霧箱によって可視化して観察すると共に、その放射線線量の測定を実施し、身近にも放射線が存在することを示した。
- ネットワークとセキュリティ
コンピュータウィルスの危険性とその予防方法について知るために、実際にパソコンにウィルスを感染させ、その危険性と回避方法を実演した。
事後指導 7月8日(木)本校でアンケート記入とレポート作成
アンケートから
講義と施設見学
- 普段研究所の中をのぞける機会がないのでよかったと思います。もっと本体見学の時間を増やして欲しかったのと、低温実験棟も見学したかったです。
- プラズマとは何かと言うところからわかった。また、今やっていることなどいろいろ知ることができた。ずっと興味深い話だったのでよかった。
- 講義は写真とか良く見えなくてわからなかったけど、研究所では実際見られてよくわかった。講義で聞いてヘーと思ったことが、見学で実際に見たことでよくわかった。
- 講義ではプラズマのことがかなり詳しくわかった。今まで知らなかった範囲だった分おもしろかった。見学ではLHDの大きさを目のあたりにできた。施設は大きかった、大体講義で聞いていたので新しく知った事はなかった。
- プラズマが蛍光灯やテレビなどにも使われていて、身近なところにもあるんだと思った。宇宙の99.9%がプラズマだということにも驚いた。
- 講義の内容は自分には少し難しかったが、見学や身近なものを使った実験で「難しいだけ!」と頑固に決めつけていた考えが少し変ったので良かった。
- すごい厚い壁で覆われていたり、コンピューターの数、数o単位の設計の事を聞いて、すごい危険な実験だと思った。あとすごいお金がかかっている施設で、それだけ今後期待される分野だと思った。
プラズマ放電実験
- プラズマが生じるには微妙な調節が必要だった。圧力、粒子の密度、電圧・・・。これをもっと大きな機械に移したら、もっと難しい作業になると思った。
- 真空度などを調節する係になったんだけれど、なかなか難しくて大変でした。でも、普段できないような体験をすることができて良かったです。また機会があったらやりたいです。
- プラズマを起こすには密度が大きいと電子が加速される前に分子にぶつかってしまうので、電圧を上げなければならない。密度が小さいとなかなか分子にぶつからないので、その間に加速されるため、電圧が低くてもプラズマが起きる。(加速された分子がぶつかることでプラズマが起きる)実際にやってみて、話だけではあいまいだったものが実感できて良かった。
真空実験
- 現在の科学技術に真空技術は必要不可欠であることがわかった。その一つとして冷却技術のことを知った。真空状態では物体の温度が下がり、それを食品冷凍に応用するとか。真空についてもっと知りたいと思った。
- 普段できないような実験ばかりで、とてもためになった。
電子顕微鏡実験
- 顕微鏡は扱うのが下手で、ピンとあわせが苦手で顕微鏡は嫌いです。でも、今回電子顕微鏡を使って1万倍以上拡大して見ることができて、1万倍の世界はすごいと思いました。光学顕微鏡は嫌いだけど、電子顕微鏡は好きです。
- 電子顕微鏡でバナジウムの金属片を見た。学校の顕微鏡では不可能な、高い倍率で観察できた。また観察すると同時に、その金属片をどのように分析し、どのように研究していくかが少しではあるがわかった。今回は少ししか触れなかったけど、一度他の物質を自分の手で観察してみたい。
環境放射線実験
- (霧箱で)始めは全く霧も線も出てこなかったけど、少ししたらたくさん見えるようになった。太くて短いα線と細くて長いβ線がたくさん出てきて楽しかった!!
- 放射線が人からも食品からも出ていることに驚きました。放射線を調べる機械を使っていろいろ測ってみておもしろかった。
- 「放射線」と言うと、体に有害で怖いイメージがあったけど、本当は身の回りにあるあらゆるものから、自分の体からも出ていて、とても身近なものであるとわかった。実験で実際に放射線が通る様子を見て、とても盛んに出ていることに驚いた。
ネットワーク実習
- パソコンにウイルスを感染させて駆除した。トラブルはあったけれど、ウイルスが危険なものだと言うことはわかった。パソコンを使う機会は多いので、セキュリティーには気をつけたい。
- インターネットの仕組みとか、ドメインの.jpの意味とか、使っているだけじゃわからない ことがわかっておもしろかった。ウイルスもおもしろかった。
講義と研究所の研修を通して,一番印象に残ったこと,今後に役立ちそうなこと。
グループごとの実験という意見、感想が大多数で,それ以外の意見を挙げます。
- けっこう身近な地域に世界一の装置があったことに気づいてすごかった。
- 未来のエネルギーについて。核融合に対する考え方がいいイメージになった。
- 広範囲にものを見ようと思いました。日本とか世界にはたくさんの仕事があるので、もっと色々なことに参加して、自分の将来のことを考えたいと思いました。
- 実習で目に見えないものを見て、見えないものが存在することを確認する方法がけっこう簡単に出来るということがわかり、その方法もいろいろできそうだとわかりました。
- 研究に打ち込んでいるIさんにとても引かれて、「かっこいいなぁ」と思った。
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