平成29年11月9日(木)実施 「虎穴」はトラのお尻ではありません

私の高校時代の友人は、日曜日の朝にテレビで放送していた漢詩紀行という、ただただ中国の山奥っぽい映像に漢文が映り、それをナレーターが読み上げるという番組を毎週見ていたという強者ですが、私は当時、その趣味(?)がさっぱり分かりませんでした。

後に、ナレーターは江守徹さんで、確かに落ち着いて味わうと、力強さや繊細さがおもしろいなぁと知るのですが、当時からそれを味わっていた彼を末恐ろしく思います。
(・・・そういえば彼は、心労からか、おなかが弱かった。)

さて、先日は1年生 国語総合 漢文の研究授業がありました。

「大器晩成」
「備えあれば憂い無し」
「歳月は人を待たず」
「千里の道も一歩から」
「青は藍より出でて藍より青し」
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」

日常生活でも見かける(・・・と書きかけて、いや、見かけないなぁとは思い直しましたが、)身近なことわざを題材に、漢文での読解を行っていました。
元々は故事成語、中国の故事によるものなのですね。

20名以下の少人数で、錦織圭選手or吉本の小籔さん似の先生とのやりとりをしながら授業がテンポ良く進んでいきます。たとえ話、イラストなど、様々な角度から理解を深め、漢文を「学ぶ」と言うよりも、「感じて」「味わって」いきます。

「虎穴(こけつ)、虎の穴って何でしょう?」
「こけつ・・・トラの・・・お尻!」

そう思うのもやむを得ない感じもしますが。虎の穴は、トラの巣のことですね。岩穴や洞穴をすみかにするためです。虎のすみか、すなわち、難しい局面や困難を表します。さすがにお尻ではありませんが、みんなで言葉を吟味しながら、文法をあわせて確認し、最後は振り返りシートで各自の理解を振り返っていました。漢文を楽しんで理解する、素敵な1時間でした。

余談
漢文をノートに写して板書を書き込む姿を見て、自分の高校時代を思い出しました。やっぱりこれが漢文の勉強の王道なのでしょう。