平成29年度 入学式 学校長式辞

式辞

古川国府盆地を取り巻く山々の雪も溶け、桜のつぼみはすでに熟しています。街から聞こえる古川祭に向けた準備の声が、春の訪れを感じさせます。

この良き日に、布俣(ぬのまた)正也 県議会議員様、都竹淳也飛騨市長様はじめ、多数のご来賓の皆様、そして保護者の皆様方のご臨席のもと、平成二十九年度 岐阜県立吉城高等学校入学式を挙行できますことは、この上ない慶びであります。

高いところから失礼ではございますが、ご参列いただきました皆様に心からお礼申し上げます。

さて、ただ今、入学を許可しました百十四名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。本校を代表して心よりお祝い申し上げます。

本日の皆さんの喜びは、皆さん一人一人のたゆまぬ努力の結果ですが、その努力を支え、時に厳しく、時に温かく見守り、導いてくださった保護者の方々や家族の皆様、そして中学校の先生方への感謝の気持ちも決して忘れないでください。

皆さんが入学する吉城高校は、今年度、創立六十九年目を迎えます。来年度には、同窓会の方々を中心に、創立七十周年を祝う記念事業が計画されています。

吉城高校は、昭和二三年、地元に高校が欲しいという地域の熱い思いを受け、南吉城郡の古川町、国府村、細江村、小鷹利(こたかり)村、河合村、坂上村、坂下村の一町六カ村が学校組合を設置し、組合立の昼間定時制高校として誕生しました。

当時の職員数は校長以下4名、授業は中学校に間借りした教室で行われていました。五年後の昭和二八年、現在、吉城特別支援学校がある増島の地に、町村が協力して新校舎を完成させ、同時に県立に移管されました。その後、卒業生の数は、昨年までで一万二千人を超え、これは飛騨市の人口の約半分に相当しますが、地元の飛騨、高山、岐阜県はもとより、全国、そして海外でも広く活躍しております。どうか皆さんも、地域の熱い願いを受けて設立されたこの吉城高校で、大いに学び、世界を広げてください。

昨年、本校の創立記念日に講師としてお招きした村上育朗先生が我々に向けた言葉を紹介します。「我々の目の前にいるのは児童生徒ではなく『未来』である」。

皆さんは、将来の地域や日本を支える大切な宝であり、さらに次の次の世代へと引き継いでいく大切な役割を担っています。

吉城高校は、現在、キャリア教育として、「吉高地域キラメキプロジェクト」、いわゆるYCKプロジェクトを進めています。昨年12月に、その活動を掲げ、国連の進める「ユネスコスクール」への加盟申請を行いました。

「ユネスコスクール」とは、環境教育やエネルギー教育、伝統文化の継承など、「子どもたちが持続可能な社会の継承者となるために必要な教育」を行う拠点校として、ユネスコいわゆる国連が認めた学校のことです。申請にあたり、事前審査をした岐阜大学からのコメントをここでご紹介させていただきます。

「吉城高校は、飛騨地方の豊かな自然と地域の伝統文化に根差した様々な活動を長年にわたって継続している学校である。しかしながら、若者の都市への流出や、高齢化の状況などから、地域社会の維持、活性化に苦慮している現実もある。吉城高校が「ユネスコスクール」として、地域社会と共に活動を続けていくことは地域にとっても大きな力となりうる。特に、吉城高校が取り組む「地域観光」、「地域福祉」、「地域教育」、「地域防災」の4本の柱は、地域の活性化に直結する課題であり、生徒が将来、持続可能な社会の形成者として、地域を支え、地域の発展に貢献できる有意な人間となるために必要な学習である。申請書に述べられたこれまでの取り組みに加え、今後の計画も含め、ユネスコの精神に合致した教育内容であり、ユネスコスクールとしてふさわしい活動内容であるといえる。」

勿論、この活動は、地域の活性化に貢献するだけでなく、それに関わる皆さんの成長を目的とするものです。仲間や地域の方々と協力し、共に創り上げることの大切さや喜びを知るとともに、何のために大学や専門学校へ進学して学ぶのか、そして、学んだ知識や技能をどのように社会で役立てるかを考えることが、皆さんの進路を切り開いていく原動力になります。新しい大学入試改革においても、特に重視され評価される力でもあります。

吉城高校の校訓は、「行学一致(先ほど言った「学んだことを行動に移すこと」です)、そして自主・創造(自ら課題を見つけ、新しいものを作り上げること)、そして最後に心身の錬磨」です。

今、皆さんの心の中は、新しい生活に向けて、期待と不安で一杯だと思います。しかし、失敗を恐れずに挑戦をしてください。挑戦によって、今までできなかったことができるようになり、知識や能力が身に着くと、さらに視界が広がります。もし失敗しても、それは貴重な経験として、皆さんをさらに成長させるでしょう。

そして、つらい学業も喜びに変え、高校生活を豊かにしてくれるのが仲間です。この百十四四名の皆さんが、互いの人格を尊重し、助け合い高め合える関係であれば、高校生活の喜びは二倍になり、つらさは半分になり、高校での学びの質がさらに向上するでしょう。

最後に、保護者の皆様、お子様のご入学、本当におめでとうございます。ここまで育てていただいたご努力に対しまして、心より敬意を表するとともに、今後三年間、本校職員が一丸となり、誠意を持って、教育に当たることをお約束いたします。入学後、心配なことがあれば、遠慮なくご相談をください。

「われらが吉城高校に 見よ栄光の未来あり」と校歌に歌われているように、新入生の「栄光の未来」を願って、式辞といたします。

平成二十九年 四月十日   岐阜県立吉城高等学校  校長 鈴木 健