ICT教育



◆視線入力
「気持ちを伝える、視線入力」
 視線入力機器は、マウスを使わず黒目の動きだけでコンピュータを操作することができる機器です。 肢体不自由の児童生徒は、緊張が強く身体を思い通りに動かすことに課題があり、自分の意思を表出したり、選択をしたりする際に伝える手段が限られています。
そこで、視線入力機器を導入し、コンピュータの画面上に選択肢を示し、児童生徒が自分の意思を表出することを目指し、実践を重ねました。
実践の結果、自分の視線を動かすことで的を当てる射的ゲームを取り入れ、楽しく視線入力を実践することで、より多く視線を動かすことができるようになりました。 「自分の力でできる」と実感した瞬間から、飛躍的に成長する児童生徒の姿を見ることができました。  中には、これまで意思表示が困難だと思われていた児童生徒が選択肢を目で追い、選択する場面も見られました。


◆プログラミング学習
「ドローンにのって、どこまでも」
 近年、無人航空機であるドローンは、宅配サービスや測量、農業といったあらゆる分野において活躍しています。 児童生徒の生活の一部になりつつあるドローンは、どういう仕組みで動いているのだろう? そして、何ができるのだろう?という問いのもと、総合的な学習の時間においてドローンをプログラミングで動かす体験的学習を行いました。 学習に取り組んだ児童は、スタート地点からゴール地点までのコースを自分で設計するところから始めました。 試行錯誤しながらドローンをプログラミングで飛行させ、うまくいかないときは「どう改善したらいいのかな?」と真剣に考え、 成功したときには「できた!」と心から喜んでいました。 児童生徒は体験を通して、ドローンの宅配サービスも同じように、プログラミングによって運営されていることを実感することができました。 プログラミングを体験することで、児童生徒は身の回りにあるスマートフォンやパソコンも同じようにプログラミングで動いていることを体感できました。

◆遠隔教育
「OriHimeで会いに行く。OriHimeが会いに来る。」
 当校は平成29年度にパナソニック教育財団の研究助成様による、分身ロボットOriHimeを活用しています。 OriHimeはタブレット端末やパソコンを使って操作し、遠隔地の相手と会話したり、頭部や腕を動かして感情を表現したりすることができるコミュニケーションロボットです。
 学校の周りには警察署や給食センター等、様々な場所で働く人がたくさんいます。しかし、車いすで生活する児童生徒にとって、気軽に校外学習に行ける場所ではありません。
 そこで、児童生徒は校内にいて、分身ロボットOriHimeが校外に飛び出します。イメージは、「児童生徒がOriHimeに乗りこんで校外学習に行く」です。
 児童生徒はOriHimeを活用して校外学習に行くと、本当にその場を訪れた気持ちで、様々な人にインタビューをすることができました。 この他にも、分身ロボットOriHimeを活用し自宅や病院から学校の授業に参加したり、自宅や病院から卒業式に参加したりと、児童生徒がどこにいても、学校に来ることができました。